月と六文銭・第十四章(45)
田口静香の話は続いていた。厚労省での新薬承認を巡る不思議な事件の話に武田は引き込まれ、その先の展開に興味を示していた。
ネイサン・ウェインスタインは落ち着いてきた高島都への進入に備えて、何度も約束させられた避妊の準備に取り掛かった。
~ファラデーの揺り籠~(45)
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その間、ウェインスタインはサイドテーブルから日本製コンドームを取って、丁寧に着けていた。都が目を開けているのを見て、呼びかけた。
「ミヤコ、ちゃんと着けるよ」
都は体を少し横に向けて、その様子を見ていた。
「ありがとう」
都はニッコリ微笑んで、ウェインスタインの行動に満足している様子だった。
ウェインスタインは再び都の脚側に回り、彼女の脚を持ち上げた。都が自分で胸を触っていたおかげで、濡れも乾かずに女陰は受入態勢を維持していた。
都はウェインスタインが勘違いしてくれてよかったと思っていた。自分の感覚を確認するために胸を触っていたのに、高まった快感曲線を下げないよう彼に協力していたと彼は思ったわけだ。嬉しい誤解ではあったが、もしかしたら、彼のコントロールが解けたことがバレたかもしれない。ここで闘うことになっても体が言うことを利くかない不安があるから、取敢えずはコトが終わるまで用心して過ごそう。
「いよいよね、ネイサン。
アナタのは大きいから、いきなり全部入れようとするのとか、激しく動きはしないでね」
都はウィンクしてお茶目に注意事項を伝えた。ウェインスタインは大きく頷き、自分のペニスを都の入り口に当て、角度を合わせて、まず亀頭までを侵入させた。
「うっ、待って、待って、ゆっくりよ!」
都は昨日もウェインスタインとセックスしていたとはいえ、女陰は元々狭く、膣も一年以上ぶりに男性を受け入れたわけだから、急に広げられた点では全く苦痛がないわけではなかった。
「ゆっくりと来て」
都は手を伸ばしてウェインスタインの胸を触った。
ウェインスタインの方は、痛がらせず、気持ち良くさせたいから、ミリ単位のゆっくりしたスピードでペニスを進めた。全部収まるまで、すごく長い時間を掛けたと自負していた。都がどう感じたかが心配だったが、痛そうな顔をしていないし、眉を寄せるなどの苦しそうな表情もしていなかった。
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「ミヤコ、大丈夫?
動いていいかな?」
「うん、動いて」
昨日と違い、都は最後の夜だから、ウェインスタインが何か仕掛けてくるのではないかと警戒していて、緊張感が取れなかった。昨日の方がよっぽどリラックスしていた。
「はっ、はっ、はっ、はっ」
ウェインスタインは自分のペニスと都の膣の角度を合わせて丁寧に動いた。多分、Gスポットのある辺りを亀頭でこすった方が都は早く達すると思われたが、少しでも長く行為を続けたくて、余計な摩擦のない角度で腰を前後させた。
もちろん、ペニスの往復で快感は高まっていくので、ウェインスタインも都も自然に声が出ていた。
「あっ、あっ、あっ、あっ、あぁ、気持ちいいわ!」
都のEカップの胸が規則正しく前後に揺れていた。
「はっ、はっ、はっ、はっ」
ウェインスタインは腰を規則正しく前後に動かしていた。
「あっ、あっ、あっ、あっ、ネ、ネイサン、あ、あなたは?」
都はウェインスタインを見上げて、達するのかどうか聞いたつもりだった。
ウェインスタインは都の膣の動きを警戒していた。あの動きが始まったら、抗えないことは分かっていた。だからこそ、それに負けず、自分の力でこの女を征服したい。都の胸を掴み、腰の動きを早めた。
「ミヤコ、いけそうか?」
都の手は彼の手首を掴んでいた。強めに掴まれている胸を解放したかったのだが、取敢えずは快感に酔っている人妻の役を演じることを優先した。
「ネイサン、ねぇ、すごく気持ちいいわ、もう、アタシ、イクよ!」
ウェインスタインはペニスと手から都が絶頂を迎えるよう力を注いだ。
都は心臓のドキドキが強まり、膣の中から電気信号が背中を駆け上がり、脳で血流の変化と性器等の器官からの電気信号が統合され、快感物質が一気に放出され、頭が痺れるような快感が作り出された。
ウェインスタインの腰の動きと自分の心拍とがシンクロして、快感も一気にスパーク。脈拍に合わせるかのように脳内のあちこちで電気火花が発火した感じだった。
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