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小説製作秘話&裏話『アヤカシ草子』#1

 藤波真夏です。
 皆様、いかがお過ごしでしょうか?
 さて、今回も創作小説の制作秘話&裏話を綴っていきたいと思います。
 また、「今回の創作小説は?」で小説URLをリンクしておきますので、是非、読んでからこちらを読むとさらに面白い…かも?


今回の創作小説は?

 今回の創作小説は…、

 『アヤカシ草子』です。

 小説URL↓

https://ncode.syosetu.com/n2608dr/

 まずはあらすじです。

 ここは幻の国ヒノモト。この国には太古の昔から人間と人ならざる者アヤカシの二種族が暮らしていた。アヤカシはヒノモトを治める権利を人間に託し森でひっそりと暮らし、互いに干渉することはなかった。
 ある時を境に互いはこう言われる。
「森の奥へは行ってはならない。行けばアヤカシの怒りを買い、二度と戻ってこれない」
「森の外へ出てはならない。行けば人間たちにその身を引き裂かれ、魂は地獄に堕ちる」
 この戒めの言葉は親から子へと伝えられ、決して関わりを持つことはなかった。
 そのお陰なのか、長い平和が保たれていた。人々は笑い合い、アヤカシはひっそりと静かに暮らした。
 そう、あの青年が森に足を踏み入れるまでは---。

 教えておくれ、アヤカシよ。俺の運命を---。
 教えておくれ、人間よ。私の使命を---。


小説を思いついたキッカケ

 *これから綴る裏話たちは、小説家になろうでも裏話として公開しているものを含みますので、あらかじめご了承ください。

 今回の小説も私が大学生の時に執筆し、丸一年ほど費やして執筆した大作の一つです。これにより、藤波の作品=長いの法則ができました。
 前回ご紹介しました、『お花屋さんの手帳』よりも後に執筆を開始しましたが、私が小説家になろうを始めて、最初に投稿した作品になります。
 途中で大編集を行い、現在の形に落ち着きましたが…。

 思いついたキッカケは…、
 藤波自身が経験したことでした。
 私が大学生だった頃、最寄りのバス停まで自転車を使って向かっていました。その通り道に木々が生い茂る場所がたくさんあり、そこをいつも通ってバス停へ向かっていました。
 日中はいいんですが…夜になると、その道は表情をガラリと変えます。
 夜になると街灯は少なく、道がほとんど見えていないため、当時の藤波は自転車のライトを頼りにして通っていました。

 そんなある日です。
 友達と遊んで夜道を帰る途中でした。
 時間も少し遅めだったため、道を通る人はほとんどいません。
 私の漕ぐ自転車の音、私の息遣い、風が揺らす木の葉の音。
 ほぼ無音に近い状況でした。

 それがもう怖くて怖くて…。
 街灯も少なく、人が通っても輪郭がおぼろげで、人かどうかも判別がつかない。
 当時の私は夜道を進みながらこう思っていました。

「木々の間から…お化けがでてきたら…?! 暗闇の中から不審者が出てきたら…?!」

 お化けなんてそんなオカルトな…(⌒-⌒; )

 と、お思いかもしれませんが…当時の私は本気で怯えていました。元々夜道を一人で歩くのが嫌いだったんですが、それに拍車がかかったのは前述です。

 もしかしたら木々の向こうからお化けが出てくるかもしれない。
 でも…そこにはガードレールがある。もしかしたら…来ないかも?
 この私の恐怖への妄想が『アヤカシ草子』の根底であり、全ての構想の始まりでした。

 お化けを「アヤカシ」として捉え、人間とアヤカシの明確な境界線は、ガードレールを見て思いつきました。
 当時ガードレールが私にとってバリアのような精神的安心感を担っていました。このガードレールによる境界線の明確化から、「人間はアヤカシの領域である、森の中へ入ってはいけない」という設定が完成しました。


主人公とヒロイン

 さて、次は物語のメインキャラクターである、主人公とヒロインのお話をしていきます。
 主人公は村に暮らしている心優しい青年・陽(よう)。
 そしてヒロインは人間嫌いのアヤカシ・十六夜(いざよい)。
 この二人を中心として物語が展開していきますが…、この二人を考えるのにも、かなりの時間を費やしました。

 まず考える前提として「ジブリ式」を取りました。
 「ジブリ式」とは、私が勝手に言っている言葉で、男女の主人公がいることをジブリ映画に例えて、「ジブリ式」と言っています。
 完全にこの二人は「ジブリ式」ですねw

 そして名前です。
 私個人のこだわりとしては、物語に関連したり、印象づけたいなと思っています。なので名前にはかなりこだわって命名しているつもりです。
 今回は、名前で、森でひっそり暮らすアヤカシと、太陽の下でのびのび暮らす人間に対比をつけたいな、と思っていました。

 そこで考えた対比が、

 太陽と月

 でした。
 太陽を人間、月をアヤカシに例えて、名前を探し始めていきました。
 人間側は、太陽を彷彿とさせるかつ当時の名前でも違和感なく、キラキラネームのようにならないことを前提に進めていきました。
 結果として「陽」という一文字に決まりました。
 一方のアヤカシ側ですが、月を彷彿させる名前を探していきました。
 結果として、十六夜の月という言葉から「十六夜」という名前に決まりました。


登場キャラたち、実は…。

 この『アヤカシ草子』には、陽と十六夜を取り巻く様々なキャラクターが登場します。
 ネタバレにならない程度に少しだけご紹介します。

 陽の暮らす村の長を務める、丹波家吉(たんばいえよし)。
 丹波の妻でしっかり者のお姫様、雅姫(みやびひめ)。
 丹波に仕える生真面目な武士、佐野鎌清(さのかまきよ)。
 鎌清の妻で丹波に仕える武者、小百合(さゆり)。
 ヒノモトの頂点に君臨する幼帝、松風大君(まつかぜたいくん)。
 弟思いの病弱な皇女、潮内親王(うしおないしんのう)。
 エセ関西弁を話す人間好きのカマイタチ、風神丸(ふうじんまる)。
 男たちを骨抜きにする妖艶な九尾の狐、九十九(つくも)。

 などなど人間側・アヤカシ側を合わせてもたくさん登場します。

 実はこのキャラクターたち…、

 全員モデルが存在します。

 主としては、藤波の身近な人たちが多いです。私は知らない間に私の友達や家族、身近な人たちをモデルにキャラクターを作り出すのがほとんどです。
 ちなみに、今回紹介したキャラクターの中で、潮内親王のモデルは私が中学の頃にお世話になった保健室の先生がモデルです。
 保健室の先生は本当に優しくて、怪我していなくてもよく保健室に遊びに行っていました。その時の話し口調などを参考に、潮内親王を作り上げていっています。

 なので読み返すと当時お世話になった人たちと再会した気分にもなるんです。


おわりに

 長くなりましたが、ここで#1を終了します。
 続きの#2ではネタバレを含んだ制作秘話&裏話を綴ります。
 次の更新までお待ちください。

 ☆Manatsu Fujinami☆

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