いま“直球”を投げろ!
こんばんは。
先日、僕以外の家族が「タピオカティー飲みたいから頼んで」と言われFoodpandaで頼んだところ、うっかりクーポンコードを入れ忘れてしまい嫁から『家に帰って来るな!』と鬼ギレされた家なきオヤジの森です。
頼む手間もお金も使って鬼ギレされる俺…。
6人家族中、僕の格付けは安定の7番目です。
緊急事態宣言下の実験
2度目の緊急事態宣言が発令されて3週間以上。
2/7日までと発表された宣言は、栃木を除いた10都道府県で1ヶ月の「延長」が決定しました。
週単位で変わるのが、このコロナ禍という状況です。
前回の最後でも話したように、FISHMANでは状況が変わるたびに「実験」を繰り返しています。
最近のFISHMANでいうとテイクアウトやデリバリーの強化に加えて、『魚男食堂』と称し、緊急事態宣言中だけの特別な定食メニューも出しています。
あとは、うちの店長が提案した「原価定食」。
実は今、飲食店以上に打撃を受けているのは、食材を提供してくれている生産者や卸業者の方々です。
店としての利益は全くないですが、それでも今回はこれまでの「恩返し」として実施しています。
詳しくは、店のInstagramで店長が発信しているので見てやってください。
1度目の緊急事態宣言時は僕が主導となって店を動かしていました。
今回はスピードは上げたいので方向性は出しつつ、運営や取り組みについては現場にいるスタッフたちに任せています。
店がひとつの「曲」だとすれば僕は作詞作曲しているだけで、歌うのはスタッフたちですからね。
飲食店は“直球”を投げるべき
まず、反対の「変化球」から話した方がわかりやすそうなので説明します。
僕が思う飲食店の変化球とは、例えばインスタ映えする奇抜なメニューや空間。
それらは一瞬、お客さんに届くんですが、その場で消費される「その先につながっていかないもの」です。
実際、FISHMANでもそういう「映え」だけを意識したメニューを提供していた時期もありました。
現在も他店に比べると目を引くメニューが多いかもしれませんが、それは常に「店で過ごす楽しい時間ごと提供する」という、FISHMANの「色」があるからです。
「直球」とは何か?
「一瞬、目を引くもの」じゃなく、店で出す料理やそこで働く人、空間、すなわち「そこにずっとにあるもの」を磨いて磨いて、まっすぐお客さんに届けることです。
僕が今、コロナ禍を経た飲食店に必要だと感じているのは、それぞれの店が「ビジョン」を明確にもち、そこに向かって「本気」で投げる「直球」だと感じています。
「本気」が求められる
「本気でやる」って、時間も手間もかかって本当に面倒なんですよね。
濃い意見が飛び交ってエネルギーも使うし、「労働基準法違反」だとか「モラハラ」だとか言われることもあります。
「効率的ではない」という意見や判断もあって、さらには普通の営業もままならないこんな状況下。
「ビジョンなんて言ってられない」と怒られるかもしれません。
飲食店のコンサルティングをしていても、できるだけ「効率的に収益につなげたい」という会社は多いです。
ただ、「収益化」「効率化」だけに目がいってしまうとどうしても「人の温度」を感じなくなってしまうんです。
実際にそこにいる人たちの「生きている実感」も薄れる気がしています。
頭良いふりしてますが、僕らも結局「動物」です。
多勢に無勢で「人口的に作られた価値観」の元に店をやっていくのか、それぞれのビジョンに本気で向き合い、本能のままに走っていくのか。
コロナショックを経た先で、今後どちらが「求められるか」ということに気づけた店とそうじゃない人店とでは、かなり未来が変わってくると思っています。
「飲食店は今何をすべきか」「今後どうしていけばいいのか」
次ももうちょっと、多くの飲食店に「足りていない」と感じる部分と、「そういう店には何が必要なのか」についてお話しします。