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シン・CIO -Z世代の時代における新しい姿-

最近、「Z世代の時代におけるCIOの新しい姿・シンCIO」について私見を述べる機会をいただきました。個人的には、とても興味がある分野ので、ネガティブなご意見も含めて意見交換させていただければと思い書くことにしました。

今日、世界ではミレニアル世代とZ世代の人口が6割を超えました。消費者としても4割を占めています。これから、ますますZ世代の市場トレンドが拡大していくことは確実です。

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ここで、おさらいをしておくと、Z世代は1996年から2012年生まれ、つまり今年9歳から25歳。小学生から新卒社会人のみなさんです。

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Z世代はデジタル・ネイティブなので、行動がX/Y世代とは随分異なります。例えば、検索する場合、X/Y世代は、自分の欲しいものをテキストで入力してGoogleで検索しますが、Z世代はInstagramやPinterestで、写真を見ながら、絞り込んで、好きなものをたどっていく検索といった差があります。

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ここに示すSNSアプリは、みなさんも馴染み深いですよね。利用されている方も多いと思います。

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では、こちらのスライドはどうでしょう?左2つはわかると思いますが、右の2つはご存知ですか?

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どちらも、Z世代には大人気のアプリです。リアルタイムの位置情報共有や、他人が撮った写真だけが投稿される自分のサイト…ちょっと違和感ありませんか?しかし、これがZ世代の価値観の一部なのです。

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facebookを活用されている方も多いと思いますが、Z世代はfacebook離れが激しく、これはfacebookの大きな懸念点になっています。こういったことでもわかるように、Z世代で大きく変わる価値観を理解することは、とても大事です。

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例えば、モビリティへの期待を例にミレニアル世代とZ世代の差をみてみましょう。ミレニアル世代は、A地点からB地点まで、いかに短時間で安く行けるかにこだわります。しかし、Z世代は、時間でもコストでもなく、移動中のワウ!体験なのです。もちろん、全員が全員ではありませんが。

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時間よりも、コストよりも、家族や友人たちとの時間、そして新しい特別な体験、それらこそがZ世代の価値観なのです。

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振り返って、我々の日々のマーケティングを見てみましょう。未だに、1920年代に提唱されたAIDMAモデルも耳にすることが少なくありません。

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しかし、AIDMAモデルで、NFT(Non Fungible Token)やスニーカーのマーケットプレイスが説明できるでしょうか?

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そう考えると、我々は古典的な経済学でも、行動経済学でもなく、行動デザインを念頭においた考察が必要だと考えています。
Z世代と行動デザインが、ここまでのキーワードです。

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さて、我々自動車業界は、今、「100年に一度の大変革期」を迎えています。

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CASE、コネクティッド、自動運転、シェアード、そして電動化、Mobility as a Service、スマートシティ、カーボン・ニュートラルと大波が連続して押し寄せています。今日は、この中でカーボン・ニュートラルを取り上げます。

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みなさんご存知のように、各国が戦略的に政策を打ち出してきています。この状況に対して、我々はCIOとしてどう対応すべきなのでしょう?

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多くの人たちは「急速なEVシフト」を叫んでいます。しかし、冷静に見ると、それらは、もしかすると子どもたちのお団子サッカーと同じかもしれません。では、プロ選手のようにゴールを決めるためには、どうすればよいのでしょう?

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みなさん、ご存知のように、絶対的な正解などありません。これから、ご紹介するのは、私の取り組みですが、少しでもご参考になればと思います。

まず、データで語れるようにすることです。これは、内部向けのツールですが、エネルギーミックスと、パワートレインミックスのデータを入力することで、製造、走行、保守、廃車までのCO2排出量を巨視的に計算できます。これがあれば、どのような戦略が最も効果的なのかを水掛け論ではなく、データで語ることができます。

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次に、市場に注目したデータ分析です。これは、地域によるEVの販売台数のデータです。政府の政策だけでは、市場を動かすことに限界があります。消費者のライフスタイルや、価値観をデータやインタビューから正しく理解することが、正しい戦略構築には不可欠です。

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最後に、Z世代に対する理解度の向上です。これは、実際にZ世代のコミュニティと接点を持つことで、Z世代のリアルな価値観を学ぼうと試みた事例です。行動デザインのためには、まずはZ世代に対する理解が一番重要となります。

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以上、3項目、ご紹介しましたが、実際には、私は、政治、経済、技術、社会文化、規制、環境の6項目を見ています。たぶん、みなさんも同様の項目をウォッチされていると思いますが、いかがでしょう?

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では、それらをみれば未来は予測できるのでしょうか?
これまでの世界はフロイトが言っていたような過去、現在、未来が連続的な世界だったのかもしれません

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しかし、VUCAとも言われる今の時代は、アドラーが言う「連続していない点の集まり」とい理解が正しいかもしれません。それでは、未来は予測できないのでしょうか?

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最近、「空飛ぶクルマ」が注目されていますよね。みなさん、誰が、一番正確に、これを予測したと思われますか?
科学者ですか?技術者ですか?経営者ですか?

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その答えは、SF作家なのです。みなさんは、ご自身のネットワークの中で、SF作家のコミュニティと接点をお持ちでしょうか?

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そんな時代に要求されるCIOの姿とは、どんなものなのでしょう?
政府CIOポータルには、このような「目指すべきCIOの姿」が定義されています。IはInformationだけでなく、IntelligenceとInnovationも追加されていますね。これも、すばらしい定義だと思いますが…

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私は、シン・CIOの定義を、このように考えています。
IはInter-X、つまり、異なるコミュニティや人材との架け橋になることにより大きな多様性を理解できる能力です。

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自動車業界に限らず、これからの日本は、大きな波が連続してやってくると思います。
その大波を前に役に立たない傘をもって立ちすくむことも選択肢ではありますが…

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その大波に乗って、乗りこなすことも選択肢です

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最後に、みなさまとSteve JobsのConnecting the Dotsをシェアしたいと思います。

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先は見えません、しかし、信念と勇気をもって未来への選択をして、大波に乗るイメージを持ちたいですよね。
そのための鍵は「自分たちが理解できないものに対する理解と受容」であり、その要となるのが「Chief Inter-X Officer=シン・CIO」だと思うのです。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
あくまで一個人の私見なので、ご意見などあればいただければ幸いです。

※個人的な見解であり、所属する会社、組織とは全く関係ありません

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