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#3 人が求めているのはモノではなく○○?真の差別化のポイントとは

前回の記事はこちら。

前回、前々回と質問も藤本さん、上田さんからアドバイスやヒントを貰った岡田さん。
今回の記事は、当ゼミを担当する教諭、水野先生から岡田さんに対するこんな質問から始まる。


水野先生『岡田さん自身はHAREというブランドをきっかけにして変われたって事だったと思うんですけど、そのようなブランドを作るときに、HAREは競合にならないんですか?

岡田さん自身は「ブランドをきっかけに変われた」、そういう思いを他の人にもして欲しいなって思った時に、需要があったりとかHAREとは競合しないジェンダーレス、きれいめっていうのが、どうしてきっかけになるんでしょうねと。万人受けするようなファッションていうのが、本当に「変わりたいと思っている」、でも「どんな服着たらいいのかなー」って自信がないような人たちのきっかけになるのか、むしろHAREが少しニッチというか、特定の人受けするようなファッションであるならば、分かんないですけどね?

そういう特定の色を持ったファッションっていう風に色付けをした方がきっかけになりやすいのかなっていう気もしていて、万人受けを狙いすぎるときっかけになりにくいんじゃないか

最たる例は、UNIQLOとかGUだと思うんですけど、そこはどういう考えですか?』


岡田さん自身がダイエットをし、自分自身を変えるきっかけとなったブランド。そういった自身の経験をもとに、他の人にも自身のブランドがきっかけになってほしいという想いを強く抱く岡田さんだが、万人受けするファッションやブランドはきっかけになりにくいのではないかと水野先生は述べる。

そんな水野先生の見解に対し、岡田さんはこう答えた。


岡田さん『正直、今ZOZOTOWNで出てるブランドが多数ある中で、僕が立ち上げたとしても埋もれてしまうなって思うので、この系統で戦っていくってなった時に、このブランドが知れ渡るまでには、相当なSNSの発信であったり労力が必要なのかなって考えてます。

けど、どうしてもこのニッチな特定の人に受けるようなファッションは僕自身考えていなくて、今このきれいめカジュアル(ファッション)っていうものをさせてもらっていて一番僕がわかっているじゃないですけど、ちょっとここの系統は変えたくなくて。

この変えないっていう中で、どうやって勝つサービスをが出来るかなって考えた時に、ジェンダーレス商品であったりグッズが僕の中で出てきたので、メインとしては服なんですけど、その辺りでやっていきたいって思っています。』

写真手前:岡田さん
写真奥:左から上田さん、藤本さん、水野先生



『人はモノを求めているわけじゃない』

水野先生『考え方としては、別に間違っているわけではないと思っていて。ただ、もう少し広く考えないといけないと思うのは、人はモノを求めているわけじゃないんですよ。それはわかっていると思うんですよね。

服を通じて、自信を持ちたいとか自分の色を付けたいとか、それを感じたいから買う。だから、服は手段ですよね。で、ジェンダーレス商品で差別化。確かに、見た目としては差別化になるんだろうけど、人が求めているのは別にそこじゃなくて、ジェンダーレス商品によって「自分がどう見えるのか、どう変われるのか」ですよね。

で、その時に考えなきゃいけないのは、今あるジェンダーレス商品を売っているお店とかZOZOでもいいですし、商品とかっていうのとは違う売り方だとか、コーディネートの提案の仕方だとか発信の仕方によって、「あ、自分はジェンダーレス商品によって、こういう風に変われるのかもしれない」っていう自分のこの服によってこうなれるっていうところまでを見せる工夫、最初に悩んでる人たちに、それを分からせられるような工夫ができて初めて他社との差別化と呼べるかなと。

で、そこは色々な工夫の仕方があるかなと思うんですよ。そこは、岡田さん自身がHAREっていうブランドをいかに知って、なぜそこに憧れを持ってダイエットをして、凄いダイエットを成功させるまでに至ったのかっていうのを自分の中で突き詰めていくとヒントがあるのかもしれないし。そこら辺の、その「お客さんに対していかに服以上のものを見せれるか」「服の先をモノを見せれるか」っていうところが真の差別化ポイントじゃないかなと思うんですよね。

その辺りについては考えてますか?とか、自分の今までの体験も踏まえてなんかありそうですか?ポイントは。』



岡田さん『そうですね。結構、僕の中では変わったっていうのが目に見えてわかるものが、鏡であったりとか写真なのかなっていう風に思っていて。

僕の商品を着てもらってそれをパって見たときにこう、目で分かるというか実際に着てみることで「あ、他のブランドにこういうの無いな」とか、全然商品の詳細とか考えてるわけじゃないんですけど、そういったものが僕の中であります。

その先をまだ突き詰められていないっていうのが、先生のさっきの話でもあった「ダイエット以上のもの」、「価値」っていうのが、正直まだ僕の中で浮かんでいないっていうのが率直な意見なんですけど。』



水野先生『まあでも、今のも一つの答えだと思うんですよ。
その、「鏡を見る」っていう何気ない動作だけど、そこにめちゃめちゃ価値があって、そこに自分の変われるきっかけがある。

じゃあ、その「ピンポイントな体験で、しかも、それは今までは家の中で起きていたかもしれない。あるいは美容室とかで起きていたかもしれないことを別のことで再現できるっていうのを上手く再現出来たら、それは一つの差別化、他社にはできない売りの出し方になるのかなと思うので、それも一つ答えだと思います。
もっと、突き詰めてみていろんなアイディア、工夫の仕方はあるのかなと思います。』


顧客となる人が求めているのはモノではない。
服でいえば、見た目の変化よりも、その服によって変われる自分を求めている。と、した上で、真の差別化ポイントについて、水野先生は問いかけた。


「鏡だったり写真」。水野先生の思いがけない問いに対して咄さに出たこの答えは、岡田さん自身、それほど自信の持てる回答ではなかったかもしれない。しかし、そんな咄さに出た日常の体験にこそ価値があり、一つの答え。
そんな日常が、「他社にできない売り出し方、差別化のヒントになるのではないか。」と水野先生は岡田さんに声をかけた。


第1回目の記事はこちら。



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