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偽善者は素晴らしい約束をする、約束を守る気がないからである。それには費用も掛からず、想像力以外の何の苦労も要らない。(エドマンド・バーク)

【考えるヒント】
バークのこの言霊を、私たちは、選挙のたびに目の当たりにしている。政治家の民衆に訴える公約のほとんどが素晴らしいものだ。そして、その公約を守ろうと必死になった政治家はほとんどいない。素晴らしい約束は、素晴らしいことが重要で、それを守ることは重要なことではないのだ。つまり、政治家は、選挙に勝つために公約を言うのであって、実現するために言うのではないからだ。

しかし、それでも少しは公約に拘束されてほしいものだ。自分が言った公約に責任を感じて、少しでもその実現に心血を注いてほしい。それがなければ、私たち民衆は、政治に期待を寄せなくなってしまう。偽善者の競い合いを誰が真に受けて、政治に参加するだろうか。

公約の質を吟味しよう。素晴らしすぎる公約は、実現不可能だ。この不可能性を自覚して、現実的な公約を挙げて選挙に臨む人と理想主義的な人をしっかり吟味して、私たちは、私たちの代表を選ぼう。夢がなければ政治ではないが、夢だけの政治は、政治ではない。絵空事なのだ。

【考えるヒント・今日の言霊】
2020年10月22日(木)VOL.5056     
作者:中土井鉄信(合資会社マネジメント・ブレイン・アソシエイツ代表)

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