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幸せでありますように

あの日 おれはいつもと変わらず男友達に囲まれ、
はしゃぎ 笑っていた
でもおれの心のすみには いつもと変わらず
君がいた

他の子にチョコレートをもらっても
おれの心には君がいた
君しかいなかった
数日後 君に告白された
チョコレートはなかったが うれしかった

いや うれしいなどという言葉では とても
表しきれない  出来事(ことば) だった

でもそんな気持ちを君に伝えることができなかった
”やること成すこと全てが空回りだった”

駅で待ち合わせしたね
一緒にあるいたね
友だちや先輩、いろんな人に会ったね
てれくさそうにして会話を一生懸命探しながら歩いたね
電話もいっぱいしたね
でもほとんどが沈黙だった
何を聞かれても
何を言われても
「フフッ」
と笑ってただうなずくだけだった
自分が情けなかった
情けなくてしょうがなかった
自分が嫌だった
嫌でしょうがなかった
でも好きだった
君が好きだった

好きで好きでしょうがなかった
でもそう思えば思うほど
おれの気持ちは空回りしていった
そう思えば思うほど君は遠ざかっていった

”やること成すこと全てが空回りだった”
君という人間を知ることができなかった
自分という人間を知らせることができなかった
”こんなもんじゃない こんなもんじやない”

いつも心の中でそうさけんでいた
くやしかった
くやしくてしょうがなかった
他の誰に対してでもなく 
自分という本当に小さな人間に対して。。。

でも心のずっとずっと奥の方に光が見えた
小さな小さな光が見えた
「こんなちっぽけな人間(ひと)でも君(ひと)を愛すことができた」
「こんなに純粋な気持ちになって愛すことができた」
「ほんの一瞬でも子供の頃のような真っ白な心になれた」

そんな満足感がやがて自信に変わり
またそれは自分の中で力へと変わった

そして自分という人間をほんの一回りでも
大きくすることができたような気がした

でも君にとっては昔の事
ずっとずっと昔の思い出
そう思い出でしかない
今 君という本当に本当に大きな人へ
送りたい

”幸せでありますように さようなら”

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