第2回万寿山聖福寺文化財修理現場見学会開催
令和4年6月4日5日の2日間に渡って2回目の文化財修理現場見学会を行った
見学場所は解体作業を終えた山門と解体途中の大雄宝殿(本堂)の2か所
4日の見学会はまず山門の解体現場へ行き解体保管している柱や梁等の木部を並べてある解体現場にて文化財建造物保存技術協会の説明に続いて施工業者の金剛組による木部解体の説明を山門の木部の一部を縮小して再現した模型を使い創建当時の棟梁達の建築技術の高さを説明した
解体する際にどのように組み立てたかを確かめて外していかないと固定されて外れないので手順を解読していく事がどんなに難しいかというのを説明していました
また文化財建造物保存技術協会の方からの説明の中では、「文化財になる古い木造建築は釘を使わないという風に思われているようですが、柱や梁等の木部には確かに使いませんが屋根瓦を固定する際には釘を使います」という様に誤解されがちな事を説明する場面もあった
場所を大雄宝殿に移し屋根瓦解体中の現場での説明となる
まず見学会用に展示した鬼瓦や平瓦や丸瓦を見学しながらの説明、ここでは長崎では珍しい赤瓦である事と釉薬を使い赤瓦にしてその上に白の釉薬をかけて鬼瓦の波や鬼瓦の歯や目を表現している事を説明し、平瓦や丸瓦には山門の瓦と違う様々な種類の刻印が捺してある事を説明して丸瓦には刻印と一緒に年代と焼いた窯の場所と名前が記してあるのが数多く見つかっている事から数ある刻印はそれぞれの窯の印ではないか?と推測されると説明
瓦に記されているものからすると約300年前の佐賀武雄で焼かれた瓦と判る
もう1つの特長として通常の瓦に比べて1枚の重さが違う、釉薬の分もあるが使われている土自体も重量があってとても重いものになっていると説明
次に大雄宝殿の屋根部に行き、屋根瓦を葺く手順を説明して瓦と野地板の間にある土居葺きの並べ方を見て屋根を葺いた時の杉板と修理を行った跡がある杉板の違いを説明して、この違いからどの時代のものかを判定するのも解体作業中に解明していく重要な仕事になると説明
最後は降ろした瓦の打音検査をして再利用出来るか?出来ないか?を判別する実演があり、発見された棟札の説明があって見学会の終了となった
翌日の見学会は雨天の為に見学の順番を変更して行われた