あなたに首ったけ顛末記<その22・曖昧は望んで混沌を揺蕩う【前編】>【小説】
あなたに首ったけ顛末記<その22>
◇◇ 曖昧は望んで混沌を揺蕩う【前編】 ◇◇
(約20000字)
<1>御崎十緒子の曖昧な日常(1)
(約6000字)
弊社が入るビルの、主にトイレに出没する幽霊さん、キヨさん。
彼女は、いわゆる『死霊』ってモノでは、なかった。
幽霊さん=この世にさまよえる死者の魂、すなわち死霊ってことだよね、と思ってたんだけど……アチラ側の世界にもいろいろ、諸事情があるらしく。
キヨさんの魂の本体部分はすでに、しっかり成仏しており