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「セールスハブ」というビジネスが成り立つまでとこれからの話

"このサービスがもし成り立てば営業の未来が変わるんじゃないか"

そう信じて事業をはじめて気づけば7年も経ってしまいました。

当時、セールスハブの事業を構想し、たくさんの方にプレゼンをするものの賛否両論の嵐。

  • 事業モデルは面白いけど、成り立たせる難易度が高すぎるように思います。

  • B2B2C2B…?プレイヤー多すぎませんか?

  • 海外での事例も見つからないというのはうまくいかないビジネスモデルだからでは?

などなどのご意見をいただきながらも、ワークしたら営業の構造が変わるかもしれないと、一緒に戦ってくれているチームメンバー、可能性に賭けていただいた投資家の方々のおかげで今まで事業を続けることができています。

そして、時間はかかってしまいましたが、紹介営業のプラットフォーム化を実現し、セールスハブというビジネスモデルが成り立つという証明まではできてきたと思います。

今回のnoteは、後で振り返った時に、社内のメンバーが自分たちの軌跡を感じられるように、また、未来のメンバーにセールスハブのことを知ってもらうために、そして、後半部分に関しては、新規開拓営業の課題を感じられている方、B2Bの事業を立ち上げられている起業家の方の参考なればという思いで書きたいと思います。


創業から今までの話

事業アイデアを模索していた2016年頃は、スマホへのデバイスシフトのような大テーマも終わり、かといって、シェアリングやキュレーションメディアも今から手がけるにはもう遅い状況。当時のスタートアップ業界は凪の時代とも言われていました。

一方、当時の弊社といえば、2014年に創業しメディア事業を立ち上げたものの「ぼちぼち伸びる」という、スタートアップにとっては一番辛い状況でした。

事業の解像度が上がれば上がるほど「これはメルカリのような大きなサービスにはならないぞ」ということが分かってきてしまい、さらには、自分達の時間をここに全てかけ続ければグッと伸びる、そんな見込みも立たない…そんな状況が続いていました。

その結果、悩みに悩みながらも、

  • 今の事業を続けてもこのままうまく行く可能性は薄いと思っていること

  • それでも再度、事業アイデアを考えるところからスタートしたいと思っていること

をチームみんなに伝え、事業を撤退。
1年程のアイデアの構想と開発期間を経て2017年に顧客紹介サービス「セールスハブ」をローンチしました。
これが僕らのスタートです。

ビジネスモデルの確立を支えた3つの大きな施策

ローンチ前から「このビジネスモデルは難しい」と言われながらやってきたのですが、案の定、しっかりととても難しく、ビジネスモデルのマイナーチェンジをひたすら行い続ける日々が続きました。

細かいところを挙げればキリがないのですが、大きな転換点となった施策を3つまとめてみます。


1.セールスハブコンシェルジュの発足

副業解禁の流れもあり、当初は現役ビジネス職の方のサポーター(紹介者)が多かったのですが、現在は副業層ではなく、50代・60代・70代のベテランビジネスパーソンの方の登録・活動がメインとなっています。


元々は「プラットフォームだけでやり切るぞ!」と思っていたものの、50代以上の方はリアルな活動のサポートを求める方が多いことが分かりました。

そこで、サポーターの活動を促す専門チーム「セールスハブコンシェルジュ」を発足したところ、動いていただける率が2倍ほどまでに向上。結果として、元大手企業の役員の方など、VIPな方々のコミュニティ形成にもつながりました。

現在では30名程のチームになっており、毎月数百面談実施するまでになっています。

2.つながりマッチング機能のリリース

元々は 「従業員数100名以上の企業の人事部を紹介してください!」 のような属性でのマッチングだったのですが、サポーターさんに事前に

自分がつながりのある企業情報をご登録いただく仕組みになったことで

企業名・部署名・役職までを指定したピンポイントマッチングが可能になりました。

「つながりマッチング機能」はビジネスモデル特許も取得

この機能ができたことで、利用企業さんの受注率の向上、ABMのラストワンマイルの実現に繋がっています。

3.弊社が運用を代行するABMサクセスプランのリリース

セールスハブで成果を出すには、運用をしっかり行っていただける担当者さんが必要になるのですが、この運用自体を弊社が請け負うプランを2024年からスタートしました(BPaaSのようなものでしょうか)。

