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ミニマリストとチャレンジ
私は自称ミニマリスト。自分が管理できるものの数で、一軍のもののみをなるべく長く使い込むことをめざしている。
そんな私にとって、新しいものを迎えるときはなかなかチャレンジングなことである。途中で飽きて使わなくならないか、使いずらくて捨ててしまうことはないか、タンスの肥やしにならないかなどをよく吟味してからようやく購入に至る。
そんな中、我が家の決裁(決裁権は夫ではなく私にある)がなかなかおりなかったものがある。羽釜である。こちらの羽釜はアウトドアが大好きな夫から稟議があがった。もちろん最初の答えはノー。夫の言い分はキャンプの時に外で炊き立てのご飯を炊いたら楽しいじゃないかということであった。この意見はミニマリストとしては全くもってノーである。キャンプに行く頻度だ。私たちは多くても年間5回くらいしかキャンプに行っていない。5回のために購入する?どうせ使わなくなって放置されるのではといって突き返した。すると今度は、家でも使える羽釜を再申請してきた。答えはこちらもノー。家にはすでに炊飯器が鎮座している。しかもなんら性能には問題ない。購入する必要が全くないといって突き返した。すると今度は羽釜で炊くご飯のおいしさをアピールしてきた。youtube動画でいろんな羽釜を見せてくる。むむ…。確かに炊き込みご飯はおいしそうだし、なんだか原始的な羽釜の姿も愛らしいではないか。とちょっと揺れ動いた。
それでもやはり、タイマー機能がない点から共働きの生活には難しいようで決裁はおりなかった。すると今度は夫がこんな提案をしてきた。お小遣いで購入してよいか、使わなくなってしまったらメルカリに出すから。ならばよしっと決済がおりた。決裁の決め手は、使わないものをずっと持ち続けないという誓いだ。夫のお小遣いでまずは購入するということにもきちんと、ものをもつことへの責任感が感じられたので、承諾することにした。
かくして我が家に羽釜がやってきた。
いつもどおり、お米を研いで、浸水させてから火にかける。カタカタとふたが踊りだしたら、弱火で8分。その後火を止めて15分蒸らす。蒸らし終わってふたを開けるとふわ~とお米の香りが漂った。ピカピカのお米が一粒一粒起立している!お味はもちろん美味しい!コメの個性が最大限引き出されているように感じた。
いかめし、たこめし、きのこご飯など炊き込みご飯は程よくおこげができて格段と美味しい。また、タイマー機能がないことが最初は心配であったが、浸水時間も含めてだいたい40分くらいあれば炊き上がるのでそこまで問題にはならなかった。
結局羽釜を迎え入れて2年くらいたち、メルカリに出品されたのは炊飯器のほうである。我が家のスタメンが入れ替わった。
ものを持ちすぎない暮らしは快適だ。ただよくも悪くも現状維持で新しいものを迎え入れることに億劫になったり、生きるわくわくも一緒に縮小してしまいそうになることがある。今回の羽釜から、新しくものを迎え入れるときや買い替え時に、日々の生活がわくわく、うれしくなったり、楽しくなったりする高揚感が得られるのかという要素も重要だなと思った。