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研究会#28 花奏(三級家元教授)2024年10月
花奏: 正面を定め、挿し位置から内側へ働く花材相互の交差美を主体として立体的に表現するいけばな。
花材: 矢羽根薄(3)、コスモス(2)、小菊(白 2)、レザーファン(2)
花器: まどか
〈結果〉90点
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□今回のお題で意識したこと(お稽古での学び)
・花奏は花器(丸水盤)の置き方が決まっている。4つの足を2つの足が正面を向くように置く。
・剣山は左奥・手前右は足の真上に置き、手前左は剣山ノ右端が足の上にくるように置く。
・花の挿し位置は必ず剣山の中心から少し外側。
・挿し位置の三角形、役枝の頂点をむずんだ三角形が重要。
・役枝の位置は盛花のように決まっておらず、どこからでも良い。→左奥から主枝、右手前から客枝、左手前から副枝と挿れるとバランスをとりやすい。
・主枝は最大で器の寸法(器の直径+高さ)×1.5倍、副枝は主枝と同寸〜3/4、客枝は主枝の3/4〜2/3。
・薄は穂を半分くらい出して長さをカウントする。
・3本配られる薄は2本のみを使うイメージ。役枝に薄を1本しか使わない時は中間枝に薄を使ってもよい。
・役枝の先端は上に向かうように挿れる。
・役枝は中心に向かって挿し、それぞれの角度が似通わないようにする。
・役枝の先端は花器の縁の円と花器の縁から花器の高さ分離れた円上に位置する。
・役枝は挿し位置から対角線上(花器の半分より反対側)を目指して挿すと良い。
・足元の中間枝は長くても花器の高さ分くらいしか外に出さない。
・足元の中間枝はそれぞれの間に空間を必ず開ける。
・足元の中間枝は葉の数や向き、高低差をつけ、それぞれ違う雰囲気にする。
・レザーファンや小菊、コスモスを中間枝として使い、器とのつながり、それぞれの役枝との繋がりを作る。
・小菊が白く目立ちにくいので、レザーファンの緑をうまく使って小菊の存在感を出す。
・中間枝は長短をつけたり、傾きや花の開き具合をよく見て、同じ表情にならないように気をつける。
・小菊は花のつき方によっては短くしがちだが、傾きで高低差をつけられるように長めにとる。
・手前の2つの役枝の中間枝はレザーファンの大小、傾き具合を異なるようにしつつ、中心線で微かに繋がりを持たせるようにするとそれぞれが独立しすぎない。
・手前の中間枝として挿れる花は正面を向き、それぞれが並ばないようにする。白菊よりもコスモスの方が目立つので、外側に向けるよりも中心の方に向かって入れられるとよい。
・中間枝はそれぞれ大体2〜3枚/本が目安。剣山が隠れるように。
□当日の花の様子
▷矢羽根薄
・とても穂が大きく立派な薄が2本、それよりは華奢な薄が1本だった。
⇒役枝に大きな薄と華奢な薄を1本ずつ使い、1本は使わなかった。
・主枝に選んだ薄には穂の近くに葉がついていた。
⇒綺麗な葉で、主枝の方向性にも合っていたため、落とさずそのまま使った。
▷コスモス
・薄に対して3本とも同じくらい弱々しかった。
⇒1本を副枝として使い、他は中間枝として使った。
・花びらが少し弱っており、色は落ち着いた赤だった。
⇒中間枝として使うにも小菊のパキッとした白やレザーファンの緑に負けてしまうので、副枝の足元に2本とも使い、少し高めに使った。
▷小菊
・ほとんどが咲いていた。コスモスが弱々しいのに対して強さが際立つように感じた。
⇒花の向きによって白の面積を調整して強さが目立たないように工夫した。
⇒唯一の小ぶりな小菊は長めに使い、外への力を表現した。
▷レザーファン
・とても綺麗に枝分かれしていた。
⇒大小及び長短を様々に切り分け、3株が似過ぎないように気をつけた。
□研究会で学んだこと(講評・寸評: 鈴木綾子先生)
・役枝が立体的に交差する花型。
・役枝は真横から見た際に挿し位置と逆方向(前後)の向きに花先がいくように。
・役枝の花先(枝先)の3点で立体的な三角形を作る。
・正面から見て半分に分けると、左側から挿した2本の間に右側から挿した1本が通るとより立体的な三角形になりやすい。(主枝と客枝両方の左側に副枝を持ってくると、窮屈な三角形になる。)
〈寸評〉
・前から挿している花は後ろに向かっていくように挿す。
・役枝で作る三角形は平面的な三角形ではなく、立体的な三角形を作る。
・中間枝は綺麗に入っている。
□今回の研究会の感想
三級に上がって初めての研究会、そして2024年最後の研究会(11月の研究会をお休みしたので...🥲)。
花奏は中間枝で遊ぶことができたり、母と同じ支部所属の講師の先生に審査いただくということで楽しみにしていた研究会でした。
結果としては残念でしたが、花奏を研究会で生けるのは初めてだったのでとても学びの多い会でした。
3本で立体性を作ると頭で理解していても、実際にお直ししてもらうとほんの少しの違いで変わるのを見ることができ、瓶花での花留めのように感覚を掴むことも大事だけれど考えながらコツを掴んでいくことも大事なんだなと思えました。
次に花奏を生ける研究会があれば、95点を目指したい〜🙃
※写真はすべてお直し後のものです。
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