秋の気配の美しさに触れる鉱物
今朝窓をあけると、雨と空気の匂いの中に
一夜のうちに「秋に世界が塗り変えられている」のを感じました。
たとえば、しみこんだ雨水に立ちのぼってくる湿った樹木の皮や
夏枯れた草の積もった土の匂いの持つ、ほんのりと酸っぱくて多層的な土の中のインクルージョンに。
体と鼻孔を通りすぎるそのイメージは、こちらをただ通り抜けていくようでいて、
気がつくと、深いところにこちらの意識が一緒につれられて沈んでいくような静かな心地よさがあって
少し褪せて静まった複雑な色や
粘度から熟成へ、軽みへと果実がドライフルーツになるようなプロセス
あとに結晶として残る<部分>の質感と予感や、
少ない言葉のせいでむしろ、いつまでも忘れがたくて自分の中で重みと力をもった一言のようなもの
そんなものたちで満ちている大地の深いところに触れられるのは、秋のもつ作用であり、美しさの一つだと思います。
古い記憶の蔵に入る(乙女座のキーワード)
昔、雨の多いヨーロッパのある国に住んでいたのですが
移住したての頃、まったく言葉がわからないことを補うように、あらゆる他の感覚が一気にひらいて鋭く豊かになり
周りの気配や考えていることを、皮膚感覚や匂いや音でなんとか必死に聴きとろうとしていたように思うのです。
言葉を使わないコミュニケーションの相手はいつもその土地に<漂うもの>や
建物の記憶や空気にとけている<何か>で
それはまるで世界の秘密の物語と自分1人がお喋りしていたような、とても贅沢な童話みたいな少女の頃の記憶です。
私の好きな鉱物と、気配をかたちに結ぶものづくり
秋に作るアクセサリーにはどこかそんな気配を籠めてみたいなと思っています。
褪めた青色をした幾何学的な結晶が美しい
フローライトインクォーツは、大地のメッセージの中でも「とりわけ知的で高貴なもの」を取り扱っているような気がします。
地上では少し脆くて柔らかなフローライトは水晶に閉じこめられることで
そのやわらかな叡知や気品のバイブレーションを秋の夜長を照らすカンテラみたいに放ってくれそうな気がしてきます。
サムネイルのフローライトインクォーツのワイヤーペンダント(サイズ:縦3.5×横1.0センチ)は、インスタグラムにて詳細をご案内中です。
@mao_elemental