親ワークは世代を超える

私は、長男出産を機に『お母さんが嫌い』という気持ちに気づいた9歳、6歳の母。
その気持ちに向き合い続け、諦めかけた日々と『お母さん大好き』を取り戻した記録。

この内容をサクッと見たい方はこちらから↓

・夢と現実の間の母

9年間の私と母の向き合いを思い出しながら、執筆を続けているので話しが行ったりきたりでちょっと分かりづらくなってますが…

実母の事を心から許し『大好きだよ』と言えるようになったのはつい3ヶ月前のこと。

そんな母は、脳腫瘍で闘病中。結構早いスピードで病気は進行しています。

つい3ヶ月前までは、まだコミュニケーションもとれていました。そして、今私は実家から遠く離れた離島に住んでるので中々母に会いに行けないのが実情です。

さて、今日はそんな母の今を綴ります。
自宅で過ごしたい!認知症の父を介護したい!
と8月に退院した母。

それから、約2ヶ月。
使えるサービス全て使って、姉が往復2時間かけて時々通ったりしながら過ごしていた。

今月に入り、家のすぐ近くで迷子になってしまい見守りカメラを導入。電話をかけたり、電話に出たりも難しなってしまった。
でも入院はしたくないと。

今週、半分裸で外に出てまた迷子になってしまいトイレに行くのも30分近くかかるように。
姉も毎日通ってくれてた。

けど、もうお家で夫婦2人は厳しそう…と母も思ってくれたのだろうか。ホスピスに行くと言ってくれた。

先月の帰省の時
『家にいると、色んなこと思い出すから嬉しいんだよ。』
『家にいると、あなた達が小さい時のこと思い出すから幸せなんだよ』
と言ってくれた母。

それだけじゃない、お母さんにとって大事な大事なお母さん(祖母)を介護して看取ったのも家なんだ。

だから、家にこだわって、祖母が亡くなった部屋に行くこと、祖母の仏壇に手を合わせること、それを大事にしてたよね。

母は、親ワークがうまくできなかったんだと思う。本当は、甘えん坊でお母さんにいっぱい甘えたかった。

だけど、小さい頃からしっかり者で、他の兄弟は自由奔放だから、しっかり者の役割を演じていくしかなかった。

祖母の介護をする事で、そばにいる事で甘えていたい気持ちを昇華させようとしてたけど、本当はお世話じゃなくてただただ、甘えたかったんだろうなって思ってる。

祖母が亡くなってからもう、30年以上経つけれど母は一生懸命お母さんに褒められるように、色んな事を頑張っていたから、最後までそれを見ていて欲しいんだろうなって感じてた。

母が自分の口からそう話すことはなかったけど母を見てるとなんとなくそう感じる。

今、夢と現実の間を生きている母は、
姉に『お母さん、会いたかったよ〜』
と言ったり『〇〇ちゃん、学校行ってらっしゃい、お弁当持った??』と言ったりしてるみたい。

ぼんやりした頭の中で、楽しかった子育てをもう一度したり、大好きなお母さんに会ったりしてるのだろう。

私にとって、小さい頃の母は怖くて怖くて仕方のない相手だった。
だけど、母にとって子育ては、生きてて1番楽しい時間だったんだなぁと思うと、どんなに愛と時間と命をかけて育ててくれたのかということがよく分かる。

そんな母の、家で死にたいって気持ちに応えてあげることができなくて申し訳ない気持ちが湧いてくるけれど、母であり、妻である役割を脱ぎ捨てて最後は自分の幸せや心地よさだけのために時間と命を使ってくれたら嬉しいな。

こうして、今は心から母への感謝を感じる事ができ、母の幸せを最後まで願う事ができている。

私は、母から親ワークの課題を引き継いで子育てを始めた。

8月母に会いに行けてなかったら、きっと私も子どもたちに親ワークの課題を引き継いでいたと思う。母とコミュニケーションをとれるうちに、親ワークができて本当に私は救われたなあと感じてる。

・親ワークで癒された私と母

親ワークをする事で、誰より救われたのは私自身。母が生きている間に分かり合えることは諦めていた。

だって、もう9年もその課題に向き合って私なりに色んな事をしたのに関係は悪化していく一方だったから。
でも、思ってもいない形で母との関係が変わっていった。

親ワークは実践ワーク。
いくら頭で考えたって、いくら紙にかきだしたって、何も変わらない。
いや、少しくらいは変わるけれどほとんど変わらない。

親と実際に会って、話して、交流していくことで大きく現実が変わっていく。

そのためには、とてつもない勇気が必要。
だってすごくすごく怖い事だから。

そして、自分自身が見えてないとどんどん苦しくなってしまう。なので、決して1人で取り組まないで欲しいと思う。
私みたいに苦しくてしょうがなくなるから。

でも、その怖さの先には
私自身の安心感だけでなく、母の安心感もある。親ワークで親も救われるんだよね。

私は、それを体験できたなぁって思ってる。
『楽しかったね、嬉しいね、寂しいよ、嬉しいよぉ』母が沢山の素直な気持ちを聞かせてくれるようになった。

そんな母の姿を見れて、幸せだなぁと思う。
もうかつての怖い母の姿は面影もなく、ただただ寂しがりやで甘えたがりの1人の女性。

ちゃんとお互いに理解し合えたなと思てるから、悔しさは湧いてこない。
母も癒されたんだなぁと思えることが、今の私にとっても癒し。

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