月と六文銭・第十四章(36)
田口静香の話は続いていた。厚労省での新薬承認を巡る不思議な事件の話に武田は引き込まれ、その先の展開に興味を示していた。
高島都は、ターゲットであるネイサン・ウェインスタインとの行為の中で彼の能力が発揮されるか注意していた。
~ファラデーの揺り籠~(36)
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胸を揉んでいるネイサンの手に自分の手を重ね、逆の手で彼を少し押して動き回るスペースを作り、ゆっくりとベッドに座った。ウェインスタインも座ったが、体を横たえつつあった都の横で正座をするような形になった。
「ネイサン、来て」
「うん」
ネイサンは都の脚側に回り、両手で脚を持ち上げ、真ん中に口を開いている女陰に口をつけ、クリトリスから尿道、膣の入り口までを丁寧に舐め、ゆっくりと何度も往復した。
「はぁん、ネイサン、気持ちいいわ。もっとして!」
下の口から愛液が徐々に流れ出し、尻を伝ってシーツを濡らし始めた。
「あぁん、いいわ、気持ちいい。もう十分濡れてるでしょ?ねぇ、来て!」
ウェインスタインは顔をあげて、都と目を合わせた。彼女の目は三日月の様になっていて、嬉しそうだった。
「入れてもいいかい?」
ウェインスタインは都が求めていることは分かっていたが、マナーとして次の行動の許可を取った。頷く彼女を見て、彼は体を起こした。
「じゃあ、入れるよ」
都はウェインスタインに分かるようやや大げさに頷き、侵入の許可を与えたが、さりげなくネイサンのペニスに手を添え、コンドームを着けているか確認した。
「ネイサン、着けてね」
「うん、分かっている」
ネイサンは手を伸ばし、すぐ隣のサイドテーブルからコンドームを一つ取り、包みを口で破いて中身を取り出した。さっきは男性側、女性側で悩んで装着にちょっと時間がかかったから、今回は包みに書いてある「男性側」の表記を確認して取り出した。そのままの位置関係を維持しながらペニスに着けた。正しい方向だと本当にスゥッと装着できることに驚いていた。今までの苦労は何だったんだろう?
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