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おにいちゃんとおとうと

駅のホームで、電車を待っていた。お盆のお墓参りに行く途中のこと。
リュックを背負った兄弟がいた。小学校低学年くらいと、幼稚園くらいに見えた。
手持ち無沙汰な待ち時間、兄弟は、しりとりをしていた。
「…」 「…」 「…」 「…」………
ふと、気づいた。
しりとりのようだけど、しりとりになっていない。
兄「ろうそく」
弟「ねずこ(鬼滅の刃の禰豆子?)」
兄「こ○○○(聞いたけど忘れた。最初が『こ』なのは確実)」………

兄は、弟の言った単語の最後の文字から始まる単語を言ってて、ちゃんとしりとりなんだけど。
弟は、兄に言った単語の最後の文字とは無関係に、思いついた単語を言っている。しりとりのリズムに乗せて。
そうやって、朗らかに、その『しりとり』は続いていく。
おにいちゃんは言わない。ちいさなおとうとに対して。
「ルール違反だ」
とは。
「オマエの負けだぞ!」
なんてことは。
たんたんと、おとうとの言った最後の文字から始まることばをつなげていく。
おとうとは、おにいちゃんと一緒にいることに安心して、満足して、(多分おにいちゃんに教えてもらった)『しりとり』をしている。

母親は少し離れたところに立っていて、兄弟に干渉するでなく見守り、ふたりは、ことばをつなげていく。

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マンネンロウ
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