【失いたくない】出産後の私たち夫婦の未来
臨月に突入した。
お腹は大きく前に迫り出して、体重は13kgも増えた。伸ばしていた髪の毛はバッサリショートヘアになったし、寝返りをうつたびに「ウゥッ・・・ヨイショ」と声が出るようになった。
もうすぐ、子が生まれる。
愛おしい夫との、愛おしい我が子。
私の妊婦生活は、いつどんな時も子に向けて「かわいい」「愛おしい」「大好き」といった子に対する愛に溢れかえった心でいるだなんていう生活ではなかった。
よく芸能人の方が、「お腹の子が愛おしくてたまらない、そんな日々を送っています」という内容の文面をインスタ等に載せてるのをみて、「私は、愛おしいけど、毎日毎日その愛おしさで溢れてるわけじゃない。不安もある。夫と2人の生活に未練さえある。」と思う自分は、母としての愛情が足りないんじゃないか、何か欠陥してるんじゃないかと、そんな形で自分を責めることもあった。
もちろん子は可愛い、愛おしい。検診のたびに「元気ですよ」と言われるまで不安だった。元気な姿を見て、心底安心した。4Dエコーで、まんまるのお顔と夫そっくりの鼻が映し出された時は、あまりにも可愛くて笑ってしまった。これは私が私なりにちゃんと子を大事に思っている証拠だった。
だけどその気持ちと同等の大きさの、子が無事に育つか、無事に生まれてくるかという不安と歩んだ毎日だった。そしてそれらの気持ち以上に、夫や両親、義両親への「ありがたい」という感謝の気持ちで溢れた妊婦生活だった。
私は、私らしい妊婦生活を送った。幸せだった。本当に幸せな妊婦生活だった。
子が私のお腹からこの世に誕生したらどうなるのだろう。
私と夫の関係性は、どうなるのだろう。
「まにょちゃん今日ひとりでお留守番なんでしょ(๑╹ω╹๑ )クスクス」といって、暇を持て余す私に電話で付き合ってくれる夫。
「今日はティンク(お腹の子)動いてる(๑╹ω╹๑ )??」と、毎日毎日子を気にかけてくれる夫。
「ゆっくり休んでね(๑╹ω╹๑ )」と、ぐーたらしていただけの私を優しく労ってくれる夫。
いつどんな時も私を最優先にしてくれて、私が喜ぶよう、笑えるよう、「まにょちゃーん(๑╹ω╹๑ )クスクス」と優しい笑顔でふわりと包み込んでくれる夫。
喧嘩も不穏な空気も一度も経験したことのない、「本当に幸せそうだね」と周りをにこやかにすることさえできる私たち夫婦の関係は、子が生まれてどう変化するんだろう。
よくふざけて私を笑わしてくれる夫の長所を嫌いになっちゃったりするんだろうか。「大丈夫だよ、なんとかなるよ(๑╹ω╹๑ )」と私を安心させてくれる朗らかな考えを「もっと真剣に考えてよ」だなんていってイラついちゃったりするんだろうか。
嫌だな、それは嫌だよ。
無理だろうとはわかっていても、私は母になっても変わりたくない。今までの私のまま。そこに、母という要素がプラスアルファされただけ。そんな、そんな私でいたい。
「夫を幸せにしたい」
そう思っている自分を、失いたくない。
まにょ。