ゆとりのゲーム感想「ストリートファイターZERO3(PS1)」
【はじめに】
私は2000年に産まれた。だから80年代や90年代を体験することは出来なかった。
これを読んでいる人にその時代を体験できたラッキーな人もいるだろう。その人達なら分かると思うが、昔と今って全然違くね?1990年と2000年でも全く違う。ハイビジョンテレビが登場したかと思いきや、たかだか10年後には家でインターネットを繋ぎ、オンライン上でチャットができるようになってる。こう文字にしてみると文化の進歩というのは、恐ろしく感じるな。
そんな私が80年代、90年代を体験できずに悔しいと思うのは、やはり格ゲーブームを直に体験できなかったことだろう。私の物心ついた時には周りの友達や大人ですらもやっていなかった。田舎に住んでいたこともあって昔のゲーセンなんかも知らない。あってイオンのゲームコーナーぐらいだ。・・・あぁ、何も体験してないんだよ。連コインも灰皿ソニックも「立川のケン」みたいな格ゲー界の異名とかも。つっまんないよな〜
じゃあ、格ゲーは全くのトーシロかと言われたらそこはちゃんとオタク。割と触れてたりする。といっても、遊びで何回かやったぐらいだけどね。私のお気に入りのやつはアーケード版の「わくわく7」というやつでそりゃ夢中になってた。WiiのVCでネオジオ版を初めて触れ、WiiUで一番最初に買って入れたソフトもこれだった。Switchでアケアカが出た時は手をガッツポーズにしてた。
しかし、コンボや間合いの取り方なんかは知らない。ガーキャンって何ですか?大好きといってもクリアしたのは最近で、小学生の時はキャラが可愛い、ドット絵がすごいという理由だけで本作を愛していた。だから、格ゲーはほぼ初心者みたいなもんかな。他にやったことあるのは「ヴァンパイアハンター」と「ストリートファイターII」、「ジョイメカファイト」ぐらい。
そんな私は、ある友達とスト6の話で盛り上がっていた。
「ストリートファイターって面白いよな〜」
「最近6出たんだってな〜」
「俺も最近やってんだよ〜」
「え〜すげぇじゃん!」
とまぁ、アホ丸出しだが、楽しく話していた。
その友達と遊ぶ時はその子がわざわざPS4を持ってきてくれていた(徒歩45分かけてだぜ?すごいよな)ので、友達がスト6をやっている様子を見たり、少し遊ばせてもらってた。普段ドット絵とかローポリに慣れてるもんだから、スッゲェ!スッゲェ!とまるで未来にタイムスリップしてきた少年のようにギャーギャー言ってた。
そんな時、友達はこんな言葉をかけてくれた。
「一緒に対戦しないか?」
「いや、いいんだけどPS4無いわ」
「じゃあ、昔のストで持ってるのなんかある?」
なんかあったかな・・・?棚の奥を探すとPS1版「ストリートファイターZERO3」があった。
「これならあるわ」
「PS4のアーカイブにそれが確かあったから今度それで戦おう」
「おk。今日は遅いから今度遊ぶ時にやろう。じゃあ、1週間後決闘(笑)な」
かくして、私とその友人は今から20年以上前の格ゲーで戦うことになった。
【概要】
「ストリートファイターZERO3」は1998年に発売されたPS1ソフトである。本作は同時期に稼働されていたアーケード版の移植作となっている。
本作は初代ストリートファイターから数えて3作目に当たる「ストリートファイターZERO」シリーズの3バージョン目となる。ややこしいね。本シリーズといえば、やはりストIIこと「ストリートファイターII」が有名だろう。格ゲーというジャンルの草分け的存在であり、数々のフォロワー作品を生み出した文字通り「神ゲー」である。
そんな当時大人気だったストIIだが、稼働時期がまぁとにかく長かった。無印ストIIから始まり、ストII´(ダッシュ)、ストIIターボ、スーパーストIIと「いつストIIIになるんだよ!」とツッコミ待ちかと思われるぐらい擦り倒していた。期間で言うと、無印からスパXまでのおよそ2年間でそこまで長くないのだが、IIの冠を一向に外さない筐体が2年もゲーセンの王として君臨していたのは、やはり異様な光景であったに違いない。
