結婚後にイギリス留学した話~それって悪いこと?~
「結婚しているから」「子どもがいるから」という理由で、やりたいことを諦めている人は多いのではないでしょうか。
私も、もともとは「結婚しているから」という理由で、やりたいこと(大学院留学)を諦めていましたが... 諦めきれずに結婚後にイギリスに大学院留学をしました。
日本の大学院生時代にオーストラリアに1年間留学していましたが、その目的は語学学校での英語の勉強と専門学校での英語教授法の勉強でした。
両方とも学位を取る目的ではなかったので「遊学」と言われてしまうこともありました。それが悔しくて悔しくて(確かによく遊んでましたが笑。語学留学の場合は授業後に家に引きこもらずに遊びに行くのが勉強みたいなもんです)...
オーストラリアにいた時に、学位を取るために留学していた人たちが眩しく見えました。
高校で英語を教えていた時も、何となくモヤモヤしていました。
英語を教えているのに遊学で終わらせていいのか... 海外の大学院で英語教授法を学んで学位を取ったら自信が付くんじゃないかと... (海外の大学院で学位を取りましたが、結局、自信はまだ付いてません笑)。
結婚後も、そういう気持ちでモヤモヤしていました。
私は、もともと海外が好きで、学生の頃はバックパーカーとして1人でオーストラリアをウロウロしたり(たいした英語力なかった頃です)、結婚前はインドの小汚い夜行列車で年越しをした後にインドの洗礼を受けたり(いわゆる下痢ピー...)していました。
でも、結婚したらやっぱり1人で旅行したり、友人と旅行したりするのも、何となく罪悪感がありました。
ましてや夫を日本に残して留学なんて...悪!という感じです。
ある時、友人にそのモヤモヤしている気持ちを相談しました。そうすると、「人生1回なんやし、留学しちゃえば!?せんかったら後悔するで!」という返答が。
夫にも、モヤモヤとした気持ちと、留学への熱い想い、将来の展望を語りました。
めちゃくちゃ反対されると思っていましたが... 意外と、あっさりと留学することを認めてくれました(一応、「ちょっと考えさせて」とは言われましたが...仏みたいな人です...というか、うるさい妻がいない方がのびのびと羽を休められると思ったのでしょう笑)。
悩んでたのは何だったんだろう...思い切って言ってみるものですね。
パートナーや子どもがいるという状況で、留学であれ習い事であれ転職であれ、新たなことに挑戦する時は、多かれ少なかれパートナーや子どもに負担がかかってしまいます。
気持ちよく新たなことに挑戦できるようにするためには、彼らから理解を得ることが必要になります。
彼らの理解を得るためには「やりたい理由や想い」「それが何にどう役立つか」「将来の展望」などを明確に説明できる準備をしておいた方がいいかもしれません。
私の場合は事前に大学院のパンフレットを準備して夫に説明しましたが、人によっては準備しすぎてしまうと「相談する前に全部自分で決めてしまっている」と気分を悪くするパートナーもいらっしゃるかもしれません...。
夫は私のサポーターになってくれたのですが、周りからは非難の声が...
「結婚してるのに、よく行くな...」「旦那さん、かわいそうちゃう?」「 離婚するんちゃうか!?」など...
やっぱり悪いことをしているのかなと思いました。義母にもどう説明しようかとか...(夫が説明するのを手伝ってくれました)。
何だかよくわからない罪悪感、大学院留学への不安(授業についていけるのか...論文書けるのか...)、初めて行くイギリスという国に対する不安、そして新たなことに挑戦するというワクワク感...いろんな気持ちが入り混じりながらのイギリスへの出発でした。
いざ、イギリスの大学院に留学してみると、周りからの批判による罪悪感は、けっこうどうでもよくなりました。
世界では、既婚者で留学なんて珍しいことではなかったんです。
日本の大学院でも既婚者、子育て中の人、働きながら学んでいる人も多くいましたが、イギリスの大学院は日本の大学院以上にそういった人が多かったです(MBAなどの多くの専攻が職務経験が必須なので自然と年齢層が上がるからだと思います)。
私の専攻も例外ではなく、職務経験が必須だったこともあり年齢層は高めで、留学生も仕事を休んできている人や辞めてきた人はもちろん、既婚者や子育て中の人もいました。
4人子どもがいるママで、旦那さんと下の子2人(しかも双子)を帯同してきている人(上の子2人は自国に残してきている)
旦那さんを自国に残してきている人
奥さんを自国に残してきている人(次の年からは奥さんが同じ大学院に留学予定)
婚約者を自国に残してきている人(次の年に結婚する予定)
世界では、旦那さん、奥さん、パパ、ママ...こういう立場の人であっても、学びに果敢に挑んでいる人が多いんです。
私の場合は、ストレートに学生をしていた時よりも、真剣に学業に取り組めました。
もちろん好きなことを学んでいるので真剣に取り組めるというのもあるのですが、仕事を辞めて、夫を含め色んな人を説得して留学しているのに、卒業できずに帰国したら顏が立たない...というか、帰れない...何とか卒業できるように泣きながら勉強しました。
日本は、大人になってから学ぶ人の数が他国と比較して少ないと言われています。
しかし、大人になってからでも経済や社会の変化に対応できるように、新しい技術や知識、考え方を学び続けることは大切です。学ぶことにより、職業の選択肢も増えるかもしれません。
また、学びにより、心を豊かにし、生きがいを感じることもできます。
私は留学という形で、大人になり結婚してから学び直しましたが(長男を妊娠中は大きなお腹をかかえながら速読教室に通っていました。その成果は...わかりませんが...笑)、思いきって夫に留学したいことを伝え、学び直してよかったと思っています。
あの時、諦めていたら、いまだにモヤモヤしたまま、ウジウジして夫に八つ当たりをしていたかもしれません(笑)。
仕事しながら、結婚しながら、子育てしながら学ぶのは、時間的にも少しハードになるかもしれませんが、時間的余裕がないことや世間体を理由に諦めていたら、いつまでたっても学んで向上するチャンスを掴むことはできないと思っています(もちろん、健康に支障をきたすほど忙しくなってはいけません)。
仕事してたって、結婚してたって、子育て中であったって、妊娠中であったって、少しでも学びたいという気持ちがあれば、学ぶのを諦めなくていいのではないでしょうか。
もっと既婚者、パパ、ママか学ぶことに対して寛容な社会になってくれたらと思います。
Who dares wins ~あえて挑む者に勝利あり!~