学校の範囲外の勉強ってしていいの?
まずはタイトルの質問に答えましょう。いいんです。学校の授業範囲は無視して勉強していいんです。というか、むしろ範囲を超えて勉強した方がいいです。メリットがあまりにも多すぎるくらい。「学校の勉強クソつまんねーな、こんなんの何が面白いんだ?」ってなってるみなさんには特にオススメします。
「でももうすぐ入試なんだけど」
そんな方でも、ほどほどに『ハメ』を外す方がかえって勉強になったりするかもしれません。暗記しなきゃいけないことが減るって言われたら、そりゃ誰だって勉強したくなるでしょ?
って言ってるだけだと全く説得力ありませんから、ここでは学校の授業範囲外の勉強を全力で推奨する理由をあげておきましょう。
そもそもダメな理由があまりない
本当にコレです。だいたい指導要領そのものだって、ゆとり世代だ、さとり世代だなんて言って、ことあるごとに変わるんですから、学校の範囲におんぶにだっこでお世話になる義理もヘッタクレもないでしょ?
ただし、「授業で何言っているか、さっぱりこれっぽっちもわからない」という方については、わからない科目についてはちょっと見合わせた方がいいでしょう。指導要領は、仮にも全国の名だたる先生方が集まって、頭抱えて考えているものですから、カリキュラムはできるだけわかりやすくなるように工夫して組まれています。
ここまでお膳立てされているものがわからないとなると、学習しているもののレベルが高校範囲までならまだしも、大学に行ってしまえば指導要領そのものがなくなりますから、かえって頭がこんがらがるだけになってしまいかねません。
とはいえこれだけ脅しておいたんだから、「学校の授業ひとつもわかんなーい」なんて方はもうとっくの昔に回れ右していると思いますが、学校の授業がある程度わかっていれば範囲外の学習を止める理由はまずありません。ジャンジャン勉強しちゃってください。
授業範囲・受験範囲の勉強にこれでもかってくらい役立つ
これは具体例を挙げた方がわかりやすいでしょう。英語を例に取ってみましょうか。これ文法的に正しいですか?
Taiwan is worth visiting.
受験生なら読んでる側から「台湾は行く価値がある」みたいに訳せると思いますし、「worth ~ing: ~する価値がある」って頭に叩き込んでる方も多いと思います。もちろん暗記が悪いわけじゃないですよ。制限時間がある試験場で頭を使う時間を短縮できるなら、それに越したことはないんですから。
でもよく考えてみてください。Taiwan と visit の関係って、明らかに Taiwan is visited. つまり受動ですよね。なんで worth visited じゃないんですか?「そういうイディオムだから」って言いますけど、試験場で「あれ?これでホントにあってたっけ??」って、私ならなります。
「worth ing は有名だし忘れないっしょ」という方、こんな文章出てきたらどうするんですか?
Her courage deserves praising.
「彼女の勇気は賞賛に値する。」って、これも Her courage is praised. の受動の関係になるはずなのに、「なんで deserves praised ってなってないんだろう」ってことになりませんか?
高校ではまずやらないでしょうが、英文法史を紐解くと、例えば「この家は建設中である」という進行形受動態をこのように言っていたようです。
This house is building.
他動詞のはずの build に目的語がないからこの文は受動態だ、と判断していたようです。ここに端を発して上記のようなイディオムができたとか。
大学に入ったら要領もクソもない
さて、大学進学の道を選んで無事合格したとしましょう。『晴れてキミも大学生!』なんて例のゼミに言ってもらえるご身分にになったとして、じゃあその後どうしますか?
まず先に申し上げておくと、大学に入って「勉強しろ」だなんて、マジで言われませんね。「勉強したいやつは勝手にしろ、勉強したくないやつも勝手にしろ」なんて感じで、これでもかってくらい放任主義敷いてくれますので、勉強するしないの選択は全て個人に任される事になります(別に高校まででも勉強したくなければ勝手にしていいとは思いますが)。
ということで、大学での勉強は自主的に。デキる人は上学年・上回配当(関西では大学は1回生、2回生と数えていくのが主流)の授業をアホみたいに入れていきます。「上学年の授業を入れるのはちょっと…」という方でも、「自主ゼミ」なんてものを開いたりすることもよくありますね。学生だけで一つの教科書を決めて、自分たちで順番に講義したり、「ちょっとここどうなの?」みたいに議論していったりします。
…じゃあ高校での勉強だって自主的にでいいんじゃないですか?
ただし、のめり込みに注意
さて、ここまで散々と授業範囲外の勉強を推奨、宣伝してきておいてこんな野暮な話はないとは思いますけれども、念のために申し上げておきます。「大学を受験するには勉強しなきゃ」という方(つまりほとんど全員ですが)、さすがにご存知だとは思いますが、受験で出題されるのは(基本的には)教育課程の中の話だけですよ。
「高3の冬にラテン語の勉強してたら大学落ちちゃった」なんて誰かさんの二の轍を踏むことはぜひぜひ避けてください。まあ当人は翌年ちゃんと第一志望に通ったのでさほど気にはしていませんが、一応そこらへんの加減はしっかりとつけることをお勧めします。
「でもちゃんと合格できれば指導要領ガン無視していいんだよね」
ええ、その通りです。が、入試問題を解くことに限っては可能な限り学校でやる(はずの)話で片付けた方がいいとは思います。菜切り包丁で仕留められる相手を戦車で蹂躙するのは、見栄えがあまりよろしくないですし、ましてそれで仕留め損ねでもしたら、こんな惨めなことはないでしょう?
まとめ
「学校の授業つまらんすぎて退屈」という方に向けて「授業範囲外の勉強すればいいじゃん」という話をしてきました。学校の先生なんかは「勉強には順番というものがある」とか言うかもしれませんけれども、成績が特に悪くないのであれば指導要領から逸脱しちゃダメな理由なんてありませんから、安心して勉強なさってください。
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