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実例としての「きのくに子どもの村学園」

北海道長沼町に、新しく「自由な学校」をつくろうとしているNPO法人【まおい学びのさと】です!

代表・細田孝哉が、過去の説明会などで配布してきた資料の一部をご紹介しているシリーズです。
(告知することが続いており、なかなかコチラの更新ができず、申し訳ございません。。。)

今回の記事では「実例としての『きのくに子どもの村学園』」が、テーマです♪

(1)「きのくに」の成り立ち
「きのくに子どもの村学園」は、大阪市立大学の教育学者であった堀 真一郎 氏が中心となって「ニイル研究会」「新しい学校をつくる会」から学校づくりに取り組み、1992年の小学校設立から始まった。
94年には中学校を設立し、数年後には高等部に当たる高等専修学校も設立し、今に至っている。
8年近くの準備期間を経て、特別な資金援助にも恵まれ、文科省の認可を得た自由な学校が活動している。
場所は、和歌山県橋本市の街から車で20分ほどの山間にある。小中学部の生徒数約180名ほどの、こじんまりとした学校だ。高校に当たる国際高等専修学校も併設されている。

(2)「きのくに」の内容
「きのくに」の三つの原則は、

①自己決定
②個性重視
③体験学習

だから、小学部の時間割の約半分の時間は「プロジェクト」と呼ばれる1~6年までの縦割りクラスの体験学習の時間だ。

「プロジェクト」は、その年度によるが

劇団
工務店
料理店
ファーム
探検

などのテーマがあり、児童・生徒の選択で一年間取り組むものだ。
その他に、子どもたちが個別のペースで取り組む「かず」や「ことば」などの基礎学習の時間、自由選択で美術やダンスに取り組む「チョイス」の時間が設定されている。

そして、学校生活の中で起こる様々な問題や課題については、全校ミーティングで話し合われる。
ちょっとしたいじめやトラブルも教師が諭すのではなく、全体のものとして話し合い解消していく。

しかも、極力採決することなく、みんなの納得を探るためにとことん時間をかける。
そして、採決は、大人(学校には「先生」と呼ばれる大人はいない)も、子どもも一人一票なのだ。

ちなみに、学校スタッフの基本給与はみんな同額だ。
校長も、教諭も、事務員も、寮のスタッフも、年齢や経験によらず、子どもを見守るスタッフとして同等。
ただし、子ども手当や通勤手当では差がつくそうだが。
民主的姿勢は徹底している。

(3)「きのくに」の卒業生
「きのくに」に対する質問で、部外者から最も多い内容は「基礎学力は大丈夫ですか?」「高校に入れますか?」というものだそうだ。
露骨に言えば「楽しそうに遊んでばかりいて、学力は身につかず一般社会で通用しないのでは?」ということだろう。

堀 氏によれば、宿題もテストもないがチェックはしていて、5・6年の算数では平均75点程度で一般の学校にも負けていないのではないかということだ。

併設の高等専修学校に進学して学びを深める生徒もいるし、数値ではないが一般の高校に進学して好成績を上げている生徒も多いそうだ。
また、一般の高校に在籍している周囲の生徒が指示待ちで子どもっぽく見えると語っていた生徒もいた。
海外の大学に進学したり、大学卒業後、NGOで国際的な活動をする視野の広い人物も育っている。

しかもそれが「今だけ、金だけ、自分だけ」のようなグローバル人材ではなく、弱者やマイノリティーへの共感的理解に立ち、より良き社会を築くための地球市民としての活動になっている点が素晴らしい。

より詳しくは、堀 真一郎 氏の著書(今年もまた新刊が出ましたね!)に直接あたっていただきたい。

(※note担当者追記→当会代表の細田孝哉は、札幌市の公立高校にてグローバルコースを新設するなど、公立学校での実践を長年積み重ねてきた社会科、地歴公民科の教諭である。小学校教諭免許も保有)


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