ストIIが終焉を迎えて、開発のカプコンが次に求められたのは、「ストIIを超える格ゲー」であった。自分が作り出したとはいえ、これより面白いのを作るのは至難の業だろう。ということで、正統続編である「ストリートファイターIII」の開発は難航に難航を重ねたらしい。そこで、急遽ストIIIの繋ぎを稼働させることで、場を持たせることとした。それで生まれたのが「ストリートファイターZERO」である。
ゲームシステムはストIIとあまり変えずに、同時期に稼働していた「ヴァンパイア」のシステムを流用して、あとはグラフィックを一新したぐらいだった。開発期間はまさかの3週間(!)というぐらいだったので、本当にただの繋ぎでしか無かった。
(ソースは一応これ。この完成度で3週間…?考えられん・・・)
しかし、このストZEROはリリースされると同時にストIIの繋ぎとは思えない人気を誇り、熱狂的ファンを何人も生んだ。当初、ZEROだけの単発作品という扱いだったのだが、その人気の高さから「ZERO2」「ZERO3」と続編が次々とゲーセンに置かれるようになっていった。そして、満を持して発売されたストIIIはストZEROシリーズ程の人気は無かったという。よくある話だね。
さて、いよいよ本題の「ストリートファイターZERO3」の概要だがZEROとZERO2から追加・変更された点は以下の通り。
・キャラの追加
過去作に登場したブランカやエドモンド本田といったお馴染みのキャラや「ファイナルファイト」に登場するコーディー、スピンオフ漫画に登場したかりん、新規キャラのレインボー・ミカ等、あらゆる角度から新キャラが追加された。ZERO2に登場したキャラも続投で、総勢キャラクターは28人、家庭用ではさらに追加されてもう大盤振る舞いである。キャラ対策といった覚えることも増えて対戦環境が複雑になったとも捉えられるが、自分のお気に入りのキャラが見つかりやすくなったことや戦術の幅が広がったことがパッと見分かるので、私としては評価点だ。
・ガードゲージの追加
今まではガードをしても体力が微量に減るだけだったが、今作はガードゲージが導入されたので、ずっとガードという訳にもいかなくなった。攻撃をガードで受けるとガードゲージが減っていき、ゲージが0になると完全に無防備状態になる、というのが仕様である。これにより待ち戦法というのが通用しなくなり、ガードを主体とした戦い方も微妙になってしまった。いわゆるゲームバランスのテコ入れなのだろうが、本作のシステムとガードゲージは上手くマッチしているように個人的には見受けられた。
・ISMの導入
問題児。詳しくは省くが、このシステムによってストZERO3はとんでもないバーサーカーのようなゲームであることが判明し、熱狂的なファンも一気に冷めてしまったらしい。内容というのは、キャラ選択の時に、戦闘スタイルみたいなものも一緒に選択できるようになった、というもの。ストIIXと同じような戦い方である「X-ISM」、ZEROシリーズのような戦い方の「Z-ISM」、ZERO2から導入されたオリジナルコンボというシステムが使用可能な「V-ISM」、以上の3つの中から選択可能である。バランスブレイカーとなったのは「V-ISM」で、以降のシリーズ作品では殆ど採用されなかった悪名高いシステムである。V-ISMで可能となるオリコンは上手い人が使うと相手を一撃で倒すことができる「永パ」ができることが後に見つかり、ゲームバランスを崩壊させてしまった。裏を返せば本作はそんな格ゲーの末期を垣間見れる貴重な作品とも言える。多分。
他にもZEROシリーズだと空中ガードの存在や投げの仕様等が特徴的であり、現在でもZEROシリーズの環境は他の格ゲーと比べてかなり異質なものであると語られている。私はよく分からんけどね。
感想が長いので、概要はここまでにしとこう。要はストIIの超グレードアップバージョンである。え、そんなんじゃないって?私みたいな格ゲー初心者にはこんな感じに見えてんのよ。すんません。
【感想】
というわけで、待ち受ける対戦の練習がてらプレイ。完全初見だったのだが、起動して思わず、「うぉっ」と声を漏らしてしまった。
ストIIの頃よりめっちゃくちゃ綺麗やんけ!
