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「推し活」は本能のバグ


「バ畜」という言葉を先ほど知りました。「バ畜=バイトをしまくる人」のことです。バ畜はなぜそんなに働いているのかというと、「推し活」のためにお金が必要だからということでした。 このニュースから僕が思ったことは、「人は所属するためなら何でもする」ということです。


推し活とは「帰属欲求」を満たすためなんですよね。 韓国のアイドルグループを応援したり、地下アイドルを応援したり、ホストを応援したりして、グループや個人と関係したい。 その人たちとつながって一緒の空気を吸っていたい。 これは人間の原初的な本能であるんですね。 狩猟採集時代、人間は群れで生活していました。 150人規模の小集団でキャンプをしながら生きていた。 この時の本能があるので、群れで生活するというのはそんなに苦痛ではないんです。 それが現代では個人主義が徹底された結果、群れがなくなっているんですよね。


昭和の頃は職場が群れでした。終身雇用でしたから、40年くらい共同体として機能していたんですが、 それがなくなってきて、大体3年とか5年で転職したりするわけですよね。 そうすると仕事が帰属先にならないので、仕事以外に所属先を見つけないといけない。 大体の人は家族がありますから、そこに帰属していて、基盤はあるわけですよ。 ただその基盤すらない人もいるので、その人たちは推し活という形で、深く関係できる所属先を見つけているということですね。


ではなんで「推し活にお金を使うのか?」ということですね。 普通に動画を見たりコメントしたりと、お金を使わなくても関係することはできると思うんですね。でもなんでお金を使うかというと、やっぱりそこには「コミット感」が必要なんですよね。 「自分はこれだけ役に立っているんだ」とか「施してやっているんだ」みたいな、「つながりの強度」を高めるためには、 自分が苦労してゲットしたものをその人に送りつけなきゃいけない。また、推しから見返りがあるんじゃないかと潜在意識的には思えるので、 「推しを支配したい」とか「推しとつながる必然性を作り出したい」がために贈り物(貢ぐ)をすると。 現代で贈り物といえばお金が一番わかりやすい。 だからそれを必死で稼ぐ、バ畜をすると。 大学生が週7とかで働くと。 そういう人がいるらしいですね。 これからも共同体は失われていって、個人主義が深まっていくと思うので「推し活」する人は増えるだろうなと思います。

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