具体的には、マッチングに必要なアタックリストの作成サポートから、サポーターさんへの事業説明資料の作成、サポーターさんとのコミュニケーションなどを請け負います。

2024年1月からテストスタートした施策でしたが1年経たずに月数千万円の流通を生み出すまでに成長しています。

これにより

  • 利用企業さんのリソース不足

  • セールスハブのモデル特有の小さい落とし穴がたくさんあるが故に運用難易度が高い

という課題を解決しています。


もしこの3つの施策が実行されていなかったら恐ろしいなと思う程に、これが現在のビジネスモデルのコアとなっています。

成果

たくさんのビジネスモデルのマイナーチェンジを続けた結果、成功事例もどんどん出てきました。
紹介の仕組みでは商談件数を増やせないと思われていた中で、実際にはすでに、月に100件以上の商談獲得に成功された事例もあり、これは明確に
紹介のプラットフォーム化ができたが故だと思います。

また、1件で億単位の受注が生まれたという利用企業様からのご報告など、大型受注の実績も積み上がっていっています。

今までの紹介営業は、「自分の知り合いの方に紹介をしてもらう」これが限界
だった中で、セールスハブによって、自分達の事業に共感してくれた社外の人たちからも紹介を募ることができるようになりました。

私たちが取り組んでいるのは、このカルチャーの革命とも言えます。

そしてその革命が利用企業様の実益に繋がっているというのが何よりの誇りとなっています。

一蓮托生のビジネスモデル

セールスハブのビジネスモデルは、数万円の月額料金と1商談獲得ごとの成果報酬になるのですが、投資対効果が非常に分かりやすく出るサービスになっています。

それ故に、成功と失敗が非常に分かりやすく成果が二分します。

上記のようなシミュレーションをまず作成し、成果が見込めそうであればGO!というイメージです。

当初のシミュレーション通りか、それ以上に契約が取れれば、

これはすごい、最高だ!もっと投資します!

となりますし、

どんなに大手企業の役職者との商談がたくさん取れたとしても、契約が決まらなければ、

全然ダメでした、解約します…結構な額投資したのに…!

となってしまいます。
こういった性質だからこそ「なんとなくサービス使い続けています」という企業さんはほとんどなく、"リターンが出れば継続、でなければ解約"という、まさに利用企業さんと一蓮托生のビジネスモデルとなっています。

だからこそ、僕らはなんとしても、利用企業さんに受注を多く生み出していただきたいですし、そのためにできることはなんでもやろうという気概でいるのですが、どうしても利用企業さんの方で準備・解決していただく必要があるポイントがいくつかあります。

以下の内容は、セールスハブの利用云々にとどまらず、多くのB向け事業の経営者、営業・マーケ担当者の方に届いたらなと思います。

インバウンド営業とアウトバウンド営業のそれぞれのエコノミクスの整理

「事業を立ち上げ、知り合いからの紹介やイベント、口コミで顧客が増え、事業が成り立ってきた。これで広告を踏んだらもっといける!顧客を増やしたいからセールスハブに相談しよう!」


ありがたいことにこのようなご相談をいただくことが多くあるのですが、口コミなどのインバウンドのみでのグロースであれば、コストが限りなく低いが故にエコノミクスが成り立っているものの、アウトバウンド営業ではそもそものエコノミクスが成り立っていないというケースが多くあります。

これは自分が起業した時にもっと頭に入れて考えておきたかったことの1つでもあるのですが、B向け事業は「SlackやZoomなどのスタンドアローン型の低単価且つバイラル性の高いスペシャルなサービス」でない限り、口コミなどのオーガニックグロース、インバウンド営業だけでの成長には早々に限界がくるため、アウトバウンド営業でもエコノミクスを成り立たせることを前提に事業を考える必要があります。

結局は、CACを下げるか、LTVを上げるかの2択になるわけですが、アウトバウンド営業でのCACはある程度ボトムが決まっているため、自社の事業の顧客規模別のLTVがアウトバウンド営業に耐えうるものになっているか、もしくは将来的になり得るのかというのはとても重要なテーマだと思います。

上記はあくまで弊社調べでの目安になりますが、それぞれの顧客規模別にCACの3倍程はLTV(3年目安)が見込める事業が望ましいように思います。
逆に言えば、それ以上のLTVが見込めるサービスであれば、アウトバウンド営業でも高い投資対効果を維持しながらのグロースが十分見込めます。

インバウンド営業とアウトバウンド営業の商談時の違い

アウトバウンド営業がまだ不慣れな企業様でとても多いのが、アウトバウンド営業での商談をインバウンド営業と同じように行ってしまうというのがあります。

インバウンド営業では、既に先方が自社のサービスを調べてくれていて、興味を持った上で商談に来てくれているので、サービスの説明をするだけでも受注に至ることがあります。

一方で、アウトバウンド営業の場合は、こちらからお願いをして商談の時間をいただいています。そのため、商談相手は自社サービスのこともまだよく分かっておらず、まずはニーズを喚起するところからスタートしなければいけません。

基礎的なことにはなりますが、できている企業は意外にも多くないため、

フィールドセールスの方々が、アウトバウンド営業とインバウンド営業のそれぞれに最適化された「営業資料」や「トークスクリプト」「ロープレ」、などの準備ができているかはとても重要です。

