マンバ読書会『忍者マンガ&マンガに出てくるネコ』イベントレポート【2020年2月】
どうも、クチコミとランキングでいいマンガが秒で見つかるサービス『マンバ』です!
2月22日(土)、東京・豊島区にある『Comic Cafe & Bar しょかん』にてマンバが開催した読書会「忍者マンガ&マンガに出てくるネコ」。
こちらの読書会にスペシャルゲストとしてご参加いただいた、マンガソムリエの兎来栄寿さんによるイベントレポートが届きました。どうぞお楽しみくださ〜〜い!
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はじめに
こんにちは、マンガソムリエの兎来です。春一番が吹き、街の片隅にある梅も控えめながら花を咲かせており、少しずつ春の訪れを感じる今日この頃。いかがお過ごしでしょうか。私は今年も今年とて花粉症を根絶したい想いで一杯です。
さて、さる2月22日(土)。ニャンニャンニャンというネコの鳴き声からネコの日であり、ニンニンニンという忍者の掛け声から忍者の日でもあったこの日。西池袋『Comic Cafe & Bar しょかん』にて「忍者マンガ」&「マンガに出てくるネコ」を語るマンバ読書会が開催されました。
テーマが「ネコマンガ」ではなく「マンガに出てくるネコ」なのは、マンバTさんの強いこだわり。何でも、ネコマンガ以外でも1シーンでもネコが登場するマンガであれば何でもOKであり、むしろネコマンガでない作品の「このネコが面白い」「このネコがいい味を出している」などを語れればということでした。
例として、「大人気マンガ『ゴールデンカムイ』の作者・野田サトルさんの前作『スピナマラダ』に登場する特徴的なネコが、実は『ゴールデンカムイ』にも登場している」というトリビアを披露して下さいました。
今回はテーマ的に尖っていたものの、何と九州からの参加者も! 今回も、参加者それぞれが思い思いの作品を持参。
『ニンジャスレイヤー』ファンも複数いて、まだこの特濃の世界を知らない人に知って欲しいと布教する姿も見られました。
実はこの日はアニメ化を記念して行われていたドロヘドロ原画展の開始日でもあったのですが。あまりの人気ぶりで、ある程度早く行っていないと入ることすらできなかったそうで、実際にドロヘドロ原画展に行かれた大ファンの方が二人参加して下さっていたのですが、堪能できた方・できなかった方で見事に明暗が分かれてしまっておりました。しかしながら、ドロヘドロ人気がここにきて爆発していることは嬉しくもあります。そんなドロヘドロもキクラゲというネコ(?)が登場するということで持ち込まれました。
非常に納得感の強い名作から、え、そんな所を!? という作品まで勢揃いでした。余談ですが、大島弓子さん本での萩尾望都さんの評を読むと改めて文章だけで美しさに酔います。
ここで、この日に語られた作品とその内容について、掻い摘んでご紹介していきましょう。
いい忍者マンガ&猫が出てくるマンガ!
最近の推しネコマンガです。かわいい。
毎週この数ページを読んで幸せに浸りたい。
バットマンとジョーカーが戦国時代にタイムスリップし、ジョーカーが信長になっている物語。この話で久正人という人選、最高!
ネコが色々なマーヴェルの人たちにちょっかい出しに行く、何気ない楽しいマンガ。
芥川龍之介や筒井康隆など色んな話を猫に置き換えて描いた作品。
著者はタイの漫画家。猫なのか何なのかよくわからない、ウザ怖かわいいマンガ。
衣装の綺麗さはもちろん、登場するネコがくぁいい!
安西信行さんの新作。烈火の炎と世界観が繋がっている雰囲気のあるマンガ。基本、しょうもないけど熱いところもある。
細野不二彦さんの出世作。
ソウマトウさんのホラーチックでオカルトファンタジー風味の雰囲気が良い。
初の猫擬人化漫画では。大島弓子先生は猫なのではないのか、というほど猫の気持ちが解っている気がする。今日はいかに大島弓子さんが素晴らしいかを語った解説本も持ってきたのでぜひ読んで下さい!
松本零士さんの感動的なお話。ご本人が飼っているミーちゃんをモデルにしている。
『伊賀の影丸』をもじった名作。焼きそばが大好きなところがかわいい。『こち亀』にも登場してるんです!
一生研究してレポートを書き続けたいほど面白い! ルナティック雑技団との繋がりにも注目。
ストーリーを説明しにくいのですが……とりあえず面白いです!
講談社コミクリの作品。ネコ? なのか何なのかわからない謎の生き物が怖かわいい。
ジャンプ+で今やっている忍者マンガ。とても面白いです。
内容的にはほぼ蟲師の現代版。すべては蟲ではなくフローの仕業という話。漆原先生の不思議で心温まる雰囲気はそのまま。超常現象が好きな人はぜひ。
7巻表紙は猫忍者のイヅツミ! まさに今日のためにあるマンガ!
