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南仏プロヴァンスの旅

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2020年6月から2021年11月まで、南仏プロヴァンスに住んでいたときの旅ブログ。 オンラインサロン「Like! Provence」にて連載。
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#ヨーロッパ旅行

画家セザンヌのアトリエと「サント・ヴィクトワール山」

セザンヌってどんな画家? 私が住んでいた街エクス・アン・プロヴァンス通称エクスは、画家ポール・セザンヌ(1839〜1906 年)の故郷であり、創作の地でした。 セザンヌは「近代絵画の父」と呼ばれるほど、美術史にとってなくてはならない存在。 今回は、エクスにあるセザンヌのアトリエを訪れます。 セザンヌはエクスの裕福な家庭で生まれ育ち、20代前半に画家を志してパリに出ます。 最初は、モネやルノワールなど、自然の光を美しく描く「印象派」 の一員として活動していました が、やがて独

赤い色をした村「ルシヨン」のオークル

プロヴァンスの西側、広大なぶどう畑を見下ろす丘の上に「ルシヨン」はあります。 村全体が赤いのが、ルシヨンの大きな特徴です。南仏の濃い青空によく映える! ルシヨンは面積28㎢程度の小さな村ですが、その色彩の美しさに多くの観光客が訪れます。 人口2000人未満で保護遺産があるなどの基準で選ばれる「フランスの最も美しい村」にも認定されています。 ルシヨンにある建物はすべて赤い色をしています。 しかしよーく見ると、一軒一軒色味が微妙に違います。 ピンク色に近かかったり、黄色っぽか

ミモザ!ミモザ! ミモザ! 南仏の春の訪れ

冬のマルシェに並ぶミモザ プロヴァンスというと温暖なイメージがありますが、冬は東京と同じくらい寒いです。街を歩くマダムたちも、ブーツにジーンズ、ダウンジャケットを着込んでバッチリ防寒します。 そんな真冬から春先にかけて、プロヴァンスの花屋にはミモザがたくさん並びます。とくにマルシェでは新鮮なミモザの花束が3〜5ユーロ(1ユーロ約130円)と、安く売っています。 ミモザの正式名はアカシアといいます。ギンヨウアカシアやフサアカシアなど、黄色いフサフサの花が咲くマメ科アカシア属

ゴッホが描いた「アルル」では、ローマ遺跡が現役だった

アルルは小さいまちなので歩くだけなら一日あれば十分ですが、見所が多く何度も訪れたいこところです。 古代ローマ時代を物語る「円形闘技場」アルルは紀元前6世紀頃にギリシア人が開拓した後、紀元前1世紀にローマの植民地となりました。アルルは地中海へ続くローヌ川沿いに位置しているため、ローマ人は運河を建設し、アルルを地中海交易の要所としました。 そうしてアルルは「小ローマ」と言われるほど繁栄します。 現在、その形跡であるローマ時代の遺跡がいくつもあり、それらは世界遺産に登録されてい