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月と六文銭・第十四章(41)
田口静香の話は続いていた。厚労省での新薬承認を巡る不思議な事件の話に武田は引き込まれ、その先の展開に興味を示していた。
田口のカバー・高島都は、ハニートラップを仕掛けるため、ターゲット・ネイサン・ウェインスタインと彼の部屋へと向かった。
~ファラデーの揺り籠~(41)
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都は顔をウェインスタインの腕に寄せ、腕を組んでエレベーターまで一緒に行った。
「僕の部屋でいいかな?」
「私に大きな声を出させたいのね」
「気持ち良くなって欲しいだけさ」
「ありがとう、楽しみだわ」
デイヴィッドはウェインスタインの部屋の準備が整っていると言ったから、それを信じて、ウェインスタインにあの力を使わせなくちゃ。正体が掴める保証はないけど、やらなくちゃ。さあ、やるぞ!いや、ヤるけど、仕事をやらなくちゃってことよ。あぁ、私、またなんか変なことを言ってる…。
「ネイサン、準備、大丈夫よね?」
「あぁ、薄いのを用意した。
ミヤコの中の感じが好きだから」
「もう、恥ずかしいって言ったでしょ!」
ウェインスタインの手が都の腰から尻の方に降りてきて、しっかり掴んでいた。都は後ろ手にウェインスタインのペニスをズボンの上から撫でていた。
次第に元気になっていくのが良く分かった都は、これで部屋に入ったら獣状態よね、と今夜の準備が順調に進んでいることに安心した。
エレベーターが来て、扉が開いたら、なんとオイダンがややロングなドレスを着た女性と降りてきたのだ。オイダンはにっこり笑って、二人を送り出してくれた。
「お似合いだよ。今夜は楽しんでね」
「ヴィンセントもね」
都はウィンクしながら、女性の顔を確認した。監視ビデオで見たオイダンのお気に入りのホステスだった。昨日も一緒だったよね?互いに気に入っているってことかしら?
しかも、このホステス、さらりと会釈して通り過ぎて行った。できるなこの子、が都の感想だった。
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