心に余裕を持たせるための7つの方法
こんな7つの方法があります。
それは認知症介護をする上で知っていていいことです。
1.ゆっくりゆったり
認知症は脳の情報処理速度が低下するため、周りが早送りのように見えているそうです。
そこを理解しようとすれば、本人も本人の脳も疲れてしまいます。
脳が疲れてくると、理解するスピードが落ちていくため混乱したり、焦燥感を駆り立てて来るのです。
このため介護者の動作や会話をゆっくり目にしていくことで、穏やかになることがあります。
2.五感を活かしてコミュニケーション
言葉以外にも、常に五感による情報を受け取り、それを活用しています。
耳が聞こえなければ、目を凝らし、目が見えなければ耳を澄まし、認知症の人は低下した情報処理機能を補うのが五感の情報です。
認知症の人は常に五感を使ってコミニケーションをしていきます。
介護者が五感を活かしてコミニケーションを意識していくといいです。
五感を意識したコミニケーションの例としては、
・声に感情や表情を付け質大きさを工夫をする
・顔をしっかりあわせ豊かな表情で対応する
・身振り手振りを交える
・本人が特に問題なければ、優しく触れる・さする
この部分は「ユマニチュード」にも出てきます。
そこでは、「触る」「見つめ合う」「優しく声掛け」「立つ」と言う4つで構成されています。
そもそもユマニチュードは1979年のフランスで生まれました。
2人のフランス人、イヴ・ジネストとロゼッタ・マレスコッティが提唱したものです。
日本には2012年にやってきました。
そこから新しい認知症ケアとして注目されています。
3.共感・感情を合わせる
人には「律動調律」と呼ばれる相手の感情を読み取り、それに自分の感情を合わせる能力があります。
このぶぶんは認知症になっても失われない部分です。
むしろ周囲の状況を汲み取って関わることが難しい認知症の人にとって、「感情によるコミニケーションは一層重要な」物になっています。
本人が不安な時、介護者がやさしい感情を見せていけば本人も落ち着いていきます。
本人が怒っている時に、介護者が共感しながら、穏やかに接すると同じように落ち着いていきます。
表情や感情の共有を意識すると安心感を与え介護がしやすくなります。
4.認識や心の世界を理解する努力を
客観的な現実ではない部分は、時として妄想と呼ばれ、本人が突拍子もない行動に至らしめることもあります。
でもそれは本人にとっては紛れもない現実です。
とりあえず否定せず、一旦受け入れ、どうして本人がそう思ったのかを知ることが大事です。
これかなと思ったことを伝えても上手く行くとは限りませんが、介護者が心の世界を尊重し理解しようとする態度は、本人にも伝わり、信用や安心を生み出します。
妄想の原因を知ってみましょう
例えば・・・
・誰か来たみたいだ→今日は来客予定があったかなと、一緒に確認を取ってみます。
5.わかりやすい調整を
認知症の人は目や耳に異常がなくても、それを受け止める脳が機能低下を起こすため、認識能力が低下してとても曖昧に周囲を理解しています。
薄明るい中で、ぼんやりとした小さな明かりが灯っているようだったり、耳栓をしているように相手の言葉がぼんやりと聞こえている事があります。
このような状況では周囲を理解するのも一苦労します。
さらに集中力や注意力も低下してしまいます。
わかりやすい言葉での声掛け、集中出来る環境作りや慣れた物は変えないなどの工夫をすると、安心感を持って過ごすことが出来ます。
6.かけがいのない存在であることを感じてもらう
認知症の人は、何もわかっていないからと思っている人がいます。
実際には、出来ないことやわからないことが増えていって、自分が自分でなくなっていくような強い不安や絶望感を感じています。
役割や仕事などを通して、自分も役立つことが出来る、他人のために何か出来ると感じることは、不安や絶望の軽減にとても大切です。
昔の歌や昔話しなどをして、本人に自分という存在を語っていってもらえるといいと思います。
7.外部との繋がり
認知症が進んでいくと、コミニケーションが取りづらくなり、行動範囲が狭くなっていきます。
そのため社会的なつながりも失いやすいです。
ちょっとした世間話や挨拶、馴染みの顔に会ったりすることは、若い世代ではどういうことかわかりにくいことかも知れませんが、認知症の人にとっては大切なことなのです。
わたしたちは自宅と外で別々の顔を持っています。
認知症の人にも外へ出てもらい、外向きの顔を使ってもらいます。
そうすることで本人の社会性を保つことが出来ます。
家族が孤立しないためにも大事なことですが、周囲の人々も認知症の人との関わりを学ぶことが出来ます。
認知症の人や家族が社会と関わっていくことは社会が良くなっていくための基礎になるのです。