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『月と六文銭』番外編

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B級スナイパー・武田がかかわった人などとの小編を番外編として格納しています。 ・アフタヌーンティー ・卒業していった娘たち
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2024年9月の記事一覧

アフタヌーンティー(横浜編)-2

 翌週の土曜日、武田とのぞみは横浜で待合せた。  のぞみは前の晩にセットしてもらったヘアを武田に見せたくて、サロンから自宅に戻り、朝自宅から出てきたのだ。もちろん、先月買ってもらったノースリーブのワンピースを着て、足下は夏に向けて準備していたキラキラしたストラップのサンダルを履いて。 「お待たせ~!」  のぞみはわざわざ武田の死角から近づいて、声をかけた。  武田はびっくりして、拳闘の構えをしようとしたが、のぞみの姿を見て、一瞬にして顔から緊張感が消え、デレデレした顔に

アフタヌーンティー(横浜編)

武田は好きな塩野七生の本を読んでいた。 のぞみは勉強していたが、顔をあげて週末のデートプランを提案し始めた。 「ねえ、次の土曜日、横浜でアフタヌーンティーはどうかな?」 「お、いいね、お目当ては?」 「横浜のYカフェでイチゴのアフタヌーンティーがあるの」 「お、久しぶりだね、横浜方面」 「でしょ?!予約していい?」 「もちろん」 「ありがとう!すごい楽しみ♥」 「僕もだよ」 「そこはイチゴのウェルカムドリンクとティーが25種類あるの」 「それは中々のラインアップだね」

ラデュレ(07)

 アフタヌーンティーをすることになった浅間唯は明るく、快活という感じの女性だった。冷静に見ると計算して明るく振舞う「あざとい」系と思われたが、車に詳しいことが楽しい時間を期待させた。  浅間くらいのスタイルの女性がたくさんいることを知っている武田にしてみたら、浅間が上から目線で話すのが気になった。  断られる前提で、浅間にSMプレイを提案してみたが空振りに終わった…。 浅間「武田さん、私では不足ですか?  何か足りませんか?  失礼がありましたか?」 武田「いいえ、全然

ラデュレ(06)

 アフタヌーンティーをすることになった浅間唯は明るく、快活という感じの女性だった。冷静に見ると計算して明るく振舞う「あざとい」系と思われたが、車に詳しいことが楽しい時間を期待させた。  浅間はデートのセッティングに動いた。ミユミユのハンドバッグから携帯電話を取り出し、カレンダーのアプリを開いて、人差指で画面をスクロールさせた。 浅間「来月5日の土曜日はいかがですか?  レースのない日です。  一応、普通にお湯に浸かって大丈夫な日でもあります」 <ほお、そうやって生理じゃ