小説製作秘話&裏話『アヤカシ草子』#3
藤波真夏です。
今回も『アヤカシ草子』制作秘話&裏話を綴っていきます。これは#3なので、初めて#3を見た方は#1から読むとなんとなーく話がわかります。
*今回のノートでは、物語の根幹に関わる重大なネタバレを含みます。予めご了承ください。
是非、本編を読んでから読むことをお勧めします。
小説URL↓
https://ncode.syosetu.com/n2608dr/
アヤカシの森はどんなところ?
アヤカシが暮らしているのは森です。
それは本編でも何度も書かれています。
では、このアヤカシの森はどのように構想したのか、お話します。
アヤカシの森にはモデルとなった場所があります。
それは私が小中学校の際、通学路にあった森があります。それがモデルになっています。小学生の時には友達とそこで遊び、中学生の時は肝試しや部活のトレーニングで行った場所です。
その森は、私にとって思い出の場所でした。
「森」と聞いて連想するのはその場所でした。
そしてもう一箇所ご紹介しましょう。
それは、陽と十六夜が初めて出逢う、全ての始まりのシーンがあります。
その時、十六夜は大きな岩の上に腰掛けて笛を吹いていました。
十六夜が座っていた大きな岩。
これにも、しっかりモデルとなった場所があります。
#1で私は大学へ向かう際、自転車でバス停まで行っていたとお話したと思います。その道中に岩が積み重なり、その上に大きな岩が置いてある場所があります。
かなりの大きな岩です。
その大きな岩をモデルに登場させたんです。
アヤカシの森はすべて、私の身近なものから生まれているんです。
アヤカシの森はどんなところ? と聞かれて、この場所を見たら、アヤカシたちどころか、たくさんの人間たちまでやってきそうですね。
ヒノモトのタブーと神様たち
さて、次はヒノモトのタブーに関してです。
タブーは決して犯してはいけない禁忌のようなものですが、ヒノモトにもタブーが存在します。
それは、
ヒノモトに存在する神様たちを永遠の眠りにつかせる。
実は、この『アヤカシ草子』の中には神様が何名か登場します。その神様たちは古来よりヒノモトを陰ながら見守り、慈しんできました。
しかし、その神様たちを強制的に永遠の眠りにつかせる、本編では神を滅すると書いて「神滅(しんめつ)」と表現していますが、それを行うことはタブーとされている設定です。
これは神を殺すことと同義と考えてつけた設定です。
本編の最後の方で、大君が古来の神々を神滅させたという衝撃の事実が明らかになります。
本編の中では、大君の一族は神の末裔と言われているため、神様が存在することが都合が悪いため、歴代の大君たちはことあるごとに神様たちを滅していきました。
本編の中では過去のことはあまり描いていませんが、大君がそのタブーを犯していたことが書かれています。
悲劇の女神と七夕伝説
前述で神様を滅することはタブーとお伝えしました。
では、本編では詳しくは描けませんでしたが、本編内で神滅したことが描かれたのは瀬織津姫(せおりつひめ)です。
瀬織津姫はこの『アヤカシ草子』を語る上で欠かすことができない最重要キャラでもあります。
瀬織津姫は古事記・日本書紀には記載がありませんが、水の神様・河の神様として有名で神社の御祭神になっているところもあるそうです。
『アヤカシ草子』に登場する瀬織津姫は、実際の神様をモデルにしていますが、史実とは異なるのであまり真に受けないでくださいね。
では本編の内容に迫ります。
ここからお話するのは、終盤で語られるシーンです。なので重大なネタバレになりえますので、本編を一読することをお勧めします。
陽はある人物の幻影に出逢います。その人物は藤原千智(ふじわらちさと)と言います。彼はヒノモトの軍神と呼ばれ、戦う姿が舞を舞っているように美しい様から、讃えられていました。
陽の戦う姿も千智に似ている為、多くの武士たちから「軍神の再来」とまで言われています。それもそのはずで、陽と千智は重要なつながりがあります。
それは、陽は藤原千智の生まれ変わり
ということです。
では、千智の告白をここで引用させてもらいます。
千智は守護神である瀬織津姫を慕っていましたが、瀬織津姫は神滅され、それに復讐心を燃やした千智もアヤカシ側に加担したとされて壮絶な討ち死にをしました。
この千智と瀬織津姫の顛末は有名な「七夕伝説」をモチーフにしています。瀬織津姫は織姫のモデルとも言われているからです。
離れ離れという点では完全に合致していますが、永遠の別れは少し伝説とは違いますね。また伝説では恋仲ですが、千智と瀬織津姫は、恋愛感情未満の相思相愛のようなものと考えています。
本編中に恋愛描写があまりないからですね。
では、陽が十六夜に惹かれていっているのは、前世の千智の影響なのか?
と考えているかと思います。
しかし、これ以上やると終わりが見えないので一旦ここで終わりにします。次回更新で綴らせてもらいます。
おわりに
長くなりましたが、今回はここまでです。
すごく気になっているところで止めてしまい、申し訳ありません。
次回更新では今回の続きとさらに裏話を進めてまいります。
次回更新をどうぞお楽しみに。
☆Manatsu Fujinami☆
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