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#023 シナリオをつくる|プロジェクト成功の研究日記
こんにちは。management studioの吉見です。
普段から仕事に恵まれているなと感じています。誰もが知っているような案件や、その会社さんにとって非常に大事な事業に関わることはこれ以上ないやりがいです。
ただ難易度も高い。正直言って大変。
これまでいくつも大型、長期のプロジェクトを乗り切ってきましたが、やはり最も大事だなと思うのはプロジェクトを積極的に実行することです。
しかし、実行が大事だと分かっていても、なかなかスムーズに動けない、動きたくても動けない、というのがプロジェクトに対する本質的な悩みだと思います。
やる気が無いわけじゃない、なんとかしたいと思っているけど手が出ない。
自分自身がそうでしたから、その感覚は痛いほど分かります。
実行すること自体に目が行きがちですが、実行のためには計画が不可欠です。
むしろきちんとした計画がないから実行できないと言っても過言ではありません。
一方で多くの場合、全く計画していないということはありません。何らかの計画はあります。
ただ、計画自体がイマイチなのです。
プロジェクトにはスケジュール、コスト、ステークホルダー、リスク、成果物など成否を分ける様々な要素があります。
これらをバラバラに計画してもうまく行きません。それぞれの要素に依存関係があるからです。
要素の点と点を繋いで線にし、線どうしのバランスを調整して、そこに時間軸を加えて立体的な全体像を作る必要があります。
プロジェクトの計画を単発で終わらせるのではなく立体的な全体像にするのが、構想です。
management studioではこれをプロジェクトデザインと呼んでいます。
やや抽象的なイメージの話になりましたが、プロジェクトデザインは具体的に何をするかというと、各要素の計画を整合させて、これまで何があったか、これから何が起きるかを加味して可視化します。そう、つまりストーリーです。
プロジェクトデザインの最終的なアウトプットはシナリオです。
プロジェクトは不確実性が高く、時間や関係性など具体的に目に見えないものを扱います。そして未来のことは想像するしかありません。無いことを可視化する。正に物語です。
ただ物語といっても空想ではいけません。プロジェクトを成功させることが目的なので実際に起きることをシナリオにしたい。
だから、それぞれの要素の確度を上げてシナリオ全体の確度を上げます。
最終的にシナリオにまとめることを前提にして、まずは各要素を個別に整理します。
その要素は何か。映画やドラマのあらすじをイメージしてみてください。
どんな時代や場所の設定で、登場人物は誰で、こらから何が起きそうで、何がテーマなのか。大体、こんなことがまとめてあると思います。
プロジェクトのシナリオづくりで抑えることも映画やドラマのあらすじと似ています。
時代や場所の設定は、プロジェクトでは前提条件や制約条件です。登場人物はステークホルダー、起きそうなことはリスク、テーマは目的と目標です。
シナリオをつくることを前提に、これらの各要素を整理、分析するための専門的なプロジェクトマネジメント手法やフレームワークや思考方法を用います。
プロジェクトデザインの芯にある目的はシナリオをつくること。手法はそのための手段です。
プロジェクトデザインは考え方としてはシンプルで、シナリオがつくれればいいのです。
腹落ちするシナリオができるとやるべきことは自然と見えてきますし、実行したくてウズウズしてきます。
そして、それを関係者で共有してみんなが前向きなマインドになる。それがプロジェクトを推進する一番のエンジンであり醍醐味だと思います。
本日はプロジェクトにとってシナリオが大事だということと、シナリオづくりの触りをご紹介しました。共感いただけたり参考になったら「スキ」をいただけると幸いです。
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吉見周平
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