また、商談相手が大手の上層部の方だった場合、インバウンド営業であれば、若手の方であってもどうにかなるかもしれませんが、アウトバウンド営業の場合はそうもいきません。

過去にはセールスハブの利用企業様の中でも、数千名規模の会社の役員の方をご紹介いただいた中で、まだサービスのプレゼンをきちんとできない若手の方が対応してしまい、相手方に対して印象がとても悪くなってしまったということが事実ありました。

アウトバウンド営業は意図的なグロースを可能にする

インバウンドでは、口コミなどをきっかけに顧客自らが自社の商材に興味を持ち、扉を叩いてきてくれます。そのため、コントローラブルではありませんが、コストとしても非常に低く、エコノミクスが成立しやすい特徴があります。

そういった意味では、インバウンド営業だけで目指している成長を実現できるのであれば、それに越したことはありません。インバウンドは最強です。

一方で、インバウンドでの成長率を超える、より高い成長率を実現しようと思うと、どこかのタイミングで、アウトバウンド営業にチャレンジしなければいけなくなります。

アウトバウンド営業は、テレアポをやるにしても飛び込み営業をやるにしてもセールスハブをやるにしても、コストがかかりますし、商談難易度もインバウンドの商談と比較すると非常に高いです。

しかし、一定の受注率を叩き出し、エコノミクスを成り立たせることができれば、再現性を持った意図的なグロースができるといった大きな果実があります。それがアウトバウンド営業の魅力です。

アウトバウンド営業にまだ不慣れな企業様は、「アウトバウンドは商談の質が低い」といって早々に諦めてしまわれる方が多いように思いますが、成り立たせることができた際の経営インパクトを考えると10件~20件ほどやってみて諦めるべき類のものではないと思います。

アタックリストやトークスクリプト、アウトバウンド営業に最適化された資料の構成などなど、PDCAをとにかく回す必要性があると思いますし、もっと経営陣がアウトバウンド営業でもエコノミクスを成り立たせるという強いコミットを示すべき、であるとさえ思います。

インバウンドでエコノミクスが成り立ち、事業が存続できるか、これだけでも当然難しいのですが、その先には、アウトバウンドでもエコノミクスが成り立つ事業になれるか、といった大きな成長の壁があるように思います。

セールスハブが目指すのは、商談を提供しているからいいよねで終わるサービスではなく、100万円投資をしたら300万円になって返ってくるというような投資対効果を出すサービスの確立です。

商談を取るだけの下請けではなく、上からアウトバウンド営業はこうだというようなものでもなく、業績拡大を実現する最大のパートナーとなりたい。

とてもとても難しいことですが、これを実現するメンバー、真剣に取り組みたいと思っていただけた企業様と今後よりご一緒できれば嬉しいです。

2025年のセールスハブ


"ビジネスに革新を起こすインターネットサービスを作る"

というミッションの下、僕らは走っています。

が、そもそも、どうやってビジネスに革新を起こすんだ?

というと、まずは「つながりデータの拡張」です。

現在のセールスハブは、7万件のつながりデータの中からであれば、狙った企業との商談を獲得するということが実現できるようになっています。
これが一番の強みです。

そしてこの現在7万件のつながりデータがさらに集まり、10万件、100万件と、

日本中のつながりデータを集めることができた先はどうなるでしょうか。

テレアポや飛び込み営業、もしくはB2Bのマーケティング活動自体が無くなり、商談獲得はセールスハブだけで済むようになるかもしれません。

企業活動の根幹である営業、その中でも一番大変な商談獲得に革新を起こすことは、日本中の企業のビジネスの革新に繋がるはずだというのが僕らの考えです。

散々難しすぎると言われたこの事業も、チームみんなで粘り強く向き合った結果、しっかりと成長してきました(時間は想定よりもたくさんかかりましたが…)。

メンバーも70名程に増え、事業がどんどん拡大していっています。

2023年の大きなチャレンジであった、デヴィ夫人のCMも多くの反響をいただき2年目に突入しました。

タクシーCMがヒットし、名前を覚えていただけることも増えました。

2025年のSaleshub社は、今まで培ってきたセールスハブ固有のデータを活用した新規ビジネスプランを複数走らせていきます。
より多くの受注を利用企業様に生み出していただくためのものです。

しかし、既に水面下で何個も立ち上げ中なのですが、人手がまだまだ足りません。

Saleshub社ではそんなチャレンジを一緒に向かっていただけるメンバーを大募集しています。

企業の根幹である営業活動に改革を起こせるかもしれない、そんなチャレンジをできるのがセールスハブの魅力だと思います。

少しでもご興味あれば是非、ご応募くださると嬉しいです。

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