ゆとりのゲーム感想「ポーラトピア」
【はじめに】
ゲームを買う"決め手"というのがあると思う。
人気シリーズの新作で面白さが保証されているから、パッケージが面白そうだったから、トレーラーを見てビビッときたから・・・
まぁ色々あるだろう。
そんな中、私が「ポーラトピア」を買った"決め手"はSwitchのマイニンテンドーストアでのキャッチコピーだ。
お母さんのハグは、とても温かかった
フォォォォォ・・・
初めて見た時、リアルでこんな声をあげてしまった。あまりのストレートな訴えでビビってしまった。なんて純粋なんだ。
トップページのイラストには親らしきシロクマと子供のシロクマ、おそらく仲間であろうアザラシやらシャチやらがニコニコしながらこちらに手を振っている。
私は心の氷が溶けているような気がした。昨今のゲームなんて大抵、恋愛か友情ものなのに、家族愛ときた。これこそが性愛やご都合主義なんかが混ざってない真実の愛なんだろう。私も家族とそこまで仲が良いわけではないが、小さい頃に家族と過ごした日々を思い出してしまった。
あぁ、私はこういうの嫌いな人間だと思っていたのだが、ただの強がりなのかもしれん。はっきり言って、厨二病はまだ治ってないし、社会に対して穿った見方をしているのがアイデンティティだと思っていたが、私はそこまで逸れた人間ではないのかもしれない。つまらない人間だなぁ・・・はぁ。
そんな「ポーラトピア」に一目惚れして(あと、セールで300円だったから)買った。クリアしたので、レビューしたいと思う。
【ゲーム概要】
Gamtropyという台湾のゲーム会社が開発し、グラビティゲームアライズという会社から発売された「ポーラトピア」。2021年に発表されて、対応ハードは、Nintendo Switch、Steam、ios、Androidに対応しているらしい。
ゲームの内容だが、公式ページにとても分かりやすい文があったので引用する。
なぜ、この文を引用したかというと、このゲームは↑の説明だけでほぼ事足りるぐらいシンプルだからである。さらに縮めて言うと、
・南極が舞台のパズルゲーム
・なるべく少ない手数でゴールを目指そう
・穏やかなBGMと可愛らしい動物達の雰囲気に癒されよう
こんな所だろう。公式によるジャンルはその名も"ほっこり系パズル"。ステキだね。
一応、私の説明も書いておく。
「ポーラトピア」は母さんシロクマ(以下、ママクマ)を操作して、ゴールである子シロクマ(以下、子グマ)との再会を目指すパズルゲームである。母さんは上下左右にマス目に沿ったような動きができる。右に1回ボタンを押すと右に1マス進む、こんな感じだ。
ただし、自由に移動できる訳ではない。ママクマと子グマは海の上に漂う氷の上にいて、ママクマは氷をオールを使ってボートのように海上を移動する。その上に乗っている氷なのだが、実は耐久値が決まっている。氷の大きさにもよるが、最大で3回しか動けないものとなっており、耐久値を越えると、氷が溶けてドボンだ。
そうならない為にどうすればいいか。3回でゴールにたどり着けば上々だが、大半のステージはそんな甘くない。
正解は、
他の氷に飛び移る
である。
そう、自分の隣に氷があればそれに飛び乗って乗り変えることができる。このようにして、氷が溶けて落ちないように慎重に進んでゴールを目指すパズルゲームなのだ。
余談だが、似たようなゲームとして「ゴルフピークス」というゲームがある。2019年に発売され、奇しくも、対応ハードはSwitchとiosとAndroidと共通点は多い。私は「ポーラトピア」をプレイする前にこのゲームをプレイしており、こちらも非常に楽しめた。本作が好きな方は是非プレイして欲しい。ただ、人気は「ゴルフピークス」の方が断然人気らしく、Androidのレビューでは、「ゴルフピークス」が2023年8月現在、1774件のレビューを貰っているのに対し、「ポーラトピア」はたったの5件しかない。なぜ?
さて、ゲームの説明に戻る。
ステージには様々な仕掛けや障害物もある。これらを乗り越えたり、利用したりして進んでいくステージが殆どだろう。その一部を紹介しよう。
・氷山
海上に浮いている氷山。乗ることはできず、当たっても氷が溶けたりなんてことはない。いわゆる壁。
・海流
ザブンザブンと音を立てている波。通ろうとすると、強制的に波が流れている方に流れてしまう。その分、氷もちゃんと1つ分消費する。
・暖流
何か温泉みたいにグツグツなってる所。そこのマスに止まると、次に動く時に2つ分の氷を消費してしまう。
・寒流
小さい氷が浮いているマス。暖流と逆にここで止まると、今乗っている氷の耐久値が一つ増える
・シャチ
一定の場所をウロウロしているシャチ。ターン終了時に一定のマス分動く。当たっても氷が溶けたりはしないが、シャチが移動するルートにいると、シャチに氷を押されてしまう。ママクマが乗ってる氷だけでなく、氷山も押してしまう。コイツがいるステージは大抵ムズい。
などなど、アクションパズルにありがちな仕組みは揃っている。
さらに、やり込み要素として「アザラシ」と「海鳥」がいる。それぞれ、氷の上に乗っており、その氷に乗ったルートでクリアすると、助け出したことになる。すると、リザルト画面で子グマと一緒に手を振って喜んでくれる。両者どちらともいることが多いが、片方しかいない場合もある。
【感想】
プレイした時期、このようなゲームにハマっていたこともあり、夢中でプレイして5時間ほどで100%クリアした。短い時間だったが満足度はかなり高かった。
難易度は、基本ヌルい。本作の前に「ゴルフピークス」をプレイしていくつかのステージは何度トライしてもクリア出来ず頭を抱えたが、本作はそんなステージはほぼ無かった。詰まっても何回かガチャガチャしたり、少し考えればすぐにクリア出来るステージが殆どだ。熟練のゲーマーにとっては生温いかもしれないが、パズルゲームをやってみたい!雰囲気は好きだけど、パズルはちょっと…と言った人だと楽しんでもらえるだろう。どうしても分からない人はYouTubeで「arctictopia gameplay」と検索してみよう
UIも雰囲気に合ったものとなっている。ただ、殆どのシーンは言葉や文字ではなく、アニメーションだけで説明されているのだが、日本語で説明されている場所が何ヶ所かあって、そこがWordで打ち込んだような文字だったのは少し気になった。
音楽はとても良い。リラックス出来る。雰囲気と相まって思い切り安らげて気持ちよくしてくれるような雰囲気作りが感じられる。
ストーリーは最初に書いたように、ママクマが子グマを助け出すストーリー。ステージをクリアしていく最中に、ママクマがアザラシや海鳥、シャチやクジラに助けられながら子グマのもとに向かっていく様子がマンガのようなアニメーションで見られる。言葉を使わず、表情だけで伝えているのがとても良い。受け手に含みを持たせる物語という感じだろうか。テンポも損なわないし何より言葉なんか無くても伝わる家族愛、というのが伝わってきた。
【まとめ】
こんな感じだろうか。
語ることはあまり無かったのだが、気持ちのいい難易度と脱力できる雰囲気でどっぷり「ポーラトピア」の世界観にハマれた。楽しかったな。
続編とかはなく、同じ会社が出している似たような雰囲気のゲームがいくつかリリースされている。パズルゲームではないのとSwitchといったコンシューマ機でリリースされていないのが残念である。
(定期的にセールをやっているのでセール時に買うのが吉)