結局、ヒトは災害に備えて何をすればいいのか
2024年1月1日に発生した能登半島地震、そして最近の線状降水帯による豪雨と土砂崩れの影響で、私は二度に渡り大きな被害を受けました。家屋は倒壊、集落は孤立、停電・断水・通信障害の中での生活を余儀なくされました。これらの経験を通して、多くの情報が飛び交う中で「結局、災害時に何を備えるべきなのか?」という問いが強く浮かびました。
ここでは、私が実際に災害時に役立ったこと、そして今後地方での生活を考えている人にもぜひ知っておいてほしい「本当に備えるべきもの」を共有します。
1. 水の確保が最優先
まず、最も重要で絶対に欠かせないものが「水」です。人は食べ物よりも水がなくなるとすぐに生活が立ち行かなくなります。特に孤立状態に陥ると、日常生活に欠かせない炊事やシャワー、洗濯、そしてトイレの使用すら困難になります。
水を確保するためにできること
備蓄する:
少なくとも数日分の水をストックしておくことが重要です。水はそこまで高価ではありません。買っておくことで先に安心感を得る事ができます。
山水や井戸水を探す:
地方では「山の水」を自給できる場所を有する集落や、家屋があります。水源がある場所に住んでいる場合は、その水源を利用できるようにしておく。雨水を風呂釜に溜めていく事も有効です。
水があれば災害時でも炊事・シャワー・洗濯・トイレに使う事ができます。水の有無は生活の快適さを保つ重要な要素と言えるでしょう。
2. コミュニティの形成が鍵
次に重要なのが、地域のコミュニティとの繋がりです。これは私の経験の中でも時間をかけておいて良かったと感じられる大切なポイントでした。地方では人付き合いを「面倒」と捉える人もいますが、災害時はいくら自分で備えていても一人ではどうにもならない場面が必ず訪れます。
コミュニティで生き残るためのポイント
「知らない人」から「知っている人」になる
コミュニティ環境内で他者から「知っている人」であることが最低条件となります。ここがクリアされていないと自力で生き延びなければならず、災害時はハードモードです。相手はヒトなので、助ける人を選びます。役割フェスを楽しむように暮らす
私は「役割フェス」と呼びますが、地方暮らしは互いの役割を見つけるフェスティバルのようなものだと考えています。コミュニティ内において自分自身はどんな強みがあって、どのような役割を担えるのか言語化しておくといいでしょう。
例えば重機を使って道を整備する人、行政に掛け合って必要な支援を伝える人、携帯の電波が届く場所を探しに行く人、ポータブル充電器で住民の携帯電話を充電する人などなど、誰でも1つは役割を担うことができ、コミュニティ内のポジションを確立することができます。これが「知っている人」になることと関係していて、濃度が濃いほど頼ったり頼られたりする地方暮らしの良さを実感できるはずです。
まとめ
災害時に備えるべきことは、シンプルにまとめると「水の確保」と「コミュニティの形成」です。個人の力だけではなく、周囲の人々と協力し合う事を前提にし、生活の基盤となる水を確保しておくことで、いざというときに自分や家族を守ることができるのです。
災害は予測できないものですが、備えは誰にでもできることです。これから地方での生活を検討している方は、この2点を意識して準備してみてください。どんな災害が起きても、きっとあなたの生活を支えてくれるでしょう。