私は感動した。格ゲーのドット絵はまさにドットの究極系といっても過言では無い。本当に当時の格ゲードッターの人はすげぇよ。背景もすごい作り込まれてるし、素人の私が真似しようもんなら完成させるのに途方もない時間を費やすことになるだろうな。
さて、最初にキャラを選択する訳だが、格ゲーはキャラによる性能差が露骨だ。強いキャラは楽に勝てるし、弱いキャラは極めるとかしないとまず勝てない。私はネットで調べてみるとZダルシムが強い、という情報を見つけた。ストIIで遊んだ時もダルシムは使ったことがあったので丁度いい。ダルシムを選択し、練習することとした。
まずは、トレーニングモードを選択し技の確認。小中大のパンチやキック。相変わらずリーチが長いねー ヨガファイヤー、ヨガフレイムも健在だ。IIXの時からあったというヨガブラストは初めて見た。ヨガテレポートは未だに打ちにくい。スパコンもZだと3種類に増えてるらしいが、どれもできなかった。こんな感想をブツブツ言いながら、ヨガッ!ヨガッ!と言いながら腕や足を伸ばしまくるダルシムおじさんに慣れること10分、早速アーケードモードで対戦することに。
が、早速ZERO3の洗礼を受けることとなった。
・・・勝てねぇ。1回戦のかりんとかいう女の子に負けまくる。私はコンボとか知らずにとにかく大パンチや大キックを連打していたのだが、すぐにガードされてライン端に追いやられてしまう。
なぜ、追いやられてしまうのかというと、まぁ私が下手なのもあるが、空中ガードの存在が大きいと思う。かつて、ストII時代のガードというのは、地上のみで行われるものであって、ジャンプをした際は攻撃するか投げしかできなかった。しかし、今作は空中でもガードが可能。ガードしながら安全にラインをあげることが余裕でできてしまうのだ。
このままでは勝てないと思い、トレモに戻る。要するに、近づいてこないようにすればいい訳だ。そこで私が思いついた策は、ヨガファイヤーで牽制しつつ飛んできたら大キックで撃ち落とす。これだ。そしたらば、ヨガファイヤーを安定して打てるようにならなければならない。私は30分程コマンド技の練習をした。
すると、この戦法が上手くいったようで、1回戦は勝てるようになった。ヨガファイヤーいいね。第2回戦も只管牽制しつつ、こちらに近づかれないような立ち回りを意識した。ヨガッ!ヨガッ!
しかし、またもや壁にぶつかってしまう。リュウだ。さっきのかりんとは違い、コイツも弾を打ってくるキャラだった。対戦がはじまるやいなや、
波動拳!波動拳!波動拳!波動拳!波動拳!
はぁ?何その一つ覚え、と思われそうだが、これは初心者にはかなりキツイ戦法である。ガードしてもガードゲージが減らされるし、何よりこちらのヨガファイヤーが通らない。しょうがないので、ジャンプで接近戦に持ち込もうとするが、竜巻旋風脚!昇竜拳!とあっさり吹き飛ばされてしまった。立ち上がり、ヨガファイヤーを打とうすると、
波動拳!波動拳!波動拳!波動拳!
???????
何だこのク○ゲー。勝てねぇじゃん。マジで50回ぐらいコンティニューしてもリュウには歯が立たなかった。途方に暮れた私はネットで改めてZERO3での戦い方を学ぶことにした。
2D格ゲーを構成する要素として、「間合い」、「行動の選択」、「戦術・コンボ」が主に重要である。・・・いや、CPUに勝てないテメェが何言ってんだよと。そうなんだけどさ、一旦聞き流してよ。色々有名プレイヤーの解説動画や解説記事を調べて散々言われていたことなので、この認識で合っていると思う。調べていく中で、なるほど!と思ったのは「行動の選択」についてだ。例えば、相手が地上にいる時は「リーチの長い地上技」や「牽制となる弾技」が有利だが、相手がジャンプを選択するとなると話は変わってくる。相手がジャンプしてそのまま攻撃されるとガードが間に合わず、一方的に攻撃を喰らってしまう。そうなると、相手がジャンプをした時には「対空」と呼ばれる技を選択する方が有利であり、相手が「ジャンプ」をするのか「地上技」を打つのかを読んだ行動する必要がある。
これらの要素が格ゲーにおける「読み合い」というもの。要するに、ジャンケンだな。先程のリュウ戦では、相手が地上で弾を打ってきた際とジャンプした際の対抗手段を理解していなかったことが敗因だろう。私はジャンプ攻撃によるコンボの展開と対空技を選択することを念頭において戦うことを意識した。後、この辺でヨガフレイムやヨガブラストも安定して打てるようになった。
再度リュウ戦。相変わらず波動拳を繰り返していたが、こちらもヨガファイヤーで応戦。うぉぉぉぉぉ!!!当たれぇぇぇぇ!!!ヨガファイヤー!!!
