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どうして放課後の子どもたちの居場所づくりを始めたのか

こんにちは!狛江市の放課後の子どもたちの居場所づくりをしている、「まなびや」の宮田です。

前回の記事で、「わたしが探究学習サービスを始めるのは、子どもたちの好奇心の種を育てたい、学習に向かう姿勢を前向きなものにしたい」みたいなことを書きました。

今回は、どうしてわたしがそう考えるようになったか、の理由も含めつつ、そもそもなぜ放課後の居場所づくり「まなびや」をやっているのか、
原点に関する話をご紹介します。

転機は大学生の頃

わたしは小中高と公立の学校でそこそこ順調に進んだ方だと思います。

高校入試のときは、願書提出ぎりぎりのタイミングで当時の自分のレベルより高い高校を受験することを決めたので、少しハラハラした感じはありましたし、「無理なんじゃないか…」と思ったことも何度もありましたが、
それでもなんとか合格。
「よかったー」という感じで乗り越えたと思います。

でも、大学受験は難しかったです。
希望する大学には行けなかったのですが、家庭的に「国公立の大学にしてほしい」と言われていたので第一希望ではない大学に進むことにしました。

いま思うと、大学にこだわらないでも良かったのに、とも思いますが、その当時は周りがほとんど大学進学か浪人生活、ということで、自分もその選択肢しか見えていませんでした。
昔、個人noteでも書きましたが、中高生時代に「保育園や幼稚園の先生になりたい」と思っていたことがあったので、そういう道だってあったのになあ、と今は思います。

自分の中のわだかまりを越えるためには|はづき (note.com)

だから、大学入学当時は特に、自分に対して「劣等感」というか、「挫折した感」がありました。
でも、待っていたのは普通に学校の授業をただただ受ける日々。
「あれ?これってただの高校の延長上の生活では?大学に来た意味ってなに?」と考え始め、余計に悶々としていました。

新たな出会いと、学ぶ楽しさに目覚める

そんな中で、自分なりに関心のあることに挑戦してみよう、と震災後のボランティアに行ったり、留学生たちとの交流をしたり、少しずつ動き始めると、新たな出会いがたくさん生まれました。

モヤモヤはするけれど、動かないといけないことを自覚し始めた頃。
部活の先輩から、「子どもたちと遊ぶボランティアを募集している」と言われ、参加してみることにしました。

そこで出会った人が、NPOの代表の方で、自身で本屋さんをやっており、その本屋のコンセプトが「中高生が地域と出会うきっかけをつくる」でした。
すごい!おもしろそう!と思い、しかも大学の近くに本屋さんがあるとのことで、そのまま一緒に本屋さんに同行させてもらいました。

本屋さんも素敵だし、そこにいる人たちも、大学にいるだけでは出会えないような大人たちや、他学部の学生さんたちだったので、わたしはその本屋さんに通うようになりました。
同時に、本も自然と読むようになりました。本を読むと、また別の世界が見えてきて、面白さを感じていました。

この頃のわたしは、とにかく人や本に出会って、新しい世界に触れるのが楽しかったのだと思います。
人や本から学ぶことって、こんなに楽しいんだ…だれかの一言が、自分の価値観に影響を与えるんだ…と実感しました。

地域は多様性の宝庫だった

こうして大学の外に出始めたわたしは、「地域」というものに惹かれていきました。
そもそも「地域」とは?という議論も成り立つと思うのですが、とりあえずここではざっくり、「その地域に住んでいる人たち」と定義します。

わたしは小中高と、ごくごく「普通」の生活をしてきたと思うのですが、
やっぱり同質性の高いコミュニティに属していたなあと、大学生になって地域の人たちと関わっていく中で思いました。
昔なら当たり前のようにあった地域の人たちとの助け合いや、関わりがどんどん薄くなっていたのがおそらくわたしたちの親世代。
特に日本は、みんなと一緒を良しとする文化が強いのもあって、小学校高学年あたりからは周りの目を気にするようになっていました。

だって、そこにしか自分の居場所がないから。
学校で上手くやらないと、自分の存在が危ぶまれてしまうことに子どもながら気づいていて、だから周りに合わせて授業中挙手しなかったり、いい点数を取っても「わたしも全然テストできなかったよ~」なんて友達に話したりして。
ここで変に浮いて、「あの子って変だよね」「仲間外れにしちゃおうか」と言われるのが怖い。

でもそれを続けたことによって、自分の本当の気持ちが分からなくなったり、一歩踏み出す勇気を持てなかったり、
自分の経験上ではありますが、「ここにしか自分の居場所がない」と思ってしまうとあまり良いことは生まれないなと思っています。

でも、地域に出るとその様子が全く異なります。
年齢やバックグラウンド、仕事、価値観…すべてにおいて多様性が生まれます。
同質性が育まれる学校環境とは違います。

「もし、子どもの頃からいろんな人と関わる機会があったらどうだったのだろう…もっといろんな価値観を知ることが出来ていたら、学ぶことに対して前向きになっていたのではないか」
大学に行って地域の人と関わるきっかけをもらったわたしは、そんなことを日々考えるようになりました。

だから、いまは子どもの放課後の居場所づくりというものを通して、
子どもたちが多様な価値観に出会える場・学校と家庭以外の第三の場になれたらと思い、活動をしています。

今回書いたのが、「まなびや」という居場所づくりの原点となる物語です。
次回は新事業として始める「まなびやプラス」という探究学習に取り組もうと思ったきっかけなどを紹介したいと思います。

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