1から学べる社会福祉法人会計勉強会のストーリー⑬ 賃借(ちんしゃく)対照表
1から学べる社会福祉法人勉強会の資料や書籍は、本質を伝えることを目的にしています。本質を伝えるために資料や文章へのこだわりについてお伝えしていきます。
今回のお話は、「賃借(ちんしゃく)対照表」です。
子どもが簿記に興味を持ってくれました
子どもが「簿記」に興味を持ってくれたようです。
夏休みに「簿記」の勉強を始めました。
ノートにせっせと書いています。
ちょっぴりうれしい自分がいました。
「パパのお仕事の気持ち、分かってきたよ~」
「ほら、ちんしゃくたいしょうひょう!」
「それはね、『たいしゃく(貸借対照表)』って読むんだよ」
「ほんまや」
「賃借やと思ってた」
「うわっ!ノートに全部、『賃借』って書いてしまってるわ」
せっせと書き直していました。
たいしゃくって何
「そもそも、貸借ってなに? なんなんや、借方、貸方って??」
確かにそうです。
「借方」、「貸方」って何なのでしょう。
会計や簿記以外では、この言葉を聞く機会はほとんどありません。
子どもにすれば
「貸借(たいしゃく)」よりも
「賃借(ちんしゃく)」の方が
イメージが湧きやすいでしょう。
子どもに伝えました。
「意味はあまり無いなぁ。
簿記では左側を「借方」、右側を「貸方」と呼ぶんだよ」
「それやったら、左、右でいいやん」
「その通りです」
借方、貸方という表現は、
あの福沢諭吉さんが、欧米の簿記用語を翻訳した時に、
「debit」を「借方」、「credit」を「貸方」と訳したことが
始まりと言われています。
「右と左も、元々、きっと語源があるんやろうけど、
普段、『なんで右って言うの?』とか考えへんやろ。
小さい頃、言葉を覚える時に、『右、左』って自然に覚えたやろ。
借方、貸方にもきっと語源もあるやろうけど、
右と左と同じような感覚で、簿記では『借方、貸方』って覚えるといいよ」
「そんなものか。ふん、ふん」
会計の用語について
きちんとした説明になっていないですね。
会計用語について確認してみましょう。
会計用語には、下のような用語が含まれています。
▶パターン①
日常生活でも耳にする表現と
日常生活ではあまり馴染みのない表現
例えば、現金、預金 ↔ 借方、貸方
▶パターン②
意味が想像しやすい表現と
意味が想像しにくい表現
例えば 売上、利益、賃借料 ↔ 増減差額、引当金、貸借対照表
▶パターン③
また、下のようなものもあります。
似た表現で、混同しやすい用語
例えば、前払金と前払費用、仮受金と預り金
このように様々な会計用語には、
様々な性質があることが感じられます。
会計情報を読む人、使う人
ここで、
会計の情報を読む人、使う人は、会計、経理の担当者だけではありません。
経営者や役員、管理職といった方々にとっても、会計は大切な情報の1つです。
一方で、
経営者や役員、管理職の方々の中には、
会計用語を初めて耳にする方もおられるかもしれません。
その中には、
「会計用語の意味がよく分からない」とおっしゃる人も
1人~2人くらいはおられるかもと想像しました。
また、
管理職としての立場上、
『「会計の言葉の意味が分からない」とは言い出しづらい』
こんなこともあるかもしれません。
このような方もおかれるのではという仮定を基に
事務所では、
「会計の初歩の初歩」というタイトルで
会計用語の解説だけにテーマを絞った研修会を開催するようになりました。
やってみると、参加者のみなさん、思いの外、喜んで下さいます。
参加者さんから「会計に興味が深まった」と
うれしい言葉を聞かせてもらうこともありました。
開催の1つのきっかけ「ちんしゃくたいしょうひょう」に感謝です。
最後までお読み下さり、ありがとうございました。
会計の初歩の初歩 研修会のご案内はこちらです
ご参考
マツオカ会計事務所主催の研修、書籍
勉強会の内容を書籍にして出版しています。
(第1巻〜第9巻 出版中)
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