腹の声を聞く①|「腹と仲良くなる」
私たち日本人は、腹と感情を結びつけた表現をすることが多いのではと思うことがあります。
「腹に決めた」
「今日は腹を割って話そうよ」
「このままじゃ腹の虫が治らない」
「なんかあの人腹黒そう」
「腹を括ってさ」
「あいつの腹を探って」などなど。
私の愛してやまない寅さんは「顔で笑って腹で泣く」と表したりしています。
深く考えたことはないけど、なんとなく分かっちゃうこの不思議な腹と感情の世界線。
実は現代だけではなく、だいぶ古くから使われているものだったりもします。
実際に、平安時代に描かれた竹取物語の一説では「これを聞きて離れ給ひしもとの上は、腹を切りて笑ひ給」と記されているのですが、この「腹を切りて笑ひ給」とは「腹が裂けるくらいの大笑いする」という比喩表現になっていたり。
戦国時代の医学書には、体の内に潜み病気をひき起こす虫がいるという記述があったり。(最近ゲットした戦国時代のハラノムシ―『針聞書』のゆかいな病魔たちって本が最高におもしろいです)
今も昔も知ってかしらずか、精神の源は「腹(=内臓)」に存在するものと理解しているのは非常に興味深いものです。
(そう思うと、その精神に自ら刃を突き刺す切腹なんて考えた人はサイコパスだぜとゾッとしちゃいます。)
腹の調子が悪くなると途端に弱気になったりする。
対人関係に精神をすり減らせばキュゥ〜っと胃が痛くなったり、煮え切らない思いがあればカッカと腹から熱を帯びてくる。
自分自身の心と体の調和を保つためにも、腹の声を聞きながらご機嫌をとってあげるって、とても大切なことなのかもしれません。
とはいいつつも、
「腹(=内臓)の声聞こえてますか?」
「あなたの腹はご機嫌ですか?」
なんて聞かれた日にゃあ、なんとイカれた質問!お手上げ!となりかねない。
だって、物理的にお話できるもんでもなければ、内臓機能(消化、呼吸、排出、生殖etc)は意識して動かせる領域ではないから。
そう、ここは「圧倒的無意識の領域」だから立ち入り禁止なのです。
と、食い下がるのはなんとも悔しいと常々思っておりましたが、私みたいな思いを持った変なやつ(もしくは天才)が、この無意識領域を整える手技を何百年も前に生み出しているのだから、奇妙奇天烈なお話でございます。
元のはじまりはタイ北部に伝わるチネイザン(氣内臓療法)と呼ばれる施術でございます。私が行なっているマニネイザンは、その施術を突きつめ日本人のマニ先生によってつくられた手技たち。
(タイ古式の理論をベースに、各内臓を音や色を交えながら癒していきます。)
内臓たちは、生きていくために必要な体の活動源であり、さまざまな感情を受け止め消化する機能も持っていると考えられています。
圧倒的無意識の領域だから立ち入り禁止とお話しましたが、実は抜け道もある。
こちらも圧倒的無意識でいればいいのです。
どんなこと考えてるのお腹ちゃん?なんて意志を持たず、ただただ無心でぽけぇ〜っとしながら腹を触っていると、キュルキュル・ジュワ〜っとあらゆる臓器が動き出す。
おもしろいことに、こちらが下心を持って腹(体も)に触れた瞬間に、たちまち心を閉ざされ振られちゃうんだからたまったもんじゃない!笑
(下心ありきで口説いた女を落とせないみたいな原理なのかな?)
だからこそ、私自身の心のあり方が問われる施術。
腕の見せ所であり、今もこれからもずっと修行し続けなくてはいけない部分です。
さて、少し横道にそれましたが、それくらいデリケートな場所であり、私たちのネガティブもポジティブも丸ごと受け止めてくれているのが内臓なんだよってことをお伝えしたい。
覚えておくと、なんか愛おしくなってくるし、腹をよしよししたくなってくる。
これが腹と仲良くなれる第一歩です。
長くなりましたゆえ、腹の施術に関するご案内はまたの機会に。
ご興味がございます方は、最下部のご案内をご拝読くださいまし。
本日もお後がよろしいようで。
真ん中 高橋 より(子)拝。
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清澄の地にて、韓方熟成よもぎ蒸しとタイ式セラピーを通じて、小躍りしたくなるくらい軽やかになれるような場を営んでおります。
たまに、ごはんも。
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