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あなたの労働は手段か、それとも目的か(内山節『資本主義を乗りこえる』を読んで)

「貨幣をどのようにして増殖させるのか。資本主義の原理はこの単純なメカニズムでしかない」

冒頭に置かれたこの言葉に、ショックを受ける人もいるかもしれない。高度成長期には表面化しにくかったこの本質が、その建前を取り払い露呈してきたのが今という時代なのだろう。

「働き方改革」が叫ばれているが、著者はむしろ次のように述べる。

「むしろいま多くの人たちが望んでいるのは、「労働時間なんて気にしないでもやりたいと言えるような労働をやりたい」ということではないかと感じる」

いや、ほんまにそう、と思わずつぶやいてしまった。それは言い換えれば、自分の生活と結び合った労働、ということであろう。

矛盾なき社会など存在しない。にもかかわらず、それを追求しようとすればするほど、矛盾をかかえた存在としての人間は疎外されていくのではないか。そうではなく、「むしろ矛盾を少なくする、健全さを少しでもいいから大きくする」。それを実現させるには、社会全体を覆いつくす巨大なシステムではなく、顔の見える具体的なつながりを主軸に置かなければならないだろう。

「究極的には、「自分たちの労働を手段にしている社会でいいのか」、そこのところを問わなければいけない」

著者のこの言葉を、自分の生き方と重ね合わせて考えたい。


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