【雑文1】夜の静けさは輪郭をぼかす
夜の静けさが好きだ。
身体と空間の境界がぼやけるような静けさが好きだ。
私が世界の一部だったということを思い出す。
もう孤独にはならないぞと安心できる。
しかし、朝が来るときにはもう急かされている。
部屋を出たときにはもう競争が始まっている。
太陽は私に「輪郭を見よ」と言う。
私という輪郭が世界から切り出されて、隣人たちの疲れ知らずの真人間っぷりを目の当たりにする。
誰も彼も服を着た孤独。
ただ、私は群れることもできない孤独。無力な孤独。
夜が待ち遠しい。
夜になれば、私という輪郭は闇に紛れて世界に包まれる。
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