人生を思い定めるのが難しい
一事を必ずなさむと思わば、他の事破るもいたむべからず。人のあざけりをも恥ずべからず。万事に変えずしては、一つの大事成るべからず。(吉田 兼好)
【考えるヒント】
可能性に拘ってしまうから、私たちは、どうしても一つのものを徹底的にやることに躊躇してしまう。もし、これが失敗してしまったらとか、これよりも自分に合うものがあったらとか、これもいいけどあれも良いはずだとか、色々なことを考えて迷ってしまう。
だからこそ、人生を引き換えに出来るような一つを定めて、その一つに全ての可能性を賭けることだ。他のものに目もくれずに、ただひたすらやり続けることだ。他人が変人だと言っても、周りの人間が逃げ出しても、自分の人生を賭けたことなら、やり通すことだ。
腹をくくって人生を生きてみることも、一つの人間の生き方だ。そういう人たちが、昔は数多くいたはずだ。なにせ、可能性が少なかったからだ。しかし、昨今は、可能性が多く見えてしまう。中々人生を思い定めるのが難しい時代だが、しかし、人間の一生には限りがある。とすれば、一つか二つしか出来ないのだ。一つに定めてもそれほどの違いはない。人生を賭ける一つを決めてしまうことだ。
【考えるヒント・今日の言霊】
2020年9月24日(木)VOL.5036
作者:中土井鉄信(合資会社マネジメント・ブレイン・アソシエイツ代表)