O'Shae Sibley 事件
07.29 何が起こったか
7/29、先週土曜日、ブルックリンのコニーアイランド地区にあるモービルのガソリンスタンドにて28歳のクィアでブラックのプロのダンサー、
O'Shae Sibley(オーシェ・シブリー)は友人たちとガソリンを満タンにするために立ち寄っていた。
待っている間、ビヨンセのRenaissance アルバムに合わせて仲間たちとVogueingしていた。
O'Shae と友人たちに一団が音楽と踊りを止めるように向かってきたため小さな口論に発展したという。向かってきた一団は彼らに向かってクィアへの差別的な発言を罵り始めたという。O'Shaeと共にいた友人はOtis Pena(オーティス・ペナ)は繰り返し"Stop saying that. There is nothing wrong with being gay.” 「ゲイであることは何も悪くない。その発言をやめてくれ」と言い続け、口論は乱闘に発展し、一団のうちの若者が刃物を取り出し、O'Shaeを複数箇所刺した。
容疑者は17歳のティーンエイジャーだ。
病院に搬送された頃にはO'Shaeは大量出血により、すでになくなっていたという。
ガソリンスタンド内の監視カメラに事件の一部始終が映っており、さした容疑者の身元も明らかになっていたにもかかわらず、事件から6日間、NYPD(NY警察署)は容疑者の逮捕に至らず、
8/4金曜日に容疑者本人が自ら出頭したとのニュースがあった。
コミュニティへの影響
この事件を受けてNYCの多くのコミュニティが深い傷を負った。
O'Shae はプロのダンサーであり、多くのダンスカンパニーやダンススタジオからもよく知られ、愛されていた。
NYCでは多くのストリートパフォーマーだけでなくダンサー同士が仲間と集まって公園や路上で踊ることがよくある。我々ダンサーにとって仲間と踊りを共有したりすることはコミュニケーションの一つであり、自分の持つツールを自由に表現することでもある。
踊ること、仲間と好きなことを共有することは平和なことのはずなのに、ヘイトによる無意味な暴力によってまだ28歳だった彼は亡くなってしまった。
ダンスコミュニティ、vogueコミュニティ問わず、多くのダンサーがこれを受けて強い衝撃を受けている。
ダンスシーンはありのままの自分を表現できる、自由に表現にできるスペースをコミュニティとして提供できるこの社会の中で数少ないスペースであり、そのスペースの外で自由に表現して生きているとそれを嫌う、偏見、ヘイトする人間からの大小、暴力に晒される今の社会の現状。
個人的な気持ちをここに記すと、28歳とはわし自身と同年代であり、わしはクィアであり、よく公園や路上、電車を待つ間のプラトフォームで友達と踊ったり、Vogueしたりする。わしらダンサーたちと同じようにO'Shaeは仲間たちと踊っていただけなのに彼は殺されてしまった。
わしはO'Shaeを直接知らない。
でもこの事件の題名に記された名前がわしの大事な友人だったかもしれない。わし自身だったかもしれない。
このように深く傷を負った仲間はわしだけではない。
クィアヘイト、ブラックヘイト、
他の事件と比べてこの事件が大きく取り上げられなかったマスメディアから見える’話題性’の取捨選択、
容疑者への逮捕がすぐにされなかったNYPDの機能の腐敗、
表現の自由、複数のマイノリティのレイヤーの中で存在することへの脅威
今コミュニティの中ではたくさんの感情と悲しみと怒りが渦巻いている。
事件を受けて
事件が起こってすぐ、ビヨンセが自身の音楽に合わせて踊っていたO'Shaeへ追悼の意を示した。
ビヨンセの最新アルバムRenaissanceはまさにVogueが発祥したボールカルチャーがインスピレーションとなっており、制作チームに多くのクィアアーティストが携わっている。
NYCでは頻繁にBallと呼ばれる、Vogueダンスのパフォーマンスの集まりやイベントがある。Vogueコミュニティはこの事件を受けて事件の起きたKings Highwayのガスステーションにて彼を追悼するため、またデモとしてもMemorial Ballを呼びかけた。
8/5にはNYCのLGBTQセンターにて彼の追悼と一般参列が催される。
NYCだけにかかわらず、このMemorial Ballを受けてカリフォルニアや他の州でも各地区でガスステーションでのデモ行為・追悼Ballが起こり始めている。
支援できる方法
募金する
O'Shae Sibleyの父親は彼の葬儀のための費用を募っている。
GoFundMeはドル以外でも募金ができるのでどの通貨でも支援ができる。
LGBTQIA+をより知る
自分自身は差別をしていないと思っていても、無意識にカテゴライズしていたりしていないか、マイクロアグレッション的な発言をしていないか、一度考えて見てほしい。
日本国内でも
同性婚の法制化を求める活動が一歩ずつ進んでいたり、
りゅうちぇるの自殺
AAAの與真司郎のカミングアウト
アウティングによる精神疾患が労災認定
みな違うベクトルでLGBTQIA+コミュニティに大きな希望、悲しみと深い傷、それと前進の影響を与えている。
今までもずっとそうだったけど、今までよりももっと、今こそ、
LGBTQIA+のことをもっとより知って、
こういうことをについて話して、コミュニティとしてどう前進していけるか考えることこそ
本当の意味でアライとして、コミュニティの一員として大事なことだと思う。
ゲイであることクィアであることはあなたたちのエンタメ要素ではない。
我々の生き様は誰のエンタメでも消費されるためのものではない。
我々の生き方は命を燃やして、仲間や大事な人たちへの愛を燃やし続けて、人間として鼓動を続けて生きているだけ。
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