不安を感じても大丈夫?勉強力における自信の役割 【自信コントロール 実践編】
今回は「不安を感じても大丈夫?勉強力における自信の役割」というテーマでやっていきたいと思います。今回の記事は「自信コントロール 実践編」です。
勉強力
(1)自信コントロール : どれぐらい学ぶことに自信があるか?【今回】
(2)興味コントロール : どれほど学ぶ内容に興味があるか?
(3)実行コントロール : どれほど集中して学ぶことができるか?
(4)理解コントロール : どれほど深く学ぶことができるか?
(5)持続コントロール : どれほど長く学ぶことができるか?
それでは、やっていきましょう。
受講生からの質問です。
私は中学2年生です。小学校の時は比較的良い点数が取れていました。しかし、中学生になってから部活が忙しいということを言い訳にしながら勉強に取り組めていませんでした。でも、「これじゃダメだ」と思い。勉強を始めました。今はただただ不安です。どうすればいいでしょうか。
ありがとうございます。
しっかり勉強に取り組み始めたということなのですね。大丈夫です。しっかり勉強に向き合っていけば伸びていきます。また、紹介している勉強力はたしかに、すぐには結果が出ないですが、確実に長期的には効いてくるので安心してください。
----
そこで今回は勉強力における自信の役割について紹介をしようと思います。専門的には自己効力感についてです。
最初にポイントを説明します。
・「できる」という感覚(自己効力感)は学習効果や持続コントロールに良い影響を与える。
・うまくいっている友達を見つけてみることが、「できる」という感覚を持つためには効果的。
まずはじめに、不安に感じることというのは特に学習効果にネガティブな影響を与えることはありません。一部の研究では述べられていますが、基本的にはそこまで大きく気にすることではないと考えています。
それでは、今回の論文です。Multon, K. D., Brown, S. D., & Lent, R. W. (1991). Relation of self-efficacy beliefs to academic outcomes: A meta-analytic investigation. 1991年に発表されたメタ分析論文になります。メタ分析論文とは論文のまとめのようなものです。
Reports on meta-analyses of the relations of self-efficacy beliefs to academic performance and persistence. Results revealed positive and statistically significant relationships between self-efficacy beliefs and academic performance and persistence outcomes across a wide variety of subjects, experimental designs, and assessment methods.
DeepLによる翻訳
自己効力感の信念と学業成績や持続性との関係についてのメタアナリシスの報告である。その結果、多様な被験者、実験デザイン、評価方法において、自己効力感の信念と学業成績および持続性の結果との間には、正の統計的に有意な関係があることが明らかになった。
「できる」という感覚を持つことは、幅広い研究で学習効果や持続性に良い影響を持つことが示されているようですね。これを自己効力感と言います。つまり、不安感はあっても良いのですが、自己効力感は身につけておくと良さそうです。
自己効力感はアメリカの研究者であるアルバート・バンデューラ先生によって提唱された考え方です。「ある結果を生み出すために必要な行動をどの程度うまく行うことができるかという個をの程度うまく行うことができるかという個人の確信(坂野ら, 1986)」と定義されています。
まなたす研究所では、うまくいっている友達を見つけることを勧めています。その時にポイントになるのが、(1)なるべく具体的に絞ってできている人を探す(2) 先生ではなくあくまで自分と似た友達を探す、です。自己効力感には範囲(この課題ならとか、この科目ならできそう)があることや、似ている人から方が影響を受けやすいことが分かっているためです。
ぜひ、試してみて下さい。
まとめ
・「できる」という感覚(自己効力感)は学習効果や持続コントロールに良い影響を与える。
・うまくいっている友達を見つけてみることが、「できる」という感覚を持つためには効果的。
以上、「不安を感じても大丈夫?勉強力における自信の役割 【自信コントロール 実践編】」でした。