相打ちが続くと相手はガードを挟んだり、ジャンプで近づいてきた。相手がジャンプ攻撃をした時は立中P(アッパーみたいな技)、竜巻旋風脚をした時はヨガフレイム・・・必死に食らいつくことで、私はリュウに勝とうとした。それでもボコボコにされたけど、画面端に追いやられることは少なくなった。
そして、勝った。
やったぞぉぉぉぉ!!!!!!!!!
格段に成長しているのを実感して楽しかった。格ゲーってこんなに面白いんだな。ぐふふふふ・・・これでもう敵はいないぜ・・・サクッと行っちゃおうや。ヨーガヨガヨガヨガヨガ・・・
今度はザンギエフに勝てない。もうどうすりゃええねん。ってか、コイツストIIの時にもいたよな?その時も対戦したけど、あんまり強くなかったイメージだったんだが・・・
ザンギエフは見た目の通り、パワータイプのキャラだ。ロシアのプロレスラーでかりんのように俊敏な動きもできないし、リュウのように弾を持ってる訳でもない。じゃあ、何で勝てないかって?コイツはね、近づいてきたらもう負けが確定するぐらい近距離戦が強いんだ。まず、投げ。ハンパない。今作で弱体化されたとはいえ、1回でも投げられるとHPの1/5ぐらい減らされる。あと、ボディプレス。これは判定がむちゃくちゃデカく、ジャンプで通り抜けしようとしてもデカすぎて吹き飛ばされてしまう。だったら対空技だ!ってなるけど、何か上手くいかない。タイミングがおかしいのかこっちの技よりも相手の技の方が判定勝ちしてしまう。
???
もう本当にどうすればいいのか分からずに頭は?でいっぱいになってしまった。とにかく近づいたらダメだということなので、ヨガファイヤーを打ちまくっていてもガードやジャンプでずんずん近づいてくる。この恐怖は形容しがたいものであった。
何度も負けていく中で、私は同じ負け方をしないようにしよう、と心掛けていた。どうすればいい?どうすればコイツが近づいてこないようにできるんだ?結局リュウと同じぐらい時間がかかるハメになった。
そして、やっと気づいた。自分はザンギエフに近づかないように自然と後ろに下がっていった。しかし、そんなもんは愚の骨頂…!下がれば下がるほど、ジリ貧になっていく。かりん戦やリュウ戦でも分かっていたことだが、今回のザンギエフ戦で痛感した。ライン端に追いやることの強さ…!
ここでやっと「めくり」という行動の強さを知ることとなった。「めくり」というのは、ジャンプで相手の背後に回り込み、ガードが追いついていない状態で攻撃を叩き込むこと。これによりラインの逆転が起き、端に追いやられていたのが、逆に相手を追い詰めることができる。・・・この説明で合ってる?
まぁ、とにかくダルシムの得意な中距離戦をキープするには相手をふきとばせる技を理解しておく必要があるな。私は調べたりトレモで実践して中・強ヨガファイヤーやヨガフレイム、立近強パンチ・キックが優位だというのが分かった。端に追いやられても大丈夫なようにヨガテレポートも練習した。
再び実践。ヨガファイヤーを慎重に打ちながら、とにかく判定が早い技やふきとばす技を選択して相手を端に追いやる戦法を心がけた。頼む…!こっちに来ないでくれ…!技を打ちまくることで、何とか相手を追いやることができた。
今やァァァァアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ジャンプで相手の懐に入り込み、しゃがんで弱パンチ、中パンチとコンボパーツを入れる。そしてトドメのヨガフレイム。全て相手にヒットして見事巨漢ザンギエフを沈めることに成功した。やっと勝った・・・ドッと疲れてしまったが、まだまだ敵はいる。もうこれ以上強い敵が出てきたら知らんぞ。全然投げ捨てるし、1番しんどかったゲームとして本作を挙げることにする。
そんな予想とは裏腹にトントン拍子でラスボスにたどり着いた。その名はファイナルベガ。ストIIのラスボスのベガがさらに強くなった姿らしい。私は改めて心を引き締め挑戦した。
・・・・・
つ、つ、つ、強すぎるだろ!!私はとうとう頭を抱えてしまった。このファイナルベガだが、COM戦のみの強力なISM「S-ISM」を持っており、これが厄介である。一番ヤバイのはファイナルサイコクラッシャーというスパコン技でこれを喰らってしまうとHPの2/3は持ってかれる。ズルいよ。
