抗原検査は陰性だった
もうあれから1年10ヶ月を経過したから、書いてもいいかな。
仕事納めの日の夜、同居の次男に風邪症状が出た。
彼はコメディカルなので、職場から抗原検査キットを支給されており、翌朝早速それを使って検査した。
「あっ…、2本とも線が出た。ということは…?
いや、まてよ、この検査キットは15分経過時で判定しするんだから…」
と言っている。なぜ私のそばに来て検査するんだ。それに、15分経ったらそこに出てる線は消滅することもあるのか?
15分経過。
「あああ〜!!ダメだ!陽性だ!」
…そうですか…。仕方ないですね。まあ、診察の予約をしましょう。幸い病院は近くだし。12/29はまだ通常診察だし。
彼が診察に出向いている間に、生活する部屋を分けた。ゼリー飲料や、スポーツドリンク、水やビタミンD3などを買い、私の分の抗原検査キットを買った(次男のキットは、家族に使わせてはいけないそうだ)。布団を干し、シーツを洗う。
かなり経って帰宅した次男はげっそりしていた。
「オヤジが電話してきて、『SASUKE』を録画してくれって。録画はするけど、年末年始は単身赴任先に居てくれって言ったらキレられた」。
はあ………。
「何か食べたいものはある?ゼリー飲料とか…」
「カップラーメンが食べたい!」
「…え………?…わかった。(まさかそう言うとは思わなかったな)買ってくるわ」
あとは、トイレや洗面所のタオルをペーパータオルに替えたり、あちこちに手指消毒用薬剤を置いたり、トイレに次亜塩素酸ナトリウム水のスプレーを置いたりする。紙コップ、紙皿、使い捨てスプーンや割り箸、スポーツドリンクや水を渡す。
やりとりはLINE。
濃厚接触者(私)は、隔離開始から3日間経ってうつらなければ通常の生活ができる。
抗原検査(医療用キット)を実施する。
陰性。
3日目(元旦)に、発熱と咳、鼻に風邪症状が出た。
しかし陰性。ただの風邪かも。
1月4日は、仕事始め。
その日に勤怠データを受け取って、給与計算して、その日の午前中に納品しないといけない。納品には所長が行ってくれる。
「出勤できません」などという選択肢はない。
陰性。
熱はあるが、デジタル体温計。測定誤差ということはありうる。
1月3日には完全に解熱。夜抗原検査陰性。医療機関はこの日まで閉まっている。
味覚も嗅覚も、終始なんら異状なし。
向こうの部屋にいる陽性は、1月5日から通常の生活に戻れるらしい。
相変わらずカップラーメン以外のものは食べたがらない。珍しい病人だな。
1月4日朝。平熱。
マスクして出勤して、お局様に訊いてみた。
「体調良くないんで、給与計算終わったら、今日は早めに帰っていいですか?」
…いや〜な顔を向けられた。
ハイ、ダメなんですね。
「あ、すみません。やっぱり定時までいます」。
私言ったもんね。
体調悪いって。早く帰らせてほしいって。
そしたらにらまれたんだもんね。表情いっぱいに、ダメって書いてあったもんね。
車通勤。
事務所の誰も、そのあと罹患した者はいない。
抗原検査は、医療用キットで3回実施して、全部陰性だった。
次男はぶつくさ言っている。せっかくの年末年始休みがずっと療養だったと。
まだまだ甘いな坊や。
仕事に穴を開けずに済んで、これほどありがたいことはないじゃないか。