受験は手続きだ! ( 机にコンパス、複数生徒の受験無効 広島公立高の今春入試 対応ちぐはぐで高校側謝罪 中國新聞デジタル4月13日)
https://www.asahi.com/articles/ASP4F5SBDP4FPITB00C.html
その昔、「15の春は泣かせない」という言葉があったことを、読者の皆さんはご存じだろうか。1950年代、誰でもが高校進学できる社会を目指して当時の京都府知事が言ったものだが、広島県教委は、そして、この試験の監督をした教師は、この言葉を聞いてどう思うだろうか。
記事によれば、コンパスは他の教科の試験中も机の上に置かれており、その際は特に注意を受けていなかったという。指定の文具以外を出してはいけないのならば、1時間目で注意を受けないのはおかしい。さらに、これは学校側も認めていることだが、数学の開始時に注意が無かったこと、さらにコンパスが没収された後も受験が続行されたことは、明らかに監督する側もルールを守っていないと言える。
高校入試は、中学3年生が義務教育の枠を出て、その先の教育を受けるための手続きだ。だからこそ、受験者も、学校側も、きちんと手順を踏むことだ。ルールを守らなかった生徒を受験無効とするのならば、同じくルールを守らなかった監督者にも、きちんと処罰があるべきだ。その上で、もう一度、試験のルールを周知徹底することだ。
15の春を泣かせてしまった。それも、本人の学力とは関係ないところで。このことをどう見るか、教育に携わる人はしっかりと考えてほしいと思う。
【教育記事から教育を考える】
2021年4月23日(金) VOL.702
作者:中土井鉄信
(教育コンサルタント 合資会社マネジメント・ブレイン・アソシエイツ代表)