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柿だけで作れる!酢酸菌たっぷり『柿酢』の作り方

今の時期、スーパーにはたくさんの柿が並んでますね。
散歩の途中、木にぶら下がっている柿を見かけることもしばしば。

柿を食べるだけでなく、皮ごと有効活用できる方法をご存知でしょうか?
それは、柿を自然発酵させて『柿酢』を作ることです。

柿には酢酸菌や酵母がたくさん含まれているので、私たちが特に手間をかけずとも、微生物たちの働きで自然に発酵が進みます。

柿を切って、瓶に詰めて濾す。

これだけで柿酢ができちゃうのだから、自然の作用に感謝せずにはいられません。

必要なものは、柿、保存瓶、キッチンペーパーもしくは小さめのネット、輪ゴム、木綿などの布、金ざる。

柿は柔らかめの方が発酵が進みやすいと言われてますが、多少固くても大丈夫です。

まず、柿の表面を見てみてください。白い付着物がありますか?

うっすらと白い付着物が見えます。

それは汚れではなく、発酵を促すのに必要なブドウ糖の結晶です。
なるべく洗わない方がいいのですが、どうしても気になるのであれば軽く拭くのみに留めておきます。

へたを取り除き、適当な大きさにカットします。大ざっぱで大丈夫。
発酵が進めば、自然に柔らかくなります。
種ごと入れちゃいましょう(私は今回、種無しを使用)。

カットした柿を、瓶に詰められるだけ入れます。


瓶の口にキッチンペーパーをかぶせて輪ゴムで止めるか、小さめのネット(例えば排水溝用のネットなど)を被せ、常温で置いておきます

キッチンペーパーを使用。
ネットを使用。


発酵には酸素が必要なので、瓶の蓋は乗せる程度に留めておくか、もしくは乗せなくていいです。

三日ほど経つと、柿が柔らかくなります。
スプーンなどで押すと、柿がグシューっと崩れるはず。

硬めのものは無理に潰す必要はなく、毎日様子を見ながら潰します。潰すことで瓶に余裕ができるので、さらに柿を追加することもできますよ。

カビ防止対策のためにも一日に一回はかき混ぜまぜます。
かき混ぜて泡ブクブクが立てば、発酵が順調に進んでいる証拠♪

一ヶ月ほど経てば泡が立たなくなり、柿はドロドロの液状に変化します。
鼻をつくような、ツンとした酢の匂いを感じられるはず。
ここまできたら、いよいよ搾取です。

ボウルや鍋の上に金ざるをセットし、金ざるの中に木綿などの布を敷きます。
そこに液状の柿を流し込み、液体が落ちるのをひたすら待つ…。
ここが正念場で、わりと時間がかかります。

金ざるに全ての液を流し込んだら手で押すのもありですが、細かい果肉が布の目から通りやすくなり、濾過しても濁りが出ます。

液体と固形をきれいに分離したいのであれば、重しを置いて一晩かけて濾過するのがいいかと思います。

濁り酢なるものもありますし、この辺は好みですね。
濁りが気になれば、再度濾過すればいいだけなので、そこまで気にすることも無いでしょう。

濾過が終わったら細口の瓶に移します。
すぐに使うも良し、数ヶ月寝かせておいてから使うも良し。

搾取した後もゆっくりと発酵は進むので、瓶の底にオリが溜まりやすくなります。そんなときは再度濾過するか、それが面倒であればこの時点で殺菌処理します。

殺菌処理することで雑菌の繁殖は防げますが、経時変化が生み出す発酵による味の変化は楽しめなくなります。
これも好みの問題ですね。

殺菌処理は、大きな鍋で水を沸かし、65度になったら瓶を入れて20分加熱します。


自家製柿酢の醍醐味は、酢酸菌がたっぷり含まれていること。
この柿酢を使って、他の酢を作ることもできます。

私はこの夏、杏、ビール、丸麦と小豆を原料とした酢を仕込みました。

右奥の瓶は、熟成一年目の柿酢。


杏とビールは少し味見しましたが、使う原料で味が違うんですよ。
柿酢はまろやかな酸味、杏酢は柿酢よりも少し強めの柑橘系の酸味、ビール酢は重圧感のある酸味(意味不明)。

市販の酢では味わえない、自家製の柿酢。
とっても簡単なので、気軽にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

私はこの冬、米から米酢を作ってみようと思います!


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