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不謹慎からの距離

不謹慎からの距離

短文や音声でお笑い的な文脈に沿って諸々をつくって公開している手前、信条として“被害者がいる事象をネタにするべきではない”というのは一貫してあるんだけど、しかしそれとは別に、本来であれば恐ろしいもの、笑いにしてはいけないようなものを笑いに変える、変えられるというのは、ある種平穏で幸せなことなのかもしれないと、ずっと思っている。

JAMの功罪

JAMの功罪

この度のチェジュ航空の飛行機事故の報に接し、心よりお見舞いを申し上げます。お亡くなりになられた方々のご冥福を祈ると共に、関係者の皆様に謹んで哀悼の意を表します。

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「外国人なら死んでもいいって事か?」
痛ましい事故の報と共にタイムラインに流れてきたこちらの投稿を見て、そんなこと言う人間がまだいるのか、と思った。さらに、その認識の人間が他にどんな主張をしているのかと興味を持って、

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文章力と孤独さ

文章力と孤独さ

そんなわけないだろ!

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稚拙な文章は、それを編んだ人間がこれまで孤独でなかったという証左になるし、逆に美しい文章は、それを残した人間がずっと孤独の中で戦ってきたという証しである……?

なるほど、これは暗闇の中で独り、自らが紡ぐ文章を恃みに歩んできた人に寄り添う文章かな、と最初に思った。
でも、「作文の巧拙」と「これまで孤独だった/そうでない」を掛け合わせての人間の振り分けは、

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マイナンバーカードを作る

マイナンバーカードを作る

いつものように痛風の薬を貰いに薬局に行くと、奥から職位の高そうな男性が現れて真っ直ぐこちらにやってくるではないですか。
「あの〜、今現在までマイナンバーカードをお持ちでないのは、何かしらのポリシーと言いますか、ご意向があってのことでしょうか……?」

再三のキャンペーンを無視してマイナポイントを受け取らず、12月には現行の保険証が使用不能になるこのご時世、未だマイナ保険証を保有していない僕はおそら

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あのさあ

あのさあ

なんか、ちらっと見た音楽のコンクールの結果でさあ。

「1位なしの2位1名、3位なし、4位2名」みたいなのを見たんですよ。
ネット上の発表だったので、何かの事情があって、優勝者の名前を伏せてるのかなとか思ったら違って。
どういうことか気になって調べたら

とのことなんですね。

でもさあ! 順位を出しますって形式ならさあ! 1位は1位じゃないですか。その年の。参加者の中でのトップだから。なんで過去

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冷笑は燃える、誠実は燃えない(無推敲)

冷笑は燃える、誠実は燃えない(無推敲)

先に投稿した記事の草稿です。
何も考えずに書いたら長くなりすぎた(あとちょっとトゲトゲしくなってしまった)ので公開前に面取りしたんだけど、これはこれで割と頑張って書いたのでそのまま載せるぜ。

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冷笑は燃える、誠実は燃えない

冷笑は燃える、誠実は燃えない

この1週間、インターネットを取り巻く基調について「冷笑」と「誠実」という2つの言葉がにわかに取り沙汰された。きっともう2、3日したら風化して、なんかそういうこともあったね、みたいな雰囲気になる気がするので、今のうちに思ったことを書いておく。

ことの発端は、オモコロ派生のYouTubeチャンネル「ふっくらすずめクラブ」が、4月1日に名称を変更したことによる。
変更をアナウンスする、いわば第0回の動

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プロの仕事が見えすぎる

プロの仕事が見えすぎる

ウクレレを弾きはじめてから1年と3ヶ月経った。コードも覚えて(指の形と運びを覚えているだけなので、例えばいきなりFmaj7鳴らしてよ、なんて言われても一旦コード表見ますって感じにはなるけど)、大体のストロークの感じと構成を覚えている曲であれば初見の譜面もなんとか追えるくらいになってきた。
かつてカラオケでよく歌っていた曲や、出先で流れていていいなと思った曲を覚えておいて、つまみ食いするみたいに爪弾

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ツイッターについて書くシリーズ番外編「𝕏とnoteを通じてABEMA primeに出演した話」

ツイッターについて書くシリーズ番外編「𝕏とnoteを通じてABEMA primeに出演した話」

6月にアップしたネタツイとその炎上について書いた記事(https://note.com/mann/n/n9ac14e2bfbc9)がABEMAの報道スタッフさんの目に留まり、𝕏アカウントのDMに取材依頼がきたのが10月4日のこと。

ちょうど1泊2日の出張の初日だったので、その日の夜に宿泊先でzoomでのインタビューを受け、急転直下で翌日の番組へのリモート出演が決まった。
台本があるから大丈夫。

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ツイッターについて書くシリーズ4「X、そして収益化」

ツイッターについて書くシリーズ4「X、そして収益化」


はじめに ツイッターがXになってしまった。数学の代入?
この2ヶ月間、SNSにまつわるニュースがかなりの頻度で飛び交った。

まず7月6日、META社がツイッター対抗SNS、「Threads」(以下スレッズ)をリリースした。
7月に入ってすぐ、ツイッターはAPIの呼び出し制限でTLが満足に表示されないという問題を抱えた。1日600ツイートしか見れない、ちょっとタイムラインを遡ったらすぐに制限がか

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ツイッターについて書くシリーズ3「炎上について」

ツイッターについて書くシリーズ3「炎上について」

はじめに“のび太の射撃がすごいのは早撃ちや射的の精度ではなく、引き金を引く際に人間が本来抱くはずの躊躇いの感情を一切持ち合わせていないから”

そんなワケ、ねえだろ〜っっ!!!

というわけで今回はネタツイの炎上について書いていこうと思う。冒頭の一文は去る2021年9月に実際に僕が投稿したツイートであり、当時かなり拡散されて「のび太はそんな人間じゃない」「誤った知識を拡散するな」という方向でめちゃ

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ツイッターについて書くシリーズ 2 「ネタは被る」

ツイッターについて書くシリーズ 2 「ネタは被る」

はじめに自然界には収斂進化と呼ばれる現象がある。

例えばモグラとオケラは生物学的に全く別種の生き物だけど、地中を住処として何世代にも渡って土の中を掘り進むことで、両者は驚くほどそっくりな形状の手先を獲得するに至った。パッと見でめちゃくちゃカニの見た目をしているヤドカリ上科の甲殻類、タラバガニもそう。彼らは進化の過程で借り物の貝を脱ぎ捨て、よりカニっぽくなることを選んだ、というよりは、生存競争を勝

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ツイッターについて書くシリーズ 1 「パクツイすんな」

ツイッターについて書くシリーズ 1 「パクツイすんな」

はじめに
そもそもの話をすると、こんな感じでツイッター、特にネタツイと呼ばれる投稿について外から語ることはなんかタブー視されているというか、少なくとも粋ではないみたいな空気が、以前からある気がする。
というのも、過去に「ツイッターで面白を作って、公開すること」についての記事をアップした際、「これ文章化するのってダサいんじゃないですか」みたいなリプライやDMを、実際にいくつかもらうことになったからだ

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じじ意識

じじ意識

この「30代の男性」を「おじさん」に言い換えると8割でなく10割になるんじゃないかと思う。該当のツイートにも「残り2割は自分のことをおじさんと思っていないしね」という趣旨の引用がついている。おじさんを自認する全ての男性は、自分のことを「確かに俺はおじさんである、しかし──」と思っている。「しかし」の後には「そうは言ってもまだ〇〇の面では若い」とか「周りの同世代に比べれば、抜きん出てとは言えないかも

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