研究会#23 色彩盛花傾斜型(小原流 四級家元教授)2023年11月
花型: 色彩盛花傾斜型
花材: 赤目柳(5)、中菊(黄、3)
花器: 丸水盤
〈結果〉95点
□当日の花の状態と意識したこと
▷赤目柳
・太さがばらばらで役枝と中間枝を選びやすい枝だった。
⇒中間高になる枝は役枝と同じくらいしっかりしていたので、主枝と同じ長さにするのではなく、副枝よりも強くならないように長さを調整した。
・とても長い状態で配布された。
⇒水揚げが気になる花材ではないと思うが、主枝の長さの1.5〜2倍くらいの長さに切り揃えて水につけておいた。
▷中菊
・2本がしっかりしていて、1本が華奢な花だった。
⇒華奢な1本を高く上げ、残りの2本は客枝と低めの花として使った。
・2本は他の1本と比べるととても大きく、2本とも同じくらい大きかった。
⇒いつもなら同じ長さにして低めの菊を後ろから挿すが、少し短めに切って挿れた。
□今回のお題で意識したこと(お稽古での学び)
・主枝は直径×1.5倍くらい。45°開き、70°傾ける。開きすぎず傾けすぎない。ただ、客枝よりは傾ける。
・副枝は主枝の1/2くらい。正面から見て主枝の差し位置と先端の1/2のところに副枝の頭が見えるように挿す。
・中間高は主枝よりは弱く見える枝を選ぶ。細めの枝なら同じ長さ、同じくらいの枝なら少し短めくらいが目安。副枝の前から挿す。傾斜型は全体的に前のめりになるイメージなので、主枝と器の交わりの真上に先端が来るくらい前傾させる。
・菊は葉を養生するため、葉裏から水をかけ手のひらで転がす。小葉をとる。
・菊の花が開いていない時は優しく開く。特に客枝と低めの中間枝は大きい方がよい。
・客枝は主枝の1/2の長さ。30°開き、50°傾ける。主枝より開かず傾けないことが大事。
・高めの菊は赤目柳で作ったふところに入るイメージ。赤目柳とはくっつけすぎない方が良い。客枝と低めの菊から離れすぎない。
・3本の菊で不等辺三角形を作る。
・4本目の赤目柳は主枝と副枝の間に挿れる。正面から見て主枝と副枝をつなぎ、リズムをとるように。
・5本目の赤目柳は主枝の近くから菊のゾーンに差し掛かるように挿れる。
・赤目柳はところどころ皮を剥くのもよい。
・最後に剣山が見える場所に菊の葉を足していく。
□研究会で学んだこと(講評・寸評: 加賀美萌乃先生)
・赤目柳(楊)は垂れない(枝垂れ柳とは異なる)。
・生命力が強いことから縁起がよい木とも言われる。
・日表(赤)・日裏(緑)がはっきりとしている枝なので、挿れ方に留意する。日の当たる方を太陽に向けるイメージ。
・盛花は不等辺三角形の挿し位置が大事。赤目柳は葉も役枝もないので骨格が見えやすい。
・剣山を隠すように赤目柳の出所を菊の葉で隠す。低めの菊を赤目柳の方に寄せて挿れると剣山を隠しやすくなる。
・菊の葉は壼に入る部分は取る。壺の中ほど綺麗に整理すると瓶花はいけやすい。
〈寸評〉菊の表情の捉え方がgood。
□今回の研究会の感想
十勝支部は2ヶ月に1回の研究会なので、ひと足さきに今年最後の研究会でした。
寸評では今の段階でこの菊の表情の捉え方ができるのは申し分ないとおっしゃっていただけて、お花と向き合う姿勢をほめてもらったような気がして嬉しかった〜〜
今年は四級に上がり、支部が変わり、変化のあった年でしたが、お花を楽しめる環境への感謝の気持ちがとても強くなった1年でした。最後の研究会も95点をいただけて安心して1年を終えられます。残り数回のお稽古も楽しみます🪷