またすごい本に出会った。辻村深月さんの「噛みあわない会話と、ある過去について」を読んで
4つの短編物語が入った本で、どれもなかなかに怖いお話。
自分が当事者だったら、体がガチガチに強張り、緊張で喉がカラカラになって声を出そうにもかすれてしまうような、そんな感じになってしまいそう。
どの話も、誰の生活にも普通に起こりえるもので、それを人より繊細な視点から捉えた物語の人物は、傷ついて、その傷ついた感情を的確に、詳細に表現している、そんな本でした。
怖いお話と書きましたが、ホラーの要素は全然なく、むしろこれまで経験してきた状況なのにそんな視点で捉えられなかった。気づかないって怖い。。
そして違った視点から事象を捉え、細かく解析して適切に表現している作者の方すごい・・。が感想です。
作者の辻村さんの別の本ももっともっと読んでみたいと思える、素敵な出会いでした。
「ママ・はは」を読んで
質素倹約、真面目一本、贅沢は敵だ、のような考え方を持っている家庭での話。
私の両親も↑のような思考が強かったので、小さい頃は結構窮屈な思いをしました。
嫌な部活でも一度入ったら途中でやめることは許されず、物は大切にしないといけないから古くなっても使い続ける、などなど挙げたらキリがないほど。
高校生になるころには、この家にいると自分らしくいられないと何となく気がつき、大学は他県のそれも地元から結構遠いところに行きました。
就職も地元には帰らなかったので、今では地元に帰るのは正月くらいです。
実家から出たことで私は、家の中や学校の中で起きていることは世の中のほんの一部でしかなく、もっと広い世界があってその中で自分は認められることを知りました。
また、その広い世界は経験するととても楽しいもので、人生を豊かにしてくれるものだということも。