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「試行回数を増やせばいい」とよく言うが

よく自己啓発では「成功したければ試行回数を多くすればいい」と言います。 確かに考えたら当たり前のことで、人間みな自分の向き不向きがわからないので、とりあえずやってみた方がいい。ただこれ「試行回数を増やすにもそれなりの資産が必要」なんですよね。 つまりみんなお金がないから、働かなくちゃいけないわけです。本当は30代くらいまで適性を割り出すための時間にすれば、だいたいのところみんな適職につけるんですが、 それをせずに働き出すので、自分のこと何もわからずに社会人になるわけですね。食っていかなくちゃいけないので、あれこれ考えずサラリーマンしなくちゃいけないよねと。


現代は非常に成熟した社会ですので、昭和の頃みたいに、どこでもいいから就職して、それで年収1000万っていう世界じゃない。 不向きな仕事では稼げない。スキルも高まらないので、生涯にわたって人的資本が薄くなっちゃって、取り分が雀の涙っていう、そういう残酷な現実がある。 適性を割り出すまで頑張ったほうがいいんですが、実家が太くないと、すぐに働きに出ないといけないので、そこで格差が生まれるんです。成功者が言う、「行動しろ」「試行回数を増やせ」っていうのは理想論でしかない。 9割の人は、試行回数とか考える暇がない。働かなくちゃいけないんだから。


40歳50歳くらいまで、寄り道できる人ってどれだけいる?そんなにいないですよ。 でも世の中には、「親ガチャ」に成功して、かなり恵まれた人がいるんですね。その人たちは、やりたいこと思う存分して適性を割り出しますので、どんどん自分に合った生き方ができるようになる。そうなると、個性を生かして価値を生み出せるので、成功するんです。 その人たちが自己啓発書を出したり、テレビに出て発言する。そのときに、「行動しよう」「チャレンジしよう」って言うんですが、何のアドバイスにもなっていない。だって最初の、「いくらでもチャレンジできる環境がない人」がたくさんいますから。 こういう本質的なことを言わずに、ただ口先だけで理想論を語る人がとんでもなく多い。

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