どれだけ自分好きなのか、単に『特性』なのか
単身赴任を終えて、ワンルームの荷物を引き上げた夫の、その荷物が百箱でひと間完全に占領するとはどういうことか、なのだが、その内容がまた、理解を超えていた。
全然減らないのを怪訝に思いながら、床に置いてある紙がぎっしり入ったレジ袋を覗きこんであきれた。
それは、夫が食べた、旅先で買った銘菓の包み紙の数々。
きちんとしわをのばして畳んである、大量の銘菓の包装紙。
これまでの少なくとも単身赴任が始まった15年前からの、名物菓子の包み紙を捨てずに全部とってあるようだ。
外装だけではないのだ。
個包装のフィルムを剥がしたものも、洗って乾かしてとってあるらしいのだ。
次男に言うと、
「知ってる。初日に棄てようと試みて、くってかかられたから。見せなくていい」
という返事。
これはいったい…………………。
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