『ほめる』の流儀 〜結果を褒めるな!〜
みなさん、人をほめてますか?
人間関係において、『褒める』というのは非常に重要です。
D・カーネギーさんの『人を動かす』でも、何度も何度も取り上げられたのが『褒める』という行為です。
ですが、この『褒め方』を間違えてしまうと、あまり効果が得られないどころか、「なんかあまり嬉しくない」「全然見てくれていない」と不快にさせてしまうケースすらあるのが注意すべきところです。
でも褒めるなら、心から喜んで欲しいじゃないですか!
では、どう褒めればいいのか。
今回は、人間関係において超重要とされる『褒める』の効果を最大化させるための褒め方について触れていきます。
よくない褒め方
まずは、よくない褒め方です。
たとえば、今日は彼氏の誕生日。彼女が大好きな彼氏のために、朝早くから腕によりをかけて、彼氏の大好きな料理を準備しました。部屋にも飾り付けをたくさんして、彼氏に喜んでもらうために必死です。
「よし!頑張ったぞ!喜んでくれるかな?」
いざ、お祝いの時。彼女の料理を食べた彼氏が
「すごい美味しいよ!」
と褒めてくれた。だけど、それだけ。
これは彼女は心から喜べますか?なんか寂しい気持ちになりませんか?
本当は、朝から頑張ったことを知ってほしい。
本当は、彼氏が好きな料理を選んだことに気づいてほしい。
本当は、たくさんの飾り付けをしたことを喜んでほしい。
本当は気づいて欲しいことがたくさんあるんです。
さぁ、彼氏のどう褒めればよかったのでしょうか?
褒める時に見るべき【4つの視点】
人を褒めるときは、以下の4つの視点を持ちましょう。
そもそも褒められて『嬉しい』と感じるのは、結果を褒められたからじゃないんです。
そうじゃなくて結果を通して、『自分』という人間を認めてもらえることが嬉しい。そして、自分を見てくれていることが嬉しいと感じ、そこに共感してくれることが嬉しい。
人はすべてを褒めて欲しいものです。
①結果をほめる
これが最も多用され、最もわかりやすく、最も喜びが少ない褒め方です。
・上手にできたね!
・すごい点数だね!
・1位になってすごいね!
こういう褒め方です。
もちろん、これが悪とは言いません。ですが、大切なのが『結果だけを褒めない』ということ。
②過程をほめる
重要なのが『過程』を褒めるということです。
・毎日遅くまで頑張っていたもんね!
・一生懸命練習してきたことがすごい!
・誰よりもしっかり準備していたよね!
過程を褒めると、相手は「自分のことを見ていてくれた」という感覚になります。途中の努力を見ることもせず、結果だけ褒められても嬉しくないです。逆に、結果が出ていなかったとしても、そこまでの努力を褒めてもらえたら、それだけでも嬉しいものです。
過程を褒めましょう!
③意識をほめる
次に『意識を褒める』です。
・やろうと思っていること自体がすごいことだよ!
・そんな気持ちで仕事に向き合うことってなかなかできないよ!
・喜ばせようと思ってくれた気持ちが何より嬉しいよ!
こんな風に、意識を褒められると「気持ちまで理解してくれた」とより嬉しい気持ちになります。それだけじゃなくて、『結果が出ていなくて、努力もできていなかった人』でも褒めることができるんです。
④存在をほめる
最後に、『存在そのものを褒める』です。これが、結果・過程・意識を問わず、どんな時でも繰り出せる最強の褒め方です。
・あなたがいると安心する
・あなたがいたからここまで来れた
・あなたと仕事ができて本当によかった
存在そのものを褒めてもらえると、相手は「自分はこのままでいいんだ」という安心感が芽生えます。つまり、これをすることで相手との信頼関係が一気に深まります。
家族や友人、職場の同僚など、関係性が深い相手には継続的にやるべき褒め方です。(関係性が深い相手ほど、できていないケースが多そうですね・・・)
具体的な褒め方の例
具体例1:「おいしい」とだけ言った彼氏
先ほどあげた、料理を振る舞ってもらった彼氏の例で考えてみましょう。
①結果:美味しいよ!
②過程:こんなにたくさんの料理を作るの大変だったでしょ?準備、頑張ってくれたんだね。
③意識:一生懸命、喜ばせようとしてくれたことが何より嬉しいよ。
④存在:こんな彼女がいてくれて幸せです。本当にありがとう!
こう褒めたらどうでしょうか?かなり伝わり方が違うはずです。
具体例2:結果が出なかった部下
一生懸命やったけど、結果が出なかった部下の例です。
①結果:今回の結果はたまたまこうだけど、気にしなくて大丈夫。
②過程:ここまで一生懸命努力していたのを知ってるよ。
③意識:成果を上げたいと思ってくれてありがとう。
④存在:あなたのような部下がいてくれて本当によかった。大丈夫。あなたなら必ずできる!
こんな褒め方をしてくれたら、この人について行こうと思いませんか?
部下は上司に見ていて欲しいものです。特に会社という場所においては、成果が上がることばかりじゃないので、②〜④を認めてあげることがとっても重要です。『あなたのことをちゃんと見てる』というメッセージが伝わってはじめて「あなたならできる」という言葉が刺さるのです。
具体例3:勉強する!と言って勉強せず、成績の悪い息子
これはあるあるですよね。ついつい怒りたくなってしまうものですが、これだって褒めることができるんです。
①結果:順位なんか気にすることないよ。
②過程:頭で分かってても気合いが入らないこともあるよね!分かる〜!
③意識:だかど、「勉強しよう」と思ってくれていることだけでも嬉しい
④存在:今は成績が良くなくたって、あなたなら必ず出来るから!
9割の家庭が「勉強しなさい」とか、「次はちゃんとやりなさい」と、子どもを責めてしまいます。でもどうですか?
子どもの立場になって考えてみましょう。
「勉強しろ」と詰められることであなたは頑張りますか?
勉強しなかった自分も認め、「あなたは出来るよ」といつも信じて続けてくれる親の気持ちを裏切ってサボり続けられますか?
子どもが自分から『勉強したい』と思うのは、責めるより褒めたときです。
人は、期待された通りの人になろうとします。これをピグマリオン効果と言います。ただし、うわべの言葉では刺さりません。過程や意識まで見てくれるから、言葉がしっかり刺さるんです。
ここで甘やかしてしまったらやらないじゃないか・・・
と不安になる方もいるでしょう。
でも、認めてあげることと甘やかすことは全く別の問題です。
甘やかすことは、「勉強しなくても、何もしなくても、いいよ」とすべてを看過してしまうこと。
認めてあげることは、「結果が出なくても大丈夫。頑張れてない時があっても大丈夫。あなたは出来るよ」と期待し続けてあげること。
正しく期待してあげることで、子どもは必ず頑張ります。
まとめ
ということで、いかがでしたでしょうか?
『褒めることが大切』とよく言われますが、褒め方って意外と難しい。正しく褒めないと、「褒めたのに、なんか微妙な空気になった」「褒めたのに変わらない」みたいなことになりかねません。
褒め方には流儀があるんですね!
最後に、大切なこととして、『いつもやること』を大切にしてください。これ、本当に重要です。
過程を褒めること < 意識を褒めること < 存在を褒めること
右に行くほど、照れ臭さが必ず邪魔します。だから慣れておく必要があるんです。結果・過程・意識・存在の4つの引き出しがあれば、結果が出ていなくても、努力している姿が見えなくても、いつでも褒めることができる。
常に相手を肯定し、成長させられる存在になっていきましょう!
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