(※注…第7巻の帯には「偏食猫忍者、イヅツミ参上!」と書かれています)
忍者もので一番好き。
プリキュア。人生でも最高クラスにめちゃくちゃ推しています。良さしかない。少し課金すると試し読みできるのでお願いします☆
「好きだった!」
「皆大体OPしか覚えてない」
「EDも覚えているよ!」
猫と野球が好きな方にはど真ん中。板垣巴留さんも好きだと言っていた。猫に特化したスピンオフの『猫も寝てはならぬ』もぜひ。
コミティアで出されていた同人誌『でん日和』(新宮 明日香 )を持ち込まれた方も。非常に味わいのあるタッチと物語です。
また会の途中では、こんな資料も登場!
多数の忍者マンガ&ネコマンガがまとめられており、これを元に「ああ、こんな作品もあった!」「好きだった!」と会話が盛り上がりました。
しょかんの美味しいお料理
スパイシーさ増し増しポテトサラダ。
マンガを読みながらでも気軽につまめて野菜も摂れるピンチョス。
今回はデザートも串スタイルでした。
マンガソムリエ・兎来栄寿のマンガトーク
そして、僭越ながら今回も10分ほどのマンガ小話を担当させて頂きました。
忍者マンガについて、今回は「忍者という題材がいかに日本人に愛されてきたか」に注目し、まずは石川五右衛門、服部半蔵、猿飛佐助、風魔小太郎など人気の忍者が、未だにマンガでモチーフとして扱われている事例を紹介。忍者マンガを始め、マンガ表現に多大な影響を与えた白土三平についても触れました。
そして、現在でも人気の能力バトルマンガの起源が山田風太郎の『甲賀忍法帖』にあり、そこで描かれている「手足を伸ばす」や「特殊能力を無効化」などの能力は現代でも使われている…ということを語りました。
猫マンガのトークでは、今年1月末まで行われていた「手塚治虫のニャンコ展」にて、代表的手塚ネコマンガとして挙げられていた『緑のネコ』などについてお話しました。
昨年末に開催されたマンガプレゼン大会では、藤子・F・不二雄の「流血鬼」をほとんどの来場者が読んでなかったことに衝撃を受けたのですが、今回白土三平作品をどれくらいの人が読んだことがあるか訊ねてみると、そこそこ読んでいる方がいたので嬉しくなりました。マンガ好きの方は歴史を知る意味でも一度は触れてみて欲しいです。
ちなみに、コアな人気を誇った雑誌『ガロ』は白土三平の『カムイ伝』を連載するために創刊されたのですが……
その中には何と水木しげるさんの「ネコ忍」という、この日のためにあるような作品が!
考えてみれば動物などを忍者にした作品も考えてみるとかなり多いですね。同じくネコの忍者を描いた『キャッ党忍伝てやんでえ』は海外でも大人気と聞きますし、『ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズ』は海外産の動物×忍者モノ。忍者との掛け算をされるコンテンツは今後も尽きなさそうです。
そして、今回持ち込まれた作品の全景がこちら。
参加者が持ち寄ったマンガの集合写真
ワンショットで収めきるのが難しいほど集まりました。
今回のテーマを最初に聞いた時は、普段のざっくりした大きいテーマに比べてかなりニッチなので大丈夫かなと心配していましたが、蓋を開けてみれば大盛り上がりで杞憂に終わりました。改めて忍者とネコについて深く考えてみる機会を得て、想像以上にとても良いテーマだったと感じました。
忍者は昔から愛されていた、遺伝子レベルで日本人に馴染み浸透している存在。厳しい覚悟や悲哀と共にあることも多く、物語としても映えます。近年では『NARUTO』という金字塔があったためになかなか王道忍者モノは新しく作りにくい雰囲気もあったかもしれませんが、今後また新たな面白い忍者マンガが出てくることを期待しています。
そして、ネコは9500年前から人類と寄り添っている存在であり、手塚治虫を始めとしてあらゆるマンガ家や芸術家に愛され描かれてきたもの。近年日本ではイヌを超えてネコが飼われるようになった、というのも長い歴史上で見ると一大トピックと言えるかもしれません。愛らしいネコは現実にもSNSにも今日も溢れています。不思議な魅力を持ち、単体でマンガ雑誌にもなっている存在であることを再認識しました。
振り返ってみると非常に面白い切り口のテーマでした。またこうした、独自の鋭い切り口の読書会も楽しめたらと思います。
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次回のマンバ読書会は「医療マンガ&元気が湧いてくるマンガ」
次回のマンバ読書会は、3月28日(土)に、東京・豊島区にある『Comic Cafe & Bar しょかん』にて開催!
テーマその①は「医療マンガ」です。
精神科、美容整形外科、終末期病棟、病院訪問授業、そして対ウイルス感染症など、ひとくちに「医療マンガ」といっても多種多様!自分の好きな作品を好きなだけ持ち寄って、漫画好きと読んで語りましょう!
またテーマその②は、読むと「元気が湧いてくるマンガ」。ギャグマンガ、血湧き肉躍るバトルマンガ、熱いお仕事マンガなど、ジャンルは問いません。読むと力が湧いてくる作品を紹介し合いましょう。
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