しかし、ここまで来たらやるしかない。相手がスパコン使うんだったらこっちも使ってやればいいじゃない。私はここでやっとスパコンの存在を思い出し、ベガと戦いながら打てるように練習した。ファイナルサイコクラッシャーもまともに喰らわないようにガードを優先的に選びながら戦うようにした。
そんで勝った。もうこれはたまたまだったかもしれん。何度もやっていくうちに攻略法が分かったとかじゃない。60回ぐらい負けてようやく相手が折れてくれたのだ。スッキリしな〜い。でも、まぁ勝ちは勝ちだ。自分を讃えよう。最初よりも成長はした。私は強くなったのだ。はぁ疲れた。
ここからクリアしてこのゲームについて思ったことを述べる。今回は特別長いな・・・ まずゲームシステムで思ったのは空中ガードの存在である。これによりジャンプをするリスクがほぼ無くなってしまったように思われる。対空技も真上に当たるもの以外はガードではじくことができ、すぐに入り込むことができるようになっている。じゃあ、ガードの対抗手段である投げをすれば良くね?いや、それも厳しい。なぜなら今作の投げはハッキリ言って弱い。ダメージが全然入らん。しかも、投げが失敗すると「ありゃ?」みたい失敗モーションが出てくるのだが、これはもう「どうぞ殴ってくだせぇ」みたいに相手にお腹を出すようなもので、リスクが高すぎるのだ。この空中ガードと投げのバランスは初心者の私からしたら良くないように感じてしまった。
後は、PS1のモードについて不満。今作のPS1版はアーケードを忠実に移植することをコンセプトに作られたものである。しかし、これだとストーリーモードである「アーケードモード」と全キャラと総当りで戦う「サバイバルモード」、2VS1で戦う「ドラマティックバトル」、いきなりファイナルベガと戦える「ファイナルバトル」しか無い。それに家庭用オリジナルとして「トレーニングモード」、「ワールドツアーモード」が追加されたが、肝心の「フリー対戦モード」が無いじゃないか。こうなると、あのキャラとこういうセッティングで戦いたい、というのが叶わず、やるとすればアーケードモードで勝ち上がるか、ワールドツアーモードという互いに変なカスタマイズがされている状態で戦うしか無い。いや、普通に戦わせろよめんどくさい。
しかも、このゲームにはキャラやモードの追加といった多数隠し要素があるのだが、これの解禁方法が少し理不尽である。例えば、家庭用で追加されたガイルの解禁方法。
本作をやったことない人は分からないと思うが、↑の条件は初心者が1週間本気でやっても中々厳しい。こんなん無理やで。救済措置のプレイ時間による解禁も96時間と完全に舐めた調整をしてくれている。普通にパスワードとかで良かったんじゃないか?これはガッカリした。
それ以外だとトレモが少し使いずらかったな。私は本作を取説なしのジャンクで購入しており、全てネットで調べてやったのだが、それでもトレモの使い方がよく分からなかった。おそらくはダミーというやつに動きや攻撃のデータを入れて実践に近い練習ができるんだと思うが、私はその方法がよくわからず、ただ、コマンドやコンボの練習しかできなかった。私が取説なしを買ったのが悪いんだけどね。
あとは特に不満は無し。私は本作に良作という評価を下した。キャラを動かす快感や読み合いの面白さ、細かい調整が上手く噛み合っているゲームバランス。どれも一級品でさすがはジャンルを作り上げただけはあると感心した。面白かったな。
【まとめ】
私は10時間ほど練習し、友達との対戦を待ち望んでいた。
そして、ついに友達と相見えることになったのだ。
「この日の為に10時間ぐらい練習したわ。」
「え、俺15分ぐらいしかやってねぇよ。」
・・・!?
なにっ!?
「ずっとスト6やってた。」
「貴様ァァ!!!」
対戦した結果、私の勝利。パーフェクトも決めるぐらいの圧勝。何だろう、この試合には勝ったけど、勝負には負けた感。
まぁ、楽しかったからええか。
私は本作でガッツリ格ゲーに向き合ったが、もしかしたら適性があるかもしれん。スト6も割と盛り上がってる印象なので、是非ガチ対戦なんかにも参戦したいものだ。
(本作は、SwitchやPS4、PS5、Steamで配信されている「Capcom Arcade 2nd Stadium:ストリートファイター ZERO3」でアーケード版を楽しむことができる。値段も安いので気になった方は購入してはどうだろうか。)