【Λ世界線記5】 楼下町ハロウィン大乱闘、大混乱の路上と勇敢なリポーター by真名方涼
今年も日本連邦各地でハロウィンが盛り上がりましたね。
まぁ、盛り上がったといっても、良くない盛り上がり方を見せた場所もありますけど。
そのうちの一つが楼下町でした。
楼下町は新楼駅の楼下町口から広がる奥波州最大の歓楽街です。
「奥波の歌舞伎町」とも呼ばれています。
ファッションや雑貨、飲食店など多種多様なジャンルのショップも軒を連ねていますが、夜になると「大人の街」としての一面を強く見せる街です。
ただ、大人の街とはいえ、昨今の楼下町では若者のたむろや非行が大きな問題になっています。
特に、家出した少年少女たちが集う志多公園は犯罪の温床となっています。
つまるところ、楼下町は治安が良くない地域です。
ハロウィンのようなイベントの際には、必ずと言っていいほど楼下町は荒れます。
去年も暴徒が偶然通りがかったタクシーを破壊しましたし。
今回は大乱闘が発生したらしいです。
原因や詳細は分かりませんが、ニュースで流れていた映像を見る限り、泥酔した若者たちによる乱闘でした。
新楼テレビの勇気あるリポーターが、口から血を流しながらファイティングポーズをとっている上裸の男に突撃インタビューを敢行している姿は凄かったです。少し笑っちゃいましたけど。
今朝のニュースでは、そのリポーターは、ゴミや脱ぎ捨てられた仮装が散乱している路上をリポートしていました。
あのリポーターには心の底から「お疲れ様です」と言いたいです。
という感じで、大混乱のハロウィンだったそうです。
実は、これから僕は楼下町にある行きつけの居酒屋「酔郷」(すいきょう)で友人と呑むことになっています。
酔郷のご主人はどうせ昨晩のハロウィン乱闘について僕らに話したいだろうから、今宵は彼の話を酒の肴にしようと思います。