フレッシュパスタに魅せられて(pasta fresca)
滋賀で三軒そろい踏み、山椒は小粒でもピリッと辛い
滋賀と言えば近畿の水がめ、大きな琵琶湖。
湖畔沿いには興味を惹かれる店がワンサカ。
沢山の店の中から、出会ったピリッと小粒の三軒のイタリア料理屋さん。
地方のイタリア料理店は今や珍しくも無いのですが
この三軒は“小さなパスタ屋”の開業をお勧めしている
私にはとても興味の惹かれる店です。
多様性が強みのイタリア料理
切り口が変われば業態も変わる。
興味がひかれるのは?
5つの共通点(5cose in commune)
① 夫婦二人だけ(3店とも皆さん年齢が近そう)
② イタリアでしっかり修行(二人とも、又はどちらかが)
③ 開業して10年ちょっと(小粒ながら頑張ってます)
④ 単独個店(一つの砦を死守)
⑤ 車でぐるっと一回り20分位のご近所に集中
3つの異なる切り口(3 differenze)
① 顧客ターゲットが三店三様
② 価格帯も三店三様
③ 売りのメニューもそれぞれ。
価格帯が異なれば当然の事、内装、仕掛けも
それぞれ、同じイタリア料理店だが、違う業態に思えます。
イタリア料理店は七変化、やっぱり面白い。
仮にA店、B店、C店としましょう。
では
3店のウリと値付けは?
A店(大津市)カジュアル・トラットリア
売り:ボローニア仕込みの麺棒一本の本格手打ちパスタ(Sfoglia)
値付け:日常使いにはぴったりのお手頃
奥さんが調理、ご主人がホール
(ご主人はイタリア建築に造形の深い方でした)
※イタリアの地方に行くと、頑丈そうな奥さんが作り、
人の良さそうな旦那がサービスをしている店はよく見かけます。
大津のこの店の女性シェフが習ったボローニアのパスタ学校を昨春訪ねた時、
彼女は伝説の優秀な日本人生徒だったと、今も語られていました。
(同じ日本人としてちょっと嬉しい話)
B店(草津市)セミフォーマルなトラットリア
売り:culatello(自家製生ハム)
値付け:ちょつと背伸びをすればの価格帯
手打ちパスタと組わせて本場イタリア伝統製法の生ハムも
楽しめる。ご主人が作り、奥さんがサービスしてくれる
提供方法はイタリアを思い出させてくれます。
C店(南草津市)少しフォーマルなレストラン・スタイル
売り:人数限定、隠れ家的イタリア料理店
値付け:たまの張り込み用の価格帯
昼夜、各1日二組のみでいっせいにスタート
今、流行りの顧客選別、時間厳守。(少し気疲れしますが。。。)
この三店から得た私にとって価値あることは?
① 開廃率の高い飲食業で10年以上しっかりと
”我が砦“を守っている継続力
(立派です)
② 小さな店の成功セオリー“最小人数”で運営する“を実践
③ 三店三様、自分の背丈に合った明確なコンセプト
(昨今、似たり寄ったりのメニューと店が
多いなか個店ならではの旗が立っています)
そして
滋賀で見つけた私の付加価値は?
三店でイタリア大好き仲間に出会ったこと
(私はグルメ評論家ではありませんので味の評価は致しません)
〆として気になる事
三店の皆さんの3年後、5年後の姿は?
① 現状維持で個店を守り続ける
② 乾坤一擲、多店舗展開に舵を切る
③ 現店舗を最大限活用して、新たな切り口の業態をもう一つ展開
色々な選択肢はありますが、
仕事は楽しくなければですよね。
で、いつもの“小さなパスタ屋さん”開業のヒントを。
前回呟いた”同時性“を少し深く。
小さな食べ物屋さん、店で作り、店で売る
製販一体業そのものの業態です。
出来立てを提供する事で価値が高くなる外食では
保存の効きにくい料理をかかえ
繁閑の人員の調整弁などギリギリの規模ではままならず
生産性などとはまだまだ無縁の世界です。
それではお先真っ暗、夢の無い話ですよね。
だが、どんな所にも抜け穴アリ。
この同時性を逆手取って
小が竹槍で大に挑めるのも外食産業の面白み。
大では出来にくい事を調べあげ、
それを武器として使いましょう。
次回は飲食業の三日、三月、三年について
呟きます。
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ではまた。(Ci